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!!!インターミッション
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!■ハンス(仮名)は館の庭で、溜め息をついていた。
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人魚姫が会ってくれない…。
もーほー茸の一件が片づいてからというもの、固く玉室の扉を閉ざしたままなのである。
もちろん、ギルドの者やメイドたちには扉を開く。
開かないのは、ハンス(仮名)にだけ。
封印の寝顔さえも見せてくれない。
まるでハンス(仮名)を避けているかのようである…。
「なんか、気に障ること…したかなぁ…」
心当たりがいっぱいありすぎる下半身なのであるが、それが主人公の{{ruby "運命","さだめ"}}なのであるからして。
いいかげん、人魚姫にも諦めてほしいものである。
「アンタのせいじゃないわよ」
溜め息をつくハンス(仮名)の隣に、飛び猫・ニーヤが足を降ろした。
「じゃ…なんで会ってくれないの…?」
「それはその……。
わかんないけど、アンタのことを怒ってるワケじゃないわ。
それは保証してあげる」
「ふうん…」
気のない返事で、ハンス(仮名)は池の水面に視線を落とした。
そして無言のまま、漂う枯葉を見つめ、ただ溜め息をつくばかり。
見ている者まで切なくなる。
「ハンス(仮名)…そんなに、姫さまに会いたい…?」
「うん…会いたい…」
「ねぇ? 姫さまのどこが、そんなに好きなの…?」
「どこが…って…」
ニーヤは小首を傾げ、ハンス(仮名)の瞳をじっと見つめていた。
「ニーヤ…もしかして…」
「……」
「…発情期なの?」
{{size 5,"「ハァァ?!」"}}
「キミの気持ちはありがたいけど、でも、ボクは人間でキミは猫なワケで…。
いや、種族を超えた愛は美しいかもしれないけど、それは幻想という名のエデンの東なワケで…ね? わかるでしょ?」
{{size 5,"「わかるか、下半身ボケッ!!」"}}
!■りりんに体を洗われ、ハンス(仮名)は泡だらけとなっていた。
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{{include_html htmlPIC,"!りりんパイズリ"}}
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「なにか気に障ること…したのかなぁ…」
人魚姫が会ってくれない…。
ハンス(仮名)はりりんに、悩みを打ち明けてみた。
「エチケット違反じゃなかったの?
他の女の子の話しは?」
「あ。ごめん…」
「うふふ。いいのよ」
りりんは、実姉のような微笑を浮かべた。
ハンス(仮名)からいいだすなど、よほど気にしているのだろう。
「ニーヤはなんていってるの?」
「気にするなって。ボクのせいじゃないから」
「そう。なら…いいことかもね…」
「いいこと?」
「ん〜。でもわるいコトかも…」
「え? え? それどういうこと?!
わるいコトって?!」
慌てるハンス(仮名)に、りりんはクスクスと笑った。
「うふふ。あたしが、ヤキモチ妬くから」
「へ?」
「こんな風にね…」
そういうとりりんは、股間を扱きながら、ハンス(仮名)の尻に指を滑らせた。
「あ、あ、そ、そんなトコ…あはん〜〜」
「うふふっ!
元気になったみたいね♪」
「う、うん…たまにやって」
!■ハンス(仮名)は空を見上げていた…
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人魚姫が会ってくれない…。
出てくるのは溜め息ばかりである…。
「だ〜れだ?」
手を取られると、ほのかに柔らかい感触。
相手を見るまでもなくわかる。
「おっぱいのちっちゃいスフィア」
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{{ref_image sf_maid_nico.jpg,スフィアのアルバム}}
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「んもうっ! ハンス(仮名)ったら、えっちぃ〜♪」
スフィアは頬を抑えて、照れ笑い。
いつもならしかりつけるトコロであるが。
いまのハンス(仮名)は、溜め息しかでない。
「スフィアはいつも元気だね…」
「ハンス(仮名)はなんか、元気ないね?」
「姫さまは…元気?」
聞かれてスフィアは、顎に指をあてて雲を見上げた。
「ん〜、ずっと眠ってるけど…。
起きるとハンス(仮名)みたいに、溜め息ばっかりかも」
(あ〜…やっぱりボク、なんかしたんだ〜…)
ハンス(仮名)は頭を抱えた。
// そんなハンス(仮名)に、スフィアは甘えるように抱きついた。
そして走馬灯のように記憶を巡らせていると、ふんわりとした感触に包まれた。
スフィアが甘えるように、抱きついていたのである。
「ねぇ、ハンス(仮名)?
また海に行こうよ」
「海?」
スフィアはニッコリと、ひまわりのような笑顔を作った。
「うん! 前に行ったでしょ?
みんなで海水浴!
今度は姫さまも誘って! ね?」
それをきっかけに人魚姫と仲直り。
いいアイデアかもしれない。
「海水浴か…」
しかし人魚姫には、そこまでの自由はない。
「残念だけど、姫さまは無理だろうね…」
「え〜。姫さま、かわいそう…。
海で泳ぐの、すっごく気持ちいいのに…」
幼いスフィアは、しょんぼりと肩を落とした。
まるで朝顔が萎んだようである。
人魚姫も、海で自由に泳ぎたいであろう…。
スフィアの様子は、人魚姫の気持ちを代弁してるようにも思われた。
「う〜ん…紋章が集まったら…行ける、かも…」
紋章と故国復興資金。
いくら偏屈な爺さんでも、それなら海水浴くらい許可してくれるであろう。
「それじゃ、約束!」
スフィアが小指を差し出す。
「紋章が集まったら、みんなで海水浴行くの。
姫さまに知らせたら、きっと喜ぶよ?」
スフィアのいうとおりかもしれない。
溜め息ばかりついていても、人魚姫の笑顔を作れはしない。
「うん。ありがとう、スフィア!」
スフィアと小指を結ぶと、ハンス(仮名)は元気が涌いてくるのであった。
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