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はじめての七夕


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【@右巻きソフトウエア】 「初・体験教室」 「ま〜めいど★ハンター」 「怖くない怪談」 「ないしょのえろカタログ」

はじめての七夕


 ボクは放課後、ホテル探しで校内を歩き回ってた。
 さやちゃんは新体操部。
 ボクが見に行くの、すごく嫌がるんだ。
 なんでだろうね?
 それでクラブが終わるまで、ボクはひとりでホテル探しをすることにしたんだ。
 陽が傾き出し、誰もいない廊下。
 ふと、ボクはある教室で足が止まった。
 さやちゃんの教室。
 教室の後ろには、他のクラスと同様、笹が飾ってあった。
 誰もいない教室に入って、ボクはさやちゃんの短冊を見つけた。
〈美代ちゃんと仲直りできますように〉
 短冊にはそう書いてあった。

 梅雨はいつのまにか明けてて、今日は全校で七夕祭りだったんだ。
 校庭に各クラスの笹が立ち並び、短冊が吊るされて、折り紙で飾り立てられてる。
 みんな浴衣を着ていて、色とりどりの浴衣でいっぱい。
 なんだか、本当のお祭りみたい。
「それじゃ、男子と女子、交互に並んで手をつないで」
 ゆり先生にいわれて、美代ちゃんがボクの隣に入ってくる。
 そして手を繋いで、歌を歌う。
♪さぁ〜さぁ〜のはぁ〜さ〜らさら〜
 歌に合わせて、繋いだ手を振る。
 体験教室でも、美代ちゃんと手を繋いで、校内を散歩したっけ。
「鈴代くん?」
 美代ちゃんがニッコリ、笑顔を向けてくれた。
「な、なに?!」
「手、放して?」
 歌はとっくに終わってて、なのにボクは、美代ちゃんの手を握ったままだった。
「ご、ごめん…」


 ボクはさやちゃんの教室から、隣の教室へ来ていた。
 うん。ボクらの教室。
 そしてクラスの笹から、自分の短冊を見つけた。
 短冊への願いは、いろいろ迷って、結局、美代ちゃんのことを書いた。
 さやちゃんの願い事と同じ。
〈仲直りできますように〉
 ホントは“美代ちゃんと”って書きたかったけど、みんなに見られるからね。
 でも、友達のことを願うなんて、はじめて。
 いつもはお小遣いとか、欲しい本のこととかだったもの。
 どうか叶いますように。
 ボクは短冊に、ポンポンと手を合わせた。
 そういえば。
 美代ちゃんはなにをお願いしたんだろう…。
 ボクは気になって、美代ちゃんの短冊を探してみた。
 でも見つからない。
 ヘンだね…。クラス全員、短冊を下げたのに…。
 首をひねって、一枚の短冊に目が止まった。
〈はじめくんと、仲直りできますように〉
 名前のない短冊には、そう書いてあった。

「あら? 鈴代くん、まだ居残ってたの?」
 いきなり声をかけられて、心臓が飛び出るかと思っちゃった。
「す、澄子ちゃん?!
 な、なんでこんなトコにいるの?!」
「放課後の見回り。風紀委員だから!」
 澄子ちゃんはニッコリ、ポニーテールを揺らした。
「そ、そう。
 えーと…おつかれさま」
「ん〜? なんか、隠し事してるぅ〜?」
「し、してない、してない!」
「あらそう。残念。
 誰かの笛とか、舐めてると思ったのに…」
 そんなことしないよぅ、もう…。
 澄子ちゃんはボクを見ながら、周りをぐるりと一周した。
 なんか、落ち着かないよね。怪しまれて調べられてるみたい。
「な、なに…?」
「今日は首輪してないんだ?」
 はぁ…。もう澄子ちゃんにまで知られちゃってるよ…。
「アレは、倶楽部のときだけだよ…」
「なぁんだ。
 どんなのか、見てみたかったのに」
 澄子ちゃんは落胆のため息。
 清太くんに着ける気なのかな…?
 あんまり喜ばれないと思うけど。
「あ、そうだっ!」
「な、なに?」
「ちょうどよかったわ。
 鈴代くん、ちょっと味見に付き合ってくれる?」
「味見…?」
「いいから、いいから〜」
 澄子ちゃんってば、相変わらず強引。
 ボクは腕をとられて、返事をするヒマもなく、引きずられちゃう…。

