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えっち 02の変更点

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!!!はじめての生徒指導室

 ボクとさやちゃんは、生徒指導室っていうところに連れて行かれた。
 北側の狭い一室に、机がひとつ。資料の入ったロッカーと、折り畳み椅子が壁際に並んでた。
 なんの部屋なんだろ? ボクははじめて入ったよ。
「取調室よ」
 キョロキョロしてたら、隣に座ってるさやちゃんが、不機嫌そうに呟いた。
「取調室…?」
 刑事ドラマのワン・シーンが思い浮かんだ。
 つまり、小田先生が刑事さんよろしく、ボクらは延々、お小言を聞かされるんだね。
 でも、お小言だけですむのかな…。
 だって、授業を抜け出してえっちしてたんだよ? ものすごい重罪だよね…。
 はぁ…。つくづく、ため息出ちゃうよ…。
 サボるなんてはじめてだったのに、見つかっちゃうなんて、ホント、ボクって運がないよね…。
 初犯ってことで、許してくれないかな…?
 せめて見つかったのが、ゆり先生だったらよかったのに…。
 わるいのは自分なのはわかるけど…ハァ…。
 暗い気持ちでいたら、小田先生が生徒指導室に戻ってきた。
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//--
 小田先生は、汚されたスーツを着替えて、いつものジャージ姿。
 無言でボクらの向かいに座ると、怒った顔で腕を組んだ。
 Tシャツが少し透けてて、ピンク色のブラがうっすら見えた。
 ボクはズボンが苦しくなっちゃって、思わず俯いちゃった…。
 お化粧も落として、スッピンみたいだった。
 いつもの小田先生っぽい。
 先生は無言でボクらの向かいに座ると、怒った顔で腕を組んだ。
 ボクはズボンが苦しくなって、思わず俯いちゃった。
 うん。Tシャツが少し透けてて、ピンク色のブラがうっすら見えちゃってたんだ…。
「さて。ふたりは授業中に、あそこでナニをしていたのかしら?」
 小田先生は静かな口調だったけど、ボクは何もいえなくて、ションボリうなだれた。
「先生こそ、授業中になにしてたんですか〜?」
 さやちゃんがいうと、小田先生は目をパチクリ。
「いまは図工の時間だもの。
 そうよね? 早川さん?」
 図工の時間は、担任の先生じゃなく、美術の立花先生の受け持ち。
 そしてさやちゃんの担任は、小田先生。
 空いた時間に小田先生は、校内の見回りをしていたんだろうね。きっと。
//「……はい」
//	 切り返されたさやちゃんは、しぶしぶ、返事をした。
「……」
//	 切り返されたさやちゃんは、返事の代わりに、プゥっとほっぺたを膨らませた。
 切り返されたさやちゃんは、返事の代わりに口を尖らせ、鼻に皺を寄せた。
//--
「鈴代は? 何の時間?」
「音楽です…」
 うん。音楽も、担任の先生じゃないんだ。
 教室も音楽室に移動。
 席は決まってないから、その時ごとに、親しい子同士で座ったりするんだ。
 ボクは特にそういう子もいないから、一番後ろの端っこの、余った席に座ってた。
 それで出席をとり終わってすぐに、さやちゃんが扉のスキマから、ボクを呼んできたんだ。
 いけないことだとは思ったんだけど……誘われるまま、こっそり抜け出しちゃった。
 でも、さやちゃんのせいにするつもりはないよ?
 清太くんたちからサボッた時の話しを聞いて、ボクもやってみたくなっちゃったんだ。
 だってボクだけ、そういう話しができないんだもの。
 きっとさやちゃん、そんなボクに同情してくれたんだと思う。
//	 ついこの間まで、ボクがひとりぼっちだったこと、よく知ってるから…。
 ついこの間まで、ボクに友達がいなかったこと、知ってるから…。
//--
 だから一回だけなら…って、ボクはそう思っちゃったんだ。
「で、サボッてえっちしていた、と」
「……」
「……」
 ボクもさやちゃんも、なにもいえなかった。
「まぁ、ふたりが仲良くしたいのはわかるわ。
 先生にも、そういう時期はあったもの。
 でも、試しにやってみるとか、そんな年じゃないわよね?
