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萌え小説 15

うちの子ご自由にお描き下さい同盟



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はじめての仲間


 早川さんと仲直りか…。
 どうすればいいんだろうね…。
 ボクは体育館の壁に背をつけて、体育座りでため息をついた。
 うん。そうなんだ。
 友達がいなかったから、ケンカなんかしたことないんだ。
 だからボク、仲直りの方法なんて、知らないんだ。
 え? 謝る? なにを?
 なにがゴメンなのか、はっきりしなきゃ、謝りようもないよ。
 例えば…そう…。
 殴ってもいないのに、“殴ってゴメン”じゃ、ヘンでしょ?
 それに早川さんなら、逆に怒っちゃいそうだよ。
「なにがゴメンなんだか、ハッキリしなさいよっ!
 それがなきゃ、誠意ってモンがないでしょ!
 わかる? トウヘンボクのスットコドッコイっ!!」
 なんてね。
 どうすればいいんだろうね…ホントに…。
 そんなことを考えながら、ボクは早川さんを遠くみていた。
 早川さんは女の子たちと談笑していて、人懐っこい笑顔を浮かべてた。
 なんでこんなに、キュンとしちゃうんだろ。
 まるで美代ちゃんが、まだ佐藤さんだったときみたい…。
 ボクはブンっと頭を一振りして、浮気な考えを追い払った。
 そしたら聞こえてきたんだ。
 男子たちの声が。

「うひょ〜」
 体育館の真ん中あたりで、一塊になってる男子たちから声がした。
 みんなで円陣になって座り、中心にあるなにかを見てるみたい。
 なにを見てるんだろ…?
 うん。そうだね。
 ちょっと気になるよね。
 そっと、気づかれないように覗いてみようか…。
 そう思って近づいて。背を延ばしてたら、中心にいるひとりが振り向いたんだ。
「なんだ、鈴代じゃねぇか…」
 隣のクラスの男子――たしか、清太くんだ。
「鈴代も見るか? スゲーぞ?」
「え、えと…」
 どう返事しようか、迷ってたら。
「おう、場所ツメろよ。
 鈴代、ココ座れよ。特等席だぜ?」
 って、清太くんが場所を空けてくれて、自分の真隣をポンポンと叩いてくれた。
 うん。そうだね。
 いつもは仲間外れなのに、こんなことはじめて。
 隣のクラスだからかな…?
 座っちゃっても…大丈夫かな…?
 そんなふうにちょっと不安になったけど、せっかくだからボクは座ってみることにした。
「オレは、山本 清太(やまもと せいた)だ。
 みんなは“清太”って呼んでる」
 ボクが座ると、清太くんは自己紹介をしてくれた。
 髪の短い、いかにもワルガキ、って感じの快活な印象。
 うん。鼻にバンソーコーが似合いそうだよね。
「オレ、大村 政和(おおむら まさかず)。よろしくな」
 続けて、体格がよくて、背の高い男の子が口を開いた。
小野寺 政一(おのでら せいいち)
 体格がいいチビの男の子。
 っていっても、ボクと変わらない背丈かな?
 大村くんのサイズを小さくしたみたいな感じの子。
 無愛想に名前をいったけど、怒ってるワケじゃないみたい。
半村 太郎(はんむら たろう)なっ!」
 そういってニカッと笑った子は、なんか調子よさそうな感じ。
 ちょっと、清太くんと感じが似てる。
「オ、オラは、小屋島…」
「こいつは、オヤジ」
 イガグリ頭のハンプティ・ダンプティみたいな男の子を、隣の子が遮っていった。
「オレは為村 悟朗(いむら ごろう)。“ゴロー”でいいよ」
 オヤジって紹介された子はブスッとして、ゴローくんはニヒヒっと笑った。
 ゴローくんは髪が短くて、眠そうな目をしていて、なんか、女子にモテそう。
 他にも何人かの子が名前を教えてくれた。
 隣のクラスの子もいれば、ボクと同じクラスの子もちょっといた。
 そして最後にボクの番。
 うん。そうだね。なんだがすごく緊張する…。
「ボ、ボクは…」
「第六ちんぽ大王・鈴代はじめ。
 みんな、もう知ってるって!」
 清太くんがそういうと、みんなはニカッと、くったくのない笑顔を作った。
「よ、よろしく…」
 あう…。ヘンなアダナ…。定着しならなきゃいいけど…。
「しっかしブータのヤツ、ザマアみろだったな〜」
 清太くんがボクの背中を、パンって叩いた。
 お陰でボクは、ケホッとなっちゃった。
 どうやら食堂勝負の一件で、ボクは一目おかれた…ってトコみたいだね。
「オレな、アイツは昔っから気にいらねぇんだ。
 目に入るモンは、全部自分のモノだと思ってやがってよ。
 “オレの縄張りの女に手を出すな”、だとよ。
 まるでハーレムのボス気取りだぜっ!」
 “縄張り”って、クラスのことかな…?
