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萌え小説 01の変更点

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!!!はじめてのはじまり

 そして、体験教室・当日。
 ボクは体操着を着て、集合場所の体育館に来ていた。
 体験教室は、連休を利用した、二泊三日。
 寝泊まりも学校でするらしい。
 林間学校みたいな感じなのかな?
 体育館にはすでに参加する生徒たちが集まっていて、めいめい仲良し同士話をしていたり、中にははしゃいで走り回ってる子もいた。
//	 人数はひとクラス分より多いくらいかな?
 人数はひとクラス分より多いかな?
// ほとんどがボクたちのクラスと隣のクラスの子たちみたい。
// ほとんどがボクたち四年生のクラスみたい。
 見回してたら、佐藤さんの姿を見つけた。
 同じクラスの女の子たちと、笑いながら話しをしていた。
 話す機会があるといいな…。
 そんな佐藤さんを遠目にしながら、ボクは壁を背にして体育座り。
 自然とため息がでてしまう…。
 佐藤さんと一緒。
 そう思っても、ウキウキもないし、ワクワクもない。
 ただ不安なだけ。
“参加しても、相手にされない”
 その心配が、頭から離れなかった。
「おまけにブータもいるしね…」
 男子の中にブルドッグ顔を発見して、ボクはまた憂鬱なため息をついた。

「は〜い! それじゃ、集まって〜」
 しばらくして、先生たちが体育館へ入ってきた。
 隣のクラスの小田先生、ゆり先生、男の立花先生、それと中等部のお姉さん――春子お姉さんもいた。
 みんな、体操着姿だった。
 ぼくらが集まって体育座りをすると、小田先生が話し始めた。
「それじゃ、これから体験教室を始めます。
 これから三日間、みなさん仲良くしましょうね?」
 ニコッとする小田先生へ、みんなで手をあげた。
「は〜い」
「最初に注意と約束事を説明するわね。
 みんな、よく聞いて、ちゃんと守るように」
「は〜い」
 {{ruby 小田さやか,おだ さやか}}先生は、隣のクラスの担任。
 ショートカットで、いつもジャージ姿の体育会系。
 よく昼休みに、みんなでドッジボールしているのを見かける。
 明朗快活っていうのかな?
 ゆり先生とは正反対。
 “おもしろい先生”ってみんないうけど、ボクは苦手なタイプ。
「ほら、鈴代っ! ちゃんと話し聞くっ!」
 小田先生がボクに注意すると、あちこちクスクス笑いが聞こえた。
 ほらね…。だから、好きじゃないんだ…。
//
「使っていい場所は、いまいったところね」
 小田先生が話しを続ける。
「あと、屋上は絶対ダメ。それと階段もね。
 足をすべらせたら危ないでしょ?
 集合場所は、ココ、体育館。
 相手に困ったら来てみるといいわ」
 ゆり先生が指を立てて、にっこり微笑む。
「あと、お外にも出ちゃダメよ?」
//	 ゆり先生が指を立てて、にっこり微笑む。
「は〜い」
 と、みんなで手をあげた。
//--
「注意なんかはそんなところかな。
 次に、大事な、大事な約束事。
 よく聞いて」
 そういわれてボクらは、姿勢を正すように、小田先生へ注目した。
「ひとつ、相手の嫌がることは、絶対にしないこと。
 他の人がよくても、自分はイヤだってことはあるでしょ?
 常に相手のことを考えてあげてね?
 ふたつ、乱暴なことや危険なこともしない。
 みんな仲良く。ケンカしちゃダメよ?
 守らない子は、先生のオシオキだからっ」
「オシオキだって。くすくす…」
 どこかからくすくす笑いが聞こえた。
「みっつ。いい? よくきいてぇ〜」
 小田先生が、再び注目を集める。
「終わったら、必ず、お礼をいうこと。
 “ありがとう”でもいいし、言葉でいえなかったら、髪を撫でてあげるだけでもいいわ。
 忘れないように。特に男子はね!」
「わかってま〜す。
 先生の口癖だもん〜」
 隣のクラスの子かな?
 からかうみたいな男子の声がした。
「いい? 大事なことだから、絶対守ってね」
 小田先生が、一番大事とばかりに強調すると、
「は〜い」
 とみんなで手をあげた。
「みんな自由にしていいけど、約束はちゃんと守ってね?」
 ゆり先生が指を立てて、にっこり微笑む。
「は〜い」
//	 再び、みんなで手をあげた。
「はいっ! それじゃ、はじめましょうっ!」
 パンッと、小田先生が手を鳴らした。
「まず最初に、やってみたい子同士でペアを組んで」
 そういわれてみんなは、楽しそうな声をあげて、移動をはじめた。
 ボクはなにがはじまったのかわからず、完全に出遅れ。
 えっちしたい子のところへ行くんだと、気づいた時には、もう手遅れといってもよかった。
 佐藤さんのトコにはもう、他の男子が何人もいた。
//--
 ボクも佐藤さんのトコにいきたいけど…。
// いまさらっていうのもあるし、なにより好きな子のとこへ行く恥ずかしさが大きい。
// 男子がいない女子もいるけど、誰にしようか迷ってるみたい。
 競争率の高さに諦めた。
 なにより好きな子のとこへ行く恥ずかしさが、大きな足かせだった。
 周りにはまだ、男子がいない女子もいるけど、誰にしようか迷ってるみたい。
//--
 結局ボクは、あぶれたようにポツンとなってしまった。
「見事に偏ったわねぇ…。
 みんな正直でよろしい!」
//	 できあがったグループを見渡し、小田先生が呆れたようにいった。
 小田先生が笑っていうと、みんなからも笑いがあがった。
 できあがったグループは、女子ひとりに男子が複数とか、その逆とか。
 そんなのがいくつもある。
 人気のあるなしが一目でわかった。
「でもこれじゃ、タイヘンよ?
 特に早川さんとか」
「早川なら大丈夫だよ。な?」
 早川さんって女の子が、ニヒヒっと笑って、男の子の肩をツネった。
「いてぇ〜」
 男の子が大げさに悲鳴をあげると、くすくすとみんなが笑った。
//
「それじゃ、固まっちゃってるトコは、女子が男子を選んで。
 男子に固まってるトコは、女子がジャンケン」
 男子に決定権ないんだ…。
「オスに決定権ナシ。
 これが自然界のオキテよ?
 ハイ、決めてっ!」
 小田先生がパンッと手を鳴らし、そちこちで落胆やら喜びやらの声が聞こえはじめる。
 ほどなくまた移動があって、今度はだいたい二人一組のペアになった。
//--
「それじゃ、みんなに質問ね。
//	 朝、お風呂に入ってきたひと〜」
 学校にくる前、お風呂に入ってきたひと〜」
 そういって小田先生が手をあげると、ボクも含めてほとんどの子が手をあげた。
 プリントには“必ずお風呂に入ってくること”って、太文字で書いてあったのに。
 それでも守らない子はいるんだな。
「入らなかったひとはシャワーね。
 それと{{ruby 清太,せいた}}と{{ruby 半太,はんた}}、{{ruby 大政,おおまさ}}と{{ruby 小政,こまさ}}もっ!
 あんたたち、走り回って、汗ダクダクじゃないっ!」
 名前を呼ばれたのは、さっき走り回ってた男子たちかな?
「あら。{{ruby 姫川,ひめかわ}}さんもなのね。
 体の調子でもわるい?」
「だ、だいじょうぶ…」
//	 体の小さな女の子は、か細く答えた。
 下級生なのかな?
 クラスで背が低い方のボクより、もっと小さい。
「それじゃ、次の質問〜。
 経験者は手をあげて〜」
「せんせいっ! ボクはじめてっ!!」
 さっき名指しされた男の子が、いきおいよく手をあげた。
「アンタはちがうでしょ!
 先生のアソコがよく知ってるんだからっ!」
 男の子がデヘッと舌を出すと、クスクスと笑い声が聞こえた。
「正直でいいのよ〜。
 どっちでも、恥ずかしいことじゃないんだから」
 小田先生に即され、男子も女子も小さく手をあげていく。
 意外。ほとんどの子が初めてじゃないんだ…。
 なんだか、手をあげないとカッコワルイみたい…。
「ふむ。だいたい決まりかな」
 小田先生はひとりごちると、ゆり先生の方を見た。
「シャワー組は、三人ほど男子が余りそうだけど。
 ゆり先生、任せてもいい?」
「はい。さやちゃん先生」
 ゆり先生が微笑んで返事をすると、小田先生はコホンと咳払いした。
//	「それじゃ、シャワー組は、ゆり先生についていって」
//	 シャワー組が、ゆり先生と一緒に体育館を出て行く。
//	 ゆり先生と一緒か…いいなぁ…。
//	 プリントのとおりにするんじゃなかったなぁ…。
//	 ボクはちょっとうらやましく思い、ゆり先生の後ろ姿を見送った。
//--
「そこの三人の女子は、初めてだったわよね?
 立花先生でいいかな?」
「よかったじゃない〜」
 聞かれた女子たちは、肘でつっつきあってた。
//	 聞かれた女子たちは、はしゃいだふうに、肘でつっつきあった。
 立花先生は男の先生。
//	 初等部と中等部の掛け持ちで、美術を教えてる。
 若い男の先生は珍しいこともあって、女子に人気があるんだ。
//	 もちろん、男子からも好かれてる。
 もちろん、男子のウケもわるくない。
 寡黙だけど、気さくで話しやすいから、ボクも嫌いじゃない。
「じゃ、決まり。
 立花先生、おねがいね。
 あとで何人かいくかもしれないけど」
//	 ニッコリ、立花先生は微笑み返した。
 小田先生がウィンクするようにいうと、立花先生はニッコリ、微笑みで返した。
「すごいね、立花先生…」
「一人で何人相手にするんだろ…」
 なんて、女の子が囁きあってる。
「あとはここにいる子たちね。
 ちょっとペアを組み換えるわね」
 シャワー組と立花組を除いたボクらに、小田先生が指を振りだした。
「君と君、入れ代わってもいい?
 君はあっちの子と…」
 先生が支持をして、テキパキとペアを組み直す。
 なんか、初めて同士を避けてるみたい。
「君たち、はじめて同士よね? だいじょうぶ?
 うん。それじゃがんばってネ」
 特に不平もなくみんなが従うのは、こうやって、ひとりひとり、ちゃんと意見を聞いてるからなんだろうね。
 ボクはちょっと、小田先生に好感をもった。
「そこに立ってる男子は、そっちのお姉さんとね。
 おっぱいおっきいお姉さんとで、うれしい?」
 ペアが組代わって移動する中。
 ボクは、佐藤さんがきてくれないかな…と、期待してた。
 けど、ダメだった。
 隣に来たのは、あぶれてた女の子。
 はじめてみるから、隣のクラスの子かな?
 ぽっちゃり系の女の子で…わるいけど、ぜんぜんタイプじゃない……。
 背丈も全然ちがうし。
//	 端からみたら、戦艦と駆逐艦。タンカーとタグボート…。
 端からみたら、戦艦と駆逐艦。タンカーとタグボート。ブロントザウルスとテコドント…。
 同じ背丈違いなら、春子お姉さんがいいよ……。
 ボクは女の子に悟られないよう、こっそり肩を落とした。
「さて。これでいいかな?」
「は〜い〜」
 みんなが手をあげる中、ボクは体育館から逃げ出したい気分。
「あら?
 先生の相手がいないじゃない」
 おどける小田先生に、みんな、どっと沸き返る。
「せんせい、いんら〜ん〜」
 シャワー組の男子から声がかかった。
「こらっ! どこで覚えたの、そんな言葉っ!」
「国語の時間〜。先生からで〜す〜」
「うそおっしゃい。あとで書き取りの練習よ?」
 また、笑いが起きた。
 隣のクラスって、いつもこんな感じなのかな?
// ボクらのクラスは、先生のせいか、静かに授業を受けてるけど。
 騒がしいけど、楽しい感じ。
 ボクもあの男の子みたいにいえたら、友達できるのかな…?
「それじゃ。
 シャワー組は、ゆり先生についていって」
 ゆり先生と一緒か…いいなぁ…。
 プリントのとおりにするんじゃなかったなぁ…。
 ボクはちょっとうらやましく思い、ゆり先生の後ろ姿を見送った。
「あら?」
 立花組が出ていく中。
 見渡してた小田先生の視線が、ボクのトコで止まった。
「鈴代たち、たしか、はじめて同士だったわよね?
 それじゃ、早川さん、代わってあげて」

*[[はじめて体験|萌え小説 02]]へつづく…

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