ハンス(仮名)、怒る
■瑠歌はなおも、残酷な嗤いを続けていた。
「なによん」
黙って見下ろすハンス(仮名)に、瑠歌の嗤いがぴたりと止んだ。
「どうして、騙したりしたの…?」
「おもしろくないんだわさ。
アンタも、人魚姫も、そこのバター猫も」
ハンス(仮名)は黙ったまま、冷やかな目を瑠歌に向けていた。
「なによ。文句があるのん?
アタシに指一本でも触れたら、アンタは狂い死にだわよん〜」
ハンス(仮名)はくるりときびすを返すと、脱いだ服の側でなにやらごそごそと始めた。
「さっさと服着て帰んなさいよん〜。
治し方なんて、教えてあげないんだから。
ベーッ!」
と、舌を出す瑠歌。
振り向いたハンス(仮名)の手には、一本のロープがあった。
人魚を捕まえるための、魔法のロープである。
「な、なにすんのよ。
ちょ、ちょっと、やめなさいよッ!」
ハンス(仮名)がロープをけしかけると、それはあっという間に瑠歌に絡みついた。
そして自由を奪われてもがく瑠歌を、ハンス(仮名)は近くの木へぶら下げた。
「なにする気よ! 降ろしなさいよッ!!」
「ごーもん」
ハンス(仮名)が前歯がキランと光る。この上ない、さわやかな笑顔である。
「しゃべる気がないなら、しょうがないよね」
瑠歌の顔から、サーっと血の気が引いた。
「ちょ、ちょっと、ハンス(仮名)――」
ニーヤは慌てて、止めに入った。
「こういう悪い子はね、お仕置きしないと、世間さまに迷惑かけるんだって。
爺ちゃんがよくいってた」
「だからって……」
いくらなんでも拷問とは、少々やりすぎではあるまいか?
「大丈夫。
これはボクが考案した、完全無比人道的かつ効率的な拷問法なんだ。
ちょっと貰うね」
ハンス(仮名)は飛び猫の翼から、風切り羽を一本、抜き取った。
「さてと。
ボクのビョーキを治すには、どうしたらいいのかな?」
「知らないわよッ!」
イーッと瑠歌は付け加えた。
「そう。なら、仕方がないね」
そういうとハンス(仮名)は、羽で瑠歌の顎下をくすぐり始めた。
「きゃはははッ!
やめ、やめなさいよッ!」
「いう気になった?」
「なるわけないでしょ、莫迦ッ!」
「こちょこちょこちょ」
「きゃははははははッ!」
ハンス(仮名)は、瑠歌の足裏をくすぐった。
堪らず瑠歌が身をよじり、ロープを支点にくるくると回る。
「どう?」
瑠歌はすぐには返事ができなかった。
笑いすぎて、呼吸が追いつかないらしい。
「…こんなことで…ハァハァ…なるわけないでしょっ…!」
顔を真っ赤に怒る瑠歌は、白状する気配もない。
「むう。これはなかなか手強い…。
レベルAに緊急格上げですな」
顎に手をあて、ハンス(仮名)はニヤリ。
「なによ、レベルAって?
ちょっと、なにする気なのよンッ!」
ハンス(仮名)はくるりと瑠歌の向きを変え、お尻を向けさせた。
そして短い裾をペロンと捲くり上げ、なにもつけていない小尻を剥き出しにする。
恥ずかしげに閉じられた股の間には、幼げな割れ目があった。
それは幼児体型の瑠歌に似つかわしい、無毛のスジ。
ハンス(仮名)はソコを、羽で軽くひと撫で。
「きゃっ!」
びっくりした瑠歌は、ピッタリと股を合わせ、割れ目をガードした。
するとハンス(仮名)は、瑠歌の割れ目を無視し、内股をくすぐり撫でる。
「いやんッ!!」
瑠歌の小さな足が、こそばゆげに股を擦り合わせる。
するとまた割れ目に沿って撫で。
次は内股。割れ目。内股。割れ目。内股。フェイントで内股…。
「いやん、やぁん!