「誰のものでもねぇってんだ!
 なぁっ!」
「最近じゃ、オレたちの縄張りにもちょっかいかけてきてるしな」
 と、小野寺くんが、ブスッと口を開いた。
「モテてると勘違いしてやがんだ」
「一回でもヤらしてもらえれば、自分のモノだと思ってるんだぜ?」
「女子にはおべっか使って、男子には陰湿なイジメするしな」
「相手にしたくないから、みんな黙ってるけどサ。
 しょーじき、ウゼーよ。ブルドッグ顔」
 ブータのヤツ、相当きらわれてるんだね。
 みんなから、口々に悪口が飛び出した。
「ご、ごめんな、鈴代」
 見覚えのある同じクラスの子が、オズオズといってきた。
「オレも…」
 その隣の子も、同じクラスの子。
 ? なんで謝るんだろ…?
「ブータにいわれてたんだ…。
 鈴代と話しするなって…。
 じゃないと仲間外れだって…」
「オレも…仲間外れにされんのが、いやだったんだ…」
 なんだ。ボクが避けられてたのって、ブータの差し金だったのか。
 不思議とあっけらかんと思った。
 うん。そうだよね。
 イヤな思いはしたけど。
 この子たちのせいじゃないし。
 ブータは食堂での勝負で、情けない姿をみた後だったしね。
 手品の種明かしをみたくらいのことだよね。
「い、いいよ。気にしないで。
 それより、なにを見てたの?」
 ボクはちょっとこそばゆくて、本来の話題に戻した。
「おう。忘れてたぜ。
 コレコレ…」
 清太くんが開いたのは、エロ本だった。
 しかも…。
「コ、コレ、…む、無修正…?」
「おう、オレさまの秘蔵本だぜ!」
 金髪で青い目、白い肌に黒い下着…。
 あられもない格好でおまんこみせてたり…、合体してたり…。
「なんだ、鈴代。はじめて見たのか?」
「う、うん…無修正は…はじめて…」
 ボクは卑猥な写真に目を奪われてて、清太くんの問いに恥ずかしがるのも忘れてた。
 うん。そうだよ。
 ボクだってオトコの子だもん。
 エロ本くらい隠し見るよ?
 でも無修正のははじめてだったし、こんな…なんていうか、ロコツなのじゃなかったし…。
 ウェーブかがった金髪、白い肌。
 なんか、ゆり先生を重ねてしまう…。
「ゆり先生…、ハーフなのかな…?」
「クォーターとかって、いうんじゃないのか?」
「おとうさんが外国人? それとも、おかあさん?」
「ずっと日本人だって」
「ふーん…」
「ゆり先生も似合いそうだよなっ!
 こーゆー下着」
 見ている子たちから、口々に言葉が飛び交う。
「なんか、オトナの下着って、え、エッチだよな…」
「パンツなんて、ヒモだもんな…」
「コッチのなんて、穴が開いてて、おまんこ丸見え。
 履いたままスルのかな?」
「ソレ、なんかコーフンしねぇ?」
「お、オラ、ブルマがいいな…」
「オヤジくさいシュミだな…オヤジ……」
 オヤジくんの言葉に、ゴローくんがツッコミをいれた。
「やっぱ、おっぱいはおっきいのがいいよな…。
 鈴代はどうだ?」
 清太くんが聞いてきた。
「え? お、おっきいほうかな…?」
「どのくらいが好みだ?
 このくらいか?