 やろうとしてることの結果を、考えるようにしなきゃ」
「ちゃんと気をつけてるもの」
 仏頂面のまま、さやちゃんがいった。
「節度を考えなさい、そういってるのよ?
 ホラ、鈴代の目を見てみなさい。
//	 かわいそうに…疲れてクマができてるじゃない」
 疲れが抜けずに、クマができてるじゃない。かわいそうに…」
//--
「先生がストーカーしてるから、よく眠れないだけよ」
 さやちゃんがいうと、さすがに小田先生もムッとしちゃった。
「鈴代の成績が落ちてるって、緑川先生から聞いてるわよ?
 早川さんもそうね。
 この間の漢字テスト、ひどかったわよ」
「でも、算数のテストはよかったわ。
 ハジメと教えあったから。
 ね? ハジメ?」
「う、うん…」
 思わず頷いちゃったけど、大丈夫かなぁ…。
 小田先生、かなり怒ってるっぽいよ?
「そういう問題じゃないでしょ。
 もうすぐ高学年なのに…。
 やっていいことと、わるいことの区別をつけなさいって、いってるの」
「あたしのポッチー食べたクセに…」
 ああいえばこういう。
 屁理屈なのはわかるけど、さやちゃんを改めて見直しちゃった。
 うん。そうだよね。
 ボクだったらなにもいえず、ションボリ謝るしかないもの。
 やっぱり、さやちゃんはスゴイや。
「早川さん。あなたの言い分はよくわかったわ」
 小田先生は、呆れたようにため息をついてた。
//	「でもまず、いうべき言葉があるわよね?」
「でも、自分が正しいと思うなら、まず、いうべき言葉があるわよね?」
//--
 えと。なんだろ…?
 ボクは思いつかなくて、さやちゃんを見ちゃってた。
「授業をサボッてわるかったです。
 ごめんなさい」
 さやちゃんがそういうと、ボクも慌てて謝った。
「ご、ごめんなさい…」
 小田先生は、また大きなため息をついた。
「よろしい。
 ちゃんと反省しなさいよ?」
 小田先生はニコリともしなかったけど、ひとまず溜飲は下がったみたい。
 「は〜い」ってさやちゃんの返事を聞くと、先生は怒らせてた肩を下げた。
 それを見て、ボクもホッとひと安心。
 うん。そうだね。
 もっと厳しく怒られると思ったもの。
 いつもみたいに、「校庭十周!」とかね。
「ところでふたりとも、えっちするの大好きよね?
 サボッて、スルくらいだもの」
 打って変わってニッコリ、小田先生は机に頬杖をついた。
 まぁ、キライじゃないよね…えっちするのは。
「でね。先生、思うのよ。
 ふたりとも、体験倶楽部に入らないかって」
 ボクとさやちゃんは目を見合わせちゃった。
「体験くらぶ?!」
 そんな部活動、あったっけ?
 ボクは首を傾げ、さやちゃんは訝しげな目を先生に向けた。
「それって、体験教室とどうちがうんですか〜?」
 ていうか、マンマな名前だよね…。
「さすが早川さんね。
 話しが早くて、先生、助かるわ〜」
 褒められたさやちゃんは、なんだか微妙な顔をしてた。
「ほら、体験教室に参加できなかった子って、いるでしょ?
 そういう子ほど、無茶する傾向があるのよ」
 ふーん。そうなんだ。
「あなたたちみたいに、暴走しちゃう子もいるしね」
 あぅ…。
「それでね。えっちしたい子が、気軽に集まれる場所を作ろうと思ったの」
 コホンと、先生は咳払いをした。
「正式には、“ドキドキわくわくを発見して、上手なセックスを体験する倶楽部”ね。
 節度あるえっちを学ぶのが目的だけど。
 他にもいろんな、ドキドキ、ワクワクなことを、初等部の純真な目で見つけ出すの。
 きっとオトナになったら、いい思い出になると思うわ〜〜〜〜♪」
 小田先生は瞳をキラキラ、星のように輝かせ、ボクとさやちゃんは、薄らさむい予感でゲンナリ…。
 うん。そうだよね…。
 絶対、思い出したくないものばかりになりそうな気がするよ…。
 だって体験教室でも、恥ずかしいことがイッパイだったもん…。
「どうかしら?」
//	 小田先生は、キラキラ、星の瞳を向けてきた。
 どうって…先生…。
 えっちするクラブって、クラブ活動っていうのかな…?