やめてよ、もうンッ!」
予測できないハンス(仮名)の責めに、瑠歌はなすすべなく、ただ、ただもがくばかり。
「くすぐったい?」
「決まってるでしょんッ!」
涙目の瑠歌に、ハンス(仮名)はニッコリ。
「感じてるんだよ、きっと」
「そんなワケないでしょッ! 変態ッ!!」
「そうかな……。
だって濡れてるよ、ホラ」
ハンス(仮名)が見せた羽先は、かすかだが、たしかに濡れていた…。
「ウ、ウソよ! そんなのんッ!」
もちろん、ウソである。
ハンス(仮名)が舐めて湿らせただけ。
だがそれは、効果覿面だった。
「感じてるなんて…そんなハズ……あん…」
疑念を持ちながらも、ハンス(仮名)に割れ目を撫でられ、瑠歌は次第に甘い声を出し始めた。
「……いやん……そんなのん……。
…やめてぇん〜……くすぐったいん……」
ぽっちゃりとした可愛らしい足から、次第に力が抜け落ち、割れ目を隠すこともやめる。
「…いやん…の…羽……あん…。
く、くすぐったいん……」
瑠歌は桃色の吐息を漏らし、火照った声を恥ずかしくもなく上げていた。
されるがままに、割れ目を撫でられ、擦られ。
幼げな蕾はゆっくりと綻び、艶やかな薄紅色を見せる。
そして透明な雫が、恥丘から股へ伝いだした。
「…あんっ……あっ……あぁんっ……」
弓弾くように、羽で秘肉を撫でると、瑠歌は背筋をビクン、ビクンっと仰け反らせ、可愛い啼き声をあげた。
「いいでしょ…? これ…?」
「…う、うん、いいのん……ビクビクっと、キちゃうのん…」
もはや瑠歌は、羽が作り出す快感の虜となっていた。
ふっくらの頬が紅潮し、言葉すくなになると、ハンス(仮名)はふいに愛撫の手を止めた。
「あん! なんでやめるのん! もっとやってんッ!」
さきほどまでとは、エライかわりようである。
ハンス(仮名)はニヒヒっと、意地の悪い微笑を浮かべた。
「やだ」
「なんでよんッ! もっとシてよんッ!」
瑠歌は抗議の声をあげ、ふるふると丸い尻を狂おしく震えわせた。
「だってつまんないんだもん。
ボクの勃たないから」
「そんなイジワルしないでんッ!! お願いぃッ!」
「じゃ、勃つようにしてよ〜」
そういって、ハンス(仮名)はひと撫で。
「あん!」
と、瑠歌は快感のひと啼き。
「もっとして欲しいんでしょ…?」
ハンス(仮名)が羽をヒラヒラさせると、瑠歌はぐぬぬ…と言葉を詰まらせた。
「……わかったわよん」
「どうしたら治るの?」
「“白衣の天使”を着たアタシと、えっちスルの。
そうすれば、ビョーキは治るわん」
「ホント?」
「ホントよ! だからシてぇん!
羽でおまんこ、コチョコチョしてぇ〜ん!」
「だめ」
「なんでよぉん〜ッ!!」
「ニーヤに謝るんだ」
ハンス(仮名)はくるりと、瑠歌をニーヤに向かせた。
「……ハンス(仮名)…」
ニーヤはただ困惑し、ハンス(仮名)にエメラルド色の瞳を向けた。
「自分のしたことを謝るんだ」
「いやよん」
ぷいッと瑠歌が顔を背けると、その鼻をハンス(仮名)が羽でくすぐる。
「や、やめて……は、くしゅんッ!
もう…スル場所が違うん、スルならちゃんとシてんッ!」
「恋しいでしょ? コレ…」
羽、ハンス(仮名)、羽…、瑠歌が視線を迷わせる。
「謝って」
「……ごめんなさい…」
蚊の鳴くような小さな声。
「わたしがわるかったです」
謝罪の言葉を、ハンス(仮名)が続けさせる。
「…アタシがわるかったわよん……」
「罪深きわたしを、どうかゆるしてください」
「つ、罪深いアタシを、ゆ、許