 それともこの超爆乳か?!」
 ページをめくり、めくり、聞いてくる。
 あんまりおっきいと、ちょっとキモイかな…。
 でも小さいのもねぇ…あ、あの写真とかは…。
 なんて、目移りするみたいに感じて、ボクは当たり障りのなさそうな、正直なトコをいってみた。
「ゆ、ゆり先生くらいがいいかな…?
 柔らかそうだし…」
「おまえ…」
 ぐっと清太くんが見据えてくる。
 な、なんか、マズイこといったのかな…?
「わかってんなぁ、鈴代〜。
 ヨシ! 今日からおまえも、オッパイ星人の仲間入りだ」
 清太くんはボクの肩を叩きながら、快活に笑った。
「アハハ…」
 なんか、うれしいな。
「ゆり先生のおっぱいはサンコーだぜ〜。
 柔らかくて、おっきくて…」
 清太くんの言葉を皮切りに、また口々に言葉が飛び交う。
「肌もスベスベってか、こうムチムチ?」
「ちがうちがう、吸いつくっていうんだぜ?」
「お、お尻もイイ…。おっきくて…肉付きよくて…ハァ…」
「おまえ、ホントにオヤジくせぇなぁ…」
 みんな、ゆり先生としたことあるみたい…。
 羨ましいね。
 ボクにもさせてくれるといいんだけど…。
「でもなんかなぁ…」
 ため息するみたいに誰かがいった。
「だよなぁ〜」
 同調するみたいな声。
 なんだろ?
「おっぱいも、お尻もおっきいし、いろんなことさせてくれるけどさ…」
「あ。わかるわかる、オトナの余裕ってヤツ?」
「オトナの余裕?」
 ボクは首を捻った。
「オレたちじゃ、おまんこいっぱいにならないしな」
「束になっても、先生たちイカせられないし。
 くやしいけどよ」
「やっぱ、オトナのデカさにゃ、かなわねぇのかなぁ…」
 清太くんが目を落とした写真は、ビール瓶みたいな黒いおちんぽ。
「ゆ、ゆり先生は魔性のオンナだ。
 みんな、気をつけなきゃダメだゾ」
 と、オヤジくんが唐突にいうと、みんなから一斉に呆れ声があがった。
「ハァ〜〜?」
「オ、オラ、一回だけあるだよ。
 汁でいっぱいのおまんこの中が、キューと吸盤みたいに吸いついてきて、モゾモゾ蠢いて…」
「ハァ〜〜?」
 呆れ声の重奏。
「オレ、ゆり先生と何度もシてるけど、そんなんなったことねぇぞ?」
「ウ、ウソじゃねぇぞ。
 すごく気持ちイイけど、なんか、知ってはイケナイ、オトナの世界を垣間見たみたいな…」
「ハァ〜〜?」
 みんなを代表するみたいに、清太くんが口を開く。
「オヤジ、ワケわかんねぇよ。
 気持ちヨすぎて幻覚…じゃなくて、幻聴…でもないか…」
「錯覚でいいんじゃないかな?」
 ボクは助け船をだした。
「ソレだ。
 オヤジ、気持ちヨすぎて、ケッカク起こしたんだ」
 結核だって。
 いいまちがいを正すのもわるくて、流しちゃったけど。
 清太くん、かなりおもしろい。
「信じねぇなら仕方ねぇ…。
 これがオトナの大きさってヤツだ。
 なぁ、鈴代」
 ポンとボクの肩に、オヤジくんが手をのせた。
「ハハ…そうだね…」
「オヤジってヘンなヤツだろ?」
 清太くんが、こそっと耳打ちしてくる。
「でも、おもしろいよ。いいヤツだね」
 ボクもコソッと返すと、ふたりでクスクス笑った。
「あ、コレコレ」
 男の子のひとりが、ページを指さした。
「オレ、この格好でヤってみたいんだ」
 四つん這いの女の人に、男が腰を当ててる。
 これって、入れてるのかな?