 ていうか、わざわざクラブに入らなくても、えっちはできるし…。
「SOS団の方がしっくりくるんじゃない?」
 さやちゃんは椅子の背に肘をのせて、頬杖をついてた。「まったく興味ナシっ!」っていいたげ。
「SOS団?」
「セックスを、おもいっきり楽しむ、さやちゃん先生による、団体」
//	 くすっ。たしかにそうだね。
 くすっ。たしかにそんな感じだね。
//--
 ちなみに小田先生の名前は、“さやか”っていうんだ。だからアダ名が“さやちゃん先生”。
「つまるところ。
 さやちゃん先生が、えっちしたいだけでしょ?
 なんで、あたしたちが入部しなきゃいけないんですか〜?」
「優等生のふたりが入ってくれれば、他の子たちも興味をもってくれるでしょ?
 早川さんは面倒見いいし。
 鈴代は女子の間で、いま一番の注目株だしね」
 そういって小田先生は、ボクにウィンクをした。
 なんか、顔が火照っちゃった。
「先生が狙ってるだけじゃない…」
 さやちゃんがブスッと呟き、小田先生はニッコリ。
「なにかいった? 早川さん?」
 さやちゃんは椅子に座り直し、背筋をピンっと延ばした。
//	「あたし、もう新体操部に入ってます。
//	 掛け持ちなんて、できません」
「あたし、もう新体操部に入ってます」
「あらあら。そうだったわね…。
 掛け持ちじゃ、タイヘンよねぇ…」
「ですよね〜」
「どっちも、がんばってね!」
「だ〜か〜ら〜!
 ムリですってっ!!」
「じゃ、鈴代だけでもいいわ」
「ちょっ――!」
「鈴代、クラブに入ってないでしょ〜?」
 小田先生は机に身を乗り出すと、ボクの顔を覗き込んだ。
「タマには他の女の子と、シてみたいわよね〜?」
//	 Tシャツの襟首から、おっぱいの谷間とピンク色の下着のレースが目に入って、ボクのおちんぽはコッソリ、ピョコンしちゃった。
 Tシャツの襟首から、おっぱいの谷間とピンク色の下着が目に入って、ボクのおちんぽはコッソリ、ピョコンしちゃった。
//--
「え、えっとぉ…」
 返事と目のやり場に困って、ボクはモジモジ…。
 そしたら、さやちゃんがピシャリといったんだ。
//	「フザけないでください!
//	 ハジメはあたしと付き合ってるんです!!」
「ハジメはあたし以外とえっちしません。
 あたしと付き合ってるんです!!」
//	 さやちゃんがピシャリというと、ボクは思わず聞き返しちゃった。
//	 さやちゃんがピシャリといって、ボクは思わず、さやちゃんの顔を見ちゃった。
 ボクは思わず、さやちゃんの顔を見ちゃった。
//--
「え? そうなの?」
「そうでしょ?!」
「う、うん、そうだよね…」
 グッとさやちゃんに睨み付けられ、ボクは背を丸めてちっちゃくなっちゃった。
 でも傍目とちがって、ボクはうれしさでいっぱい。
 だって、「付き合ってる」って、さやちゃんがいってくれたの、はじめてだもん。
 ボクは頬が緩んじゃう気がして、それを隠そうと俯いちゃったんだ。
「まぁ、まぁ、痴話ゲンカはあとにして〜」
「痴話ゲンカなんてしてないですっ!」
 小田先生がからかって、さやちゃんがなんかムキになってて。
 ボクはなんか、じ〜んとして、「付き合ってる」って言葉を心の中で反芻しちゃってた。
 そしたら話しは、ふいに終わりになってたみたい。
「入部するかどうか、ちょっと考えててくれる?
