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マーメイド06-5




【@右巻きソフトウエア】 「初・体験教室」 「初・体験倶楽部」 「怖くない怪談」 「ないしょのえろカタログ」

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待ってよ、白衣の天使-2


■“白衣の天使”を追って、館の庭へやってきた。

「たしか、この辺りに……」
「あれ、あそこよ!」
 キョロキョロ、見回すハンス(仮名)に、飛び猫が指さす。
 “白衣の天使”は、爺さんの背中にかかっていた。
「爺ちゃ〜んッ!」
 走り寄るハンス(仮名)に呼ばれ、くるっと爺さんが振り向く。
「ハンス(仮名)……」
 突如としてハンス(仮名)は、おぞましい悪寒に襲われた。
 爺さんの瞳は、恋する乙女の如く、ウルウルであった。
「ハンス(仮名)ぅ〜ッ!!」
 爺さんはそう叫ぶと、猛然とハンス(仮名)にタックルして押し倒した。
「ワ〜ッ!! いやだぁ〜ッ!
 爺ちゃんのもーほーさんは見たくないぃぃぃッ!」
 喚き暴れるハンス(仮名)に、爺さんは頬をすりすり。
「ワシがわるかったぁッ!
 故国を追い出され、今までさびしかったじゃろ? ツラかったじゃろ〜?!
 ギルドの立場があるとはいえ、ワシはかわいい孫に、なんと非道無慈悲だったことよぉ〜っ!!」
 爺さんは懺悔をしながら、オンオン、頬ずり。涙ばかりか鼻水まで飛ばし泣く。
「あぅ〜! もーほー爺ちゃん、気色わるいぃ〜」
 ハンス(仮名)は狂い死にの前に、気色わるさで殺されそうである。
「罪滅ぼしじゃっ!!
 なんでもしてやる、なんでもしてやるゾい〜〜〜!」
 喚き暴れるハンス(仮名)が、ピタッと止まった。
「…ホント?!」
「ほんとじゃッ! 今までの罪ほろぼしじゃッ!
 なんでもしてやりたいんじゃ〜ッ!」
「じゃ……。
 姫さまを自由の身にしてあげて」
 いつものように色ボケたおねだりかと思いきや。
 飛び猫・ニーヤは、じぃ〜ん、と胸が熱くなった。
「……ハンス(仮名)」
「あー、もちろん、ボクと結婚してからね」
 ぱこんッ!
「あたしの“じぃ〜ん”を返せっ!」
「いいぞい、いいぞいッ!
 なんでもしちゃるわい、可愛い孫のためじゃ〜ッ!」
 ニーヤが思いっきりハンス(仮名)をなぐり、爺さんは頬ずり号泣。
 そこへ一陣の風が吹き、“白衣の天使”が再び空に舞う。
「ハンス(仮名)ッ! “白衣の天使”がッ!」
「約束だよ、爺ちゃんッ!
 約束したからね!」
 念押しのハンス(仮名)に、爺さんは目をパチクリ。
「なにがじゃ」
「今、人魚姫との即結婚を約束してくれたじゃんッ!」
「なにをいうとるんじゃ、このクソガキは?!
 それは故国復興資金が貯まってからじゃろうッ!!」
「あ〜ッ!! ズリィッ!」
 ふたりが言い争う中、空高く彷徨う“白衣の天使”は、みるみる小さくなってゆく。
「ハンス(仮名)ッ!! いくわよッ!」
 飛び猫にズリズリ引きずられていく、ハンス(仮名)。
「いつもそうなんだ、爺ちゃんは〜ッ!
 自分に都合がわるくなると、いつもそうなんだ〜ッ!」


■見失った“天使”はどこへやら…

 ハンス(仮名)とニーヤは館を出て、街中を走り回っていた。
「お〜い、“白衣の天使”やぁ〜いッ!」
「はぁ〜い♪ 待ってた? ぼ・う・や♪
 な〜んて、出てくるワケないでしょッ!」
 ぱこんっ! と、飛び猫・ニーヤはハンス(仮名)の頭にいい音をさせた。
「まったくもうッ!」
 ニーヤにこづかれ、こづかれ、見失った“白衣の天使”を求めるハンス(仮名)。
 このままでは、もーほーさんたちに看取られるのも確実。
 泣きたくなるほど惨め……いや、すでに半泣きであった。
「お〜いっ!」
 返事をするとは到底思えぬが、どうにも叫ばずにはいられない。
「“白衣の天使”やぁ〜いッ!!」
「はぁ〜い♪ 待ってた? ぼ・う・や♪」
「……」
 ぽか〜んと、口を開けるハンス(仮名)とニーヤ。
 現れたのは、看護婦姿のりりんであった。