「なんだ。フツーじゃん!」
 清太くんが、さも当たり前みたいな声をあげた。
「フツー?」
 ボクはこんな格好でしたことなかったから、聞き返してた。
「フツーだよ、こんなの」
「鈴代ははじめてだったから、知らなくてもしょうがねぇよ」
 指さしてた男の子がフォローしてくれた。
「おまえもそうだろ〜」
「う、うるさいなぁ…」
 隣から頭をかるくコズかれて、その子は負け惜しみを呟いた。
 ボクも含めてみんなが笑った。
「へへ。いいか、コレは後背位っていうんだぜ」
 清太くんが、得意気に話しだした。
「これは正常位な」
 早川さんとしたのと、同じ体勢の写真。
「こっちはキジョーイ。ザイに…」
 ページがパラパラめくられ、いろんな体勢の写真がでてくる。
 中には、女の人が苦しそうな体勢もあった。
「いろいろあるんだ…」
 半ば感心してボクは呟いた。
「あ。これ、ヤッたことある」
 見覚えのある体勢を見つけると、ボクは反射的に指さしてた。
 春子お姉さんとしたときの体勢。
 足を抱えての側位、ってことらしい。
 アレ、セイジョーイじゃなかったんだね。
 なんて思ってたら、清太くんが大げさな声をあげた。
「マジ?! 誰とヤッたんだ?」
「はる…中等部のお姉さん。シャワーしながら」
 名前でいいそうになって言い換えた。
 親しい仲とか思われると、ちょっと気恥ずかしいからね。
「鈴代スゲー。経験値いくつアップした?
 もう上級レベルじゃね?」
 上級レベルって…。
 苦笑と照れ笑いが混ざる。
「気持ちよかったか?」
「う、うん。ヨカッた」
 清太くんの目、なんか、憧れるみたいにキラキラしてた。
 ホントにやったことないんだね。
 清太くんって、裏表なくて、正直な性格みたい。
「先生たちとは大抵、後背位だよな」
「うん。セイジョーイで、おっぱいイジくりながらもいいけどな。
 背丈ちがいすぎ〜」
「手を届かせると、動きにくいもんな〜。
 先生もコウハイイの方がイイみたいだし」
「ふ〜ん。
 みんな、先生たちとシたことあるんだね…」
「こう、腰のあたりを掴んでな。
 おっきなお尻をめがけて、ぱ〜んぱ〜んって」
 男の子が立ち上がって、自慢げにモノマネてみせた。
「おまえがそんな音させてるかぁ〜?
 ぱふん、ぱふん、のまちがいだろ〜?」
「う、うるさいなぁ…」
 モノマネた子はみんなに笑われて、赤くなった顔で腰を下ろした。
「でもよ。なんか、すげぇ、コーフンするよな、コウハイイ…」
 みんな同意なのか、後背位の写真をみつめ、押し黙ってしまった。
 そんなにスゴイんだ…。
「でも、女子ってイヤがるよな」
「コウハイイはな。
 なんか恥ずかしい〜、とかいって。
 おまんこみえるのは一緒だってのにサ」
「クツジョクテキっていうんだぜ」
「そ、その表情がイイのに…」
「オヤジ…おまえカエレ」
「後ろからスル方が気持ちイイんだけどな…」
「そうなの?」
 ちょっと興味が涌いて、聞き返してみた。
「ちんぽが奥まで届きやすいし」
「ふーん…」
 そうやってみんなでエロ本を見てたら、突然、女の子の声がした。
「ばっかじゃないの?!」
 腰に手をあてたその子は、茶色っぽい髪のポニーテールの女の子。
 なんか見覚えのある女の子だった。
「させてくれる女の子そっちのけで、エロ本なんか見てっ!」
 半ば呆れ声に、清太くんがムッとした顔になった。
「うるせぇなぁ〜。
 ソレはソレ、コレはコレ。
 オトコのロマンだっ!」
「そ、そうだ、そうだ、くやしかったら、ブルマ履いてこい〜」
「オヤジ…おまえは口を開くな」
「鈴代くんまで、こんなエロガキと一緒になって…」
「関係ねぇだろ。
 鈴代はオレと同じ、オッパイ星人になったのだっ!