 先生、その間に報告書、書いちゃうから」
 って、小田先生がいってきたんだ。
「報告書…?」
//	 目をパチクリして顔をあげると、小田先生は白い紙にボールペンを立ててた。
 顔をあげると、小田先生は白い紙にボールペンを立ててた。
「この時間、生徒指導室でふたりになにをしていたのか。
 報告するのは、先生の義務だもの」
 さやちゃんが再び、険しい目で小田先生を睨んだ。
「なんて報告するの?」
「なんて報告したらいいかしら?」
 先生は紙から目を放し、ボクらを見た。
「サボッたふたりに、教育指導をした。
 って、正直に書いた方がいい?」
 そしたら、どうなるんだろ…。
 停学とかに、なっちゃうのかな…。
「先生としては、ふたりから倶楽部創設の相談を受けてた、ってことにしたいんだけど。
 どう思う?」
 それって…。
「先生、ズルイ!!」
 大きな声をあげて、さやちゃんが立ち上がった。
「サボッてたって報告されたくなきゃ、倶楽部に入れってコトでしょ?!
 それって、脅しじゃないっ!
 やり方がきたないわっ!!」
 真っ赤な顔のさやちゃんに、小田先生はニッコリ。
「あら。サボッてたのは事実でしょ?
 先生がそれを発見したのも、事実。
 黙っててあげようと思うのは、わたし“個人”の思いやりよ?」
 そういうと小田先生は、ボクにその笑顔を向けてきたんだ。
//	「ねぇ? 鈴代は、どう思う?」
「さて。返事を聞かせてくれる?」
//--

//	「これだから、オトナって信用ならないのよ」
「これだから、オトナって信用ならないのよ…。
 聖職者のクセして…信じらんない…!」
//--
 さやちゃんはプンスカ、廊下を早足で歩いてた。
 並んで歩くボクは、追いつくのもタイヘン。
//	「あたしのポッチー食べたクセに…。
//	 ごちそうさまもナシなんて、信じられないわっ!」
「あたしのポッチー食べたクセに…ごちそうさまもナシなんて!
 日本の教育は腐ってるわっ!!」
 あはは。怒るトコはソコなんだ。
「体験倶楽部なんて、ダレが出てやるモンですかっ!
 アンタも出ちゃダメよ?!」
 うん。そうなんだ。
 結局、ボクらは入部することになっちゃったんだ。
 うん。そんなに嫌がることじゃないかもしれないけど…。
 さやちゃんは、強制されることが大っキライでしょ?
 ボクは人見知りが激しいから…知らない子たちに混じるなんて、とっても不安…。
 それに二人とも、なんかワナにはめられたみたいで、すごく後味がわるかったんだ。
「でも…。
 倶楽部に出なかったら、サボッたことを報告されて、停学になっちゃうかも…」
 ピタッと、さやちゃんの足が止まった。
「他の子とシても、小田先生とは、えっちしちゃダメよっ!
 いい? ゼッタイっ! ゼッタイだからねっ?!」
 そうボクにいうと、さやちゃんは勢いよく、女子トイレのドアを開けた。
 バタンッ!
 って、ドアが閉まって、ついで中から…。
「こんなトコでえっちしてんじゃないわよっ!! 変態発情猫!!」
 って、さやちゃんの怒鳴り声が聞こえた。
 ホッと、ボクは胸を撫で下ろしちゃった。
 うん。そうだね。
 いつもながら、さやちゃんの癇癪ってスゴイよね。
 ボクがターゲットじゃなくてよかったよ。

 それにしても…。
 みんなになんて話そう…?
 ボクは知らず、ため息をついてた。
 うん。実は事態は、ボクらふたりだけで済まなかったんだ。
 それは“ホテル”のこと。
 体験倶楽部の活動場所、体育館の舞台地下なんだって。
 みんなの“ホテル”を、取り上げられちゃったんだ。
 はぁ…ため息でちゃうよ…。

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