 ボクは澄子ちゃんに引きずられるみたいに、家庭科室へやってきた。
「生クリーム?」
「そ。特製生クリーム!
 クラブで作ってみたの」
「澄子ちゃん、料理部だったんだ」
 誰もいない家庭科室。
 澄子ちゃんは冷蔵庫からボールを取り出すと、それをボクの前に置いた。
「指を出して」
 いわれて人指し指を出すと、澄子ちゃんはそこに、ヘラで生クリームをのっけた。
「食べてみて」
 指先にのった、真っ白でふんわりの生クリーム。
 ボクはそれを口にいれてみた。
「どう?」
 澄子ちゃんは自信タップリに、ニッコリ。でも…。
「ん〜。薄味すぎるかも…」
 ほんのりというか、微妙な甘味しか感じない。
「物足りないっていうか…。
 もいっかい舐めさせてくれる?」
 ボールに延ばした手を、ペチンとはたかれちゃった。
「イタ!」
「んふふ〜。
 その様子なら、丁度イイみたいね」
 澄子ちゃんは満足げな微笑を浮かべた。
 そして膝をついて、ボクのズボンのチャックを下ろしたんだ。
「す、澄子ちゃん?!」
 ボクが目を白黒させてる隙に、パンツごとズボンを下ろされちゃった。
「ちょっと人に頼まれてね。
 その子、フェラしてあげたい子がいるんだけど、どうしても、生臭いのが我慢できないんだって」
「そ、そうなんだ…」
 苦手な女の子って、いるよね。やっぱり。
 さやちゃんは大好きだけど…。
「そ、それで…?」
「それでこの特製生クリームで、“ニオイ消し”ってワケ。
 パニラ・エッセンスとお砂糖を少なめにして、飽きがこないようにしてみたのね」
 ニッコリ、笑顔を向ける澄子ちゃんは、片手に生クリームのついたヘラを握ってた。