 なっ?!」
 清太くんがボクと肩を組んだ。
「う、うん」
「ホラみろ。
 同士・鈴代の悪口はゆるさんぞぉ〜!」
 清太くんが拳を高く振り上げる。
「そ、そうだ、そうだ〜。
 くやしかったら、巨乳ブルマになってこい〜」
「オヤジ…おまえ、ホントにカエレよ…」
「フンだっ!」
 女の子はプイッとポニーテールを揺らし、向こうへいっちゃった。
 そして振り返って、あっかんべーをしてきた。
 負けじと清太くんも、べぇー。
「アハハ…」
 うん。そうだね。
 嫌われちゃったけど、ま、いいかな。
 だって、他の男の子とこんな話しができたのははじめてで、仲間に入れたこと自体、とてもうれしかったもの。

「夜は寝る時間。
 おとなしく休んで、明日への鋭気を養いなさい」
 と、小田先生が就寝の準備にやってきた。
 ボクらはバスケットコートの半分、半分に、男子と女子とに分けられた。
 そこにそれぞれ、布団を敷いて寝るらしい。
 どうやら、夜中はえっち禁止みたいだね。
 まぁ、昼間はさんざん、えっちしてたワケだから。
 夜中ぐらい身体を休ませなきゃ、ホントに死んじゃうもんね。
「鈴代、こっちこいよ。一緒に寝ようぜ」
 清太くんはボクを気に入ってくれたみたい。
 エロ本鑑賞会のあとも、イロイロと話しをしたんだ。
 ゲームやプラモや、マンガや、よく遊ぶ公園の話しや…。
 マンガじゃない本の話しをしたら、清太くんはウンザリしてたけどね。
 でも図書室の話しには興味を持ったみたい。
 中等部のお姉さんたちがいるっていったら、目をキラキラさせてた。
 清太くん、ホントに分かりやすい。
 うん。そうだね。
 このまま仲良くしてくれるといいね…。

「先生たちは宿直室にいるから。
 なにかあったらいいにきなさい」
 消灯の準備が整うと、小田先生は校舎への出口でそういった。
「悩みとかあったら、遠慮なくきてね?」
 と、ゆり先生が、小田先生と並んで、人指し指を立てた。
「こんな早くじゃ、眠れないよ〜」
 なんて声があがったけど、パチッと電気を消されちゃった。
 目を開けてるのに、瞑ったみたいにまっくら。
 そんなまっくら闇に、非常灯だけが光ってた。
 仕方なしに、じっと眠気がくるのを待つけど…。
 非常灯の光は気になるし、体育館の天井は高くて、ただっぴろいから、なんか落ち着かない。
 なにも見えない天井を見つめ、ボクはふっと今日を振り返ってた。
 今日は楽しい一日だったなぁ…なんてね。
 うん。そうだね。
 一日がこんなに楽しかったなんて、はじめてかもしれないね。
 早川さんとはケンカすることになっちゃったけど…。
 うん。そうだよね。
 早川さんのことは、なんとか仲直りすれば、楽しい思い出になるよね。
 明日もいろんなことがあるといいね…。
 明日も今日みたいに、楽しいことがおこって、女の子とえっちして…。
「清太くん…」
 ふと気になって、ボクは隣の布団の清太くんに声をかけた。
「ん〜?」
 清太くんは眠たげだったけど、まだ起きてたみたい。
「そういえば、ボク、えっちのとき、ゴムつけてなかった…」
「マジッ?!」
 ガバって感じで、周りのみんなも飛び起きちゃった。
「ヤベーぞ、そりゃ…」
「マズイな…」
「うん…」
 みんな深刻な声で話してる。
 やっぱり…。先生のいうこと守らなかったから、オシオキなんだね…。
「確実に妊娠するな、こりゃ…」
「ああ。明日にゃみんな揃って、腹ボテだ…」
「は、腹ボテって…ええっ?!」
 腹ボテって、妊娠して、女の子のお腹が大きくなっちゃうってコトだよね…?
 ウ、ウソ…。
 一晩で、そんなになっちゃうの〜〜〜っ?!
「鈴代〜、よかったな〜。ロリッ子のパパになれるゾ…」
「……オヤジ…寝ろ…」
 パ、パパって…え?! ええっ?!
「ど、ど、ど、ど、どうしよー!
 ねぇ、清太くんっ! ボ、ボクどうしたらいいっ?!」
 ボクは堪らず飛び起きて、清太くんを揺り動かした。
「ど、ど、どうするって…ぷッ!
 ぶわっはははははは〜〜〜っ!」
 清太くんが吹き出し、続いて周りのみんなも、ゲラゲラ笑いだした。
「わ、笑いごとじゃないよっ!」
「大丈夫だって。
 コンドームなんて、みんな、最初の一回だけだからよっ!」
「じゃ、じゃ…他の子も、腹ボテ……」
 ボクは、ひとクラスとちょっと分の、腹ボテ女の子集団を想像して青ざめちゃった。
「ひぃ〜〜〜っ!
 頼むから、もうそのへんにしてくれよ〜。
 みんなを笑い殺す気か〜?」
「だ、だってっ!」
「冗談だよ、じょうだん」
「じょう…だん…?」
「ちっとみんなで、鈴代をかついでみただけだよ。
 こんな簡単にひっかかるとは思わなかったぜ」
「なんだ。冗談か…」
 ダマされてたことがわかると、ボクはガックシ、気が抜けたみたいになっちゃった。
 ホント。怒る気も一緒に抜けてっちゃったよ…。
「あ。でも、ゴムつけてなかったのは…」
「心配すんな。
 そーゆーことにならないように、みんなしてるし」
「安心しろよ。鈴代」
 ゴローくんかな?
「ゆり先生がそうならないように、ちゃんと管理してくれてるから。
 いままでもそんなことは起きなかったし」
 ゴローくんの声、穏やかで、なんとなく安心感を与えてくれる。
「魔法のスープのお陰だな」
「だな」
 清太くんと半村くんが頷きあうみたいにいった。
「ふーん…」
「だいたい、一晩で腹ボテになんてなるワケがないだろ〜?」
「まぁ…たしかに…そうだよね…ふふ。アハハ。
 そうだよね、ボクって莫迦だなぁ〜」
 よくよく考えたらそのとおり。
 ボクはさっきまでの自分を思い出して、おかしくなっちゃった。
「おまえって、ホントにおもしろいなっ!
 オレ、すげぇ、気に入ったぜっ!」
 ひとしきり、みんなで笑ったあと、みんな一緒にパタンと布団に倒れ込んだ。
 あ〜。おもしろかった。
 でも、また目が冴えちゃったよ。
「全然、カンケーねぇけどさ」
 清太くんがポツリと話しだす。
 目が冴えちゃったのは、みんな同じみたいだね。
「ゴシラ対キングキトラの動画、手に入ったぜ。
 小政みたがってたろ?
 今度みにこいよ」
 うん、とかって、小野寺くんが返事をした。
 ゴシラ対キングキトラか…いいなぁ……。
 うん。そうだよね。
 映画なんて、ホントはどうでもいいんだ。
 待ってれば、そのうち観れるものだし。
 ボクの望みは映画じゃないんだ。
 体験教室が終わってからも、清太くんたちと遊びたい。
 そう思ったんだ。
 だから、勇気を振り絞って、いってみることにしたんだ。
 たいしたことじゃないかもしれないけど…でもボクには、すごく勇気がいることだったんだ。
「あ、あのさ…ボクも…いいかな…?」
「鈴代…なにいってんだ、おまえ?」
 あう…。やっぱりダメか……。
「おめぇは来ないとダメだぜ?
 歓迎会にしてやんだからよっ!」
 一瞬ボクは、自分の耳を疑って、次に出てきた言葉はこうだった。
「あ、ありがとう…」
「けはは。ば〜か。なに涙声んなってんだよ。
 同じオッパイ星人じゃねぇか」
「そ、そうだよね。同じオッパイ星人だよね…」
「ははは」「ふはは」
 って、みんな笑ってくれた。
 うん。そうだね。
 うれし涙を布団で拭いたの、はじめてだ…。
 ブータとの勝負は恥ずかしかったけど、お陰ではじめての“仲間”ができた。
 たぶん、早川さんのお陰だね。
 早川さんが、ボクとブータを勝負させたから…。
 そうだ。
 早川さんへの仲直り、謝るのはよそう。代わりに…。
“ありがとうっ!”
 っていおう。
 早川さん…喜んで…なかなおり…してくれる…か…な……。

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