「どう、これ? 似合う?
 今日はなんだか、献身的なサービスがしたくなる思いなの…」
 お色気タップリ、りりんが秋波を送ってくる。
 さしものハンス(仮名)も異常さに気づき、タジっと後退った。
「な、なんだか、変だよ、りりん…?」
「そう? 分かるぅ? 変なの、あ・た・し。
 とっても燃えるの〜。
 うずうずうずって、献身愛がうずくのん〜」
「どうやら、タダの看護服じゃないみたいね…」
 ニーヤは“白衣の天使”へ、不審の目を向けていた。
「ど、どうしよう……」
「早いとこ、脱がせるのよ。
 アンタの十八番でしょ?」
「う、うん…」
 ハンス(仮名)はりりんの、看護服のボタンを外し始めた。
「あん♪ ハンス(仮名)ったら、積極的ねぇん〜」
 りりんは献身愛に疼き悶え。
 はだけた看護服から豊かな胸が現れると、ハンス(仮名)はひどくドキンとした。
「ね、ねぇ、こんなことして、姫さま怒らないかな…?」
「莫迦ッ! さっさとやりなさいよ!!」
「う、うん。わかった!」
 ギュッと目を瞑って脱がすハンス(仮名)に、ニーヤはポツリと呟く。
「……もう、なんでこんな時に気にするのよ」


■そんなこんなで、“白衣の天使”を手に入れた。

「まぁったく、世話が焼けるんだから」
「……」
「でも。なんとか“白衣の天使”も手に入ったし。
 あとは瑠歌に解毒してもらえば、万事解決ね」
「……」
 ハンス(仮名)は先程から返事もせず。
 じぃっと、両手の“白衣の天使”を凝視していた。
「? どうしたの?」
「……これ。
 姫さまに着せたら、どうなるかな…?」
「ば、莫迦なこと考えないでよッ!」
 このところ柔らかくなったとはいえ、いまだ人魚姫には、なんとな〜く越えられない壁があるような気がするのである。
 しかし、この“白衣の天使”を使えば……。
 人魚姫は献身愛に疼き悶え、甲斐甲斐しく、甘〜い、ご奉仕してくれるのではなかろうか…?
「むふっ♪」
 ぽわわ〜んと、桃色の妄想が浮かび、ハンス(仮名)の頬は緩んで、鼻の下は10センチほども延びていた。
「ちょっ、ハンス(仮名)?! やめなさいよッ!
 ちょっとッ! そんなことしてる場合じゃないでしょッ!」
 ハンス(仮名)を止めるニーヤであるが。
 所詮は猫一匹、ずるずると引きずられてしまうのであった…。


■とりあえず、人魚姫に被せてみた。

 人魚姫は“封印”で眠ったまま。
 着せるのが無理ならと、被せてみたのであるが…。
「う〜む……。
 なんにも起きない……」
「当たり前でしょ。
 今は“封印”の時間なんだから!」
 呆れ返るニーヤだが、ハンス(仮名)に諦める様子はない。
「ちゃんと着せないとダメなのかな?
 うん。着せてみよう…」
「いい加減にしなさいよ、ハンス(仮名)ッ!
 怒るわよッ! ほんとにッ!!
 ぷりぷりぷりッて。だからぁ〜ッ!
 オイタしちゃ、ダ・メ♪」
 ゾワゾワゾワ〜っと、ハンス(仮名)は身の毛がよだった。
「ちょ、ね、ねぇ、どうしたの? ニーヤ?」
 ニーヤの様子がおかしい…。
 色っぽい流し目を送りつつ、すりすりとすり寄ってくる。
「きっと疲れが溜まってるのよね…、ハンスぅ(仮名)〜?」
「や、やめて、ね、ねぇ?」
 情けなくもハンス(仮名)は、にじり寄り、這い上がってくる猫一匹に押し倒されてしまう。
「いつもひどいことして、ゴメンなさい……。
 でもわかって、あなたのためを思ってのことなの…。
 ハンス(仮名)ゥ…」
 ゾリッと耳を舐められ、ハンス(仮名)は貞操を引き裂かれるような悲鳴を上げた。
「だ、だれか、だれか助けて〜ッ!!」



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