 うん。そうなんだ。
 そんなワケで、ボクはテーブルに腰掛けて、澄子ちゃんに生クリーム味のおちんぽを舐められるってワケ。
 さやちゃんには内緒だよ?
 じゃないと、首輪をずっと着けられちゃうよ…。
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 でも、おちんぽに生クリームつけられるのって、あんまりうれしくないね。
 冷蔵庫に入ってたせいで、生クリームはひんやり。
 おちんぽが風邪ひいちゃいそう…。
「清太くんにシてあげればいいのに…」
 あったかい舌でペロペロされるのはうれしいけど。
 ボクはデコレーションされた自分のおちんぽを見て、なんだか情けない気分。
「アイツはダメよ。
“おまえばっかり食べてズルイ!”
 なんて、食い意地はってブータれるんだから」
 ペタペタ盛りつけながら、澄子ちゃんはフンッと鼻息を飛ばした。
 澄子ちゃんと清太くんは、気持ちイイ同士。
 おまんことおちんぽが、ピッタリな大きさで気持ちイイんだって。
 ピッタリな大きさって、うらやましいね。
 本人たちは付き合ってないって否定してるけど。まぁ、そんな関係。
「鈴代くんも食べていいわよ?
 ――て。いう前から食べてるのネ」
 うん。ボクはコッソリ、ボールに指を延ばして舐めてたんだ。
「だって、澄子ちゃんだけおいしそうなんだもん…」
「まぁ、いいけど。
 食べすぎちゃダメよ?
 鼻血でても、しらないんだから」
「鼻血? チョコじゃないのに?」
「赤マムシ・ドリンク入れてあるの。ほんのチョッピリ!」
 澄子ちゃんは悪びれず、ニッコリ。
 もう…澄子ちゃんって、いつもそうだね。
「どうりで、さっきから顔が火照ると思ったよ…」
「あら。それはかわいい女の子に、おちんぽ舐められてるからじゃなくて?」
「澄子ちゃんこそ。
 ボクのおちんぽで赤くなってるクセに」
 “赤マムシ”って、アルコール入ってたっけ?
 ボクはちょっとノボせて、ぽやや〜んってなってた。
「んふふっ! かもねぇ〜。
 鈴代くんのおちんぽ、相変わらずおっきいんだもん〜♪」
 微笑む澄子ちゃんのほっぺは、ほんのり桜色。
 なんだか、どんなイタズラでも許せちゃいそう…。
 そんなふうに笑顔をみてたら、ふと思ったんだ。
 澄子ちゃんは、どうしてるんだろ?
 いつも清太くんと口ゲンカしてるけど…。
「ねぇ…澄子ちゃん?
 仲直りって、どうすればいいの?」
 澄子ちゃんは、意味ありげに微笑んだ。
「佐藤さんのコトでしょ?」
「だ、ダレに聞いたの?!」
 核心をつかれて、ボクはドキンとしちゃった。
「誰から聞いたもないわよ〜。
 ハタから見れば、すぐわかるもの」
「そ、そんなに顔にでてた…?」
 両手で頬を隠すと、澄子ちゃんはニッコリ。
「鈴代くんって、けっこう浮気者だったのね!」
「そ、そんなんじゃないよ。
 ボクは、さやちゃんと美代ちゃん、三人で仲直りしたいんだもん」
「ふむふむ。それで?
 どっちが本命なの?」
「う」
 うん。ボクはよくわからなくなってたんだ。
 さやちゃんが大好きなのは変わんないけど…。
 お見舞いの一件から、美代ちゃんのことが気になってしようがないんだ。
 気がつくと美代ちゃんを見てて、ため息ついちゃってる。
 もしかしたら、フラれる前よりもっと好きになっちゃったのかも…。
 活発なさやちゃん、おしとやかな美代ちゃん。
 二人とも正反対で、比べることなんてできないし。
 “どっちが”なんて、ホントにわかんない…。
「えっちしてみれば、わかるんじゃない?」
 おちんぽをペロッと舐めて、澄子ちゃんがいうと、ボクは鼻に皺を寄せた。
「それができれば相談しないよ…」
「あら〜?
 鈴代くん、佐藤さんのカラダ目当てなんだ〜」
「そ、そうじゃなくて…。
 誘えるくらいに話せれば、澄子ちゃんに相談しないよ…」
「うふふ。わかってるって、わかってるって」
 もう。なんでみんなそうなんだろ…。
 ボクってからかわれやすいのかな?
 ボクはなんともバツがわるくて、赤ちゃんみたいに指をシャブっちゃった。
「鈴代くん、複数プレイってあんまりシないわよね?」
「うん。あんまりっていうか、シないね」
 体験教室のときもそうだけど、女の子が多いと、揉みくちゃにされるだけで、あんまりおもしろく感じなかったんだ。
 ……コーフンするけど。
 他の男の子と一緒にスるのは論外ね。
 遠慮してえっちできないし。
 なにより、さやちゃんが他の子としてるトコなんて、見たくないもの。
「一度、シてみたら?
 早川さんと佐藤さん、三人で」
 ニッコリする澄子ちゃんに、ボクは目が丸くなっちゃった。
「澄子ちゃん、小田先生みたいなこというね」
「先生にも相談したの?」
「ううん。でも相談したら、きっと同じこというと思うよ?
“雨降って地固まる。
 三人でシてみればハッキリするわよ!”
 なんて、人事みたいにサ」
「あははっ! いいそう〜っ!」
「もう…笑い事じゃないよ…」
 ため息が出ちゃう。
「でも、先人の知恵は莫迦にできないわよ?」
「澄子ちゃん、そんなに年上だっけ?」
「先生のことよっ!」
 あ。そっか。同学年だったっけ。
 澄子ちゃんはお姉さんっぽいから、つい上級生に思えちゃうんだよね。
「それに、あたしの方が年下よ?
 鈴代くん、乙女座でしょ?」
「うん。よく知ってるね」
「あたし、星占い得意なの。
 だから人の誕生日を、星座で覚えてるのね」
「ふーん。
 かわった覚え方だね」
「ちなみにあたしは、12月5日のいて座。
 誕生日プレゼント、よろしくね?」
「うん。覚えておくよ」
「おちんぽとかはダメよ?
 清太じゃあるまいし」
 澄子ちゃんは眉根を寄せて、フンッと鼻息をとばした。
「アイツったらご丁寧に、おちんぽにリボンまでかけくるのよ?
 信じられないでしょっ?!
 まったく、乙女の誕生日をなんだと思ってるのかしら!!」
「あははっ!
 たぶん、澄子ちゃんが喜ぶと思ったんだよ」
「プレゼント買うのを惜しんでるだけよ!
 いくら怒っても、毎年そうなんだから」
 プンッとしたと思ったら、澄子ちゃん、急にクスクスと思い出し笑いをはじめた。
「どうかしたの?」
「去年ね。アイツ、おちんぽにトナカイの仮装させてきたのよ?
 マッパになって、ビンビンのおちんぽで腰振って、“真っ赤なお鼻のトナカイ”を歌うのっ!
 莫迦みたいでしょっ!」
 想像したら、ボクは吹き出しちゃった。
「“おまえのために歌ったら、こんなになった。好きにしろっ!”
 なんて、ふんぞり返っていうのよ?
 おちんぽどころか、体までカチコチに緊張してるクセに。
 ばっかみたいよね〜。
 呆れて言葉をなくしちゃったわ」
「それで? どうしたの?」
「好きにしてあげたわ」
 ニッコリ微笑む澄子ちゃんの頬は、桜色に染まってた。
「鈴代くんも、思い切ってなにかしてみたら?」
 思い切って謝ったら、美代ちゃんに嫌われちゃったのに…。
 ため息をついたら、桜色のほっぺの、白い生クリームが目についた。
 清太くんにヤケちゃったのかな?
 とってもおいしそう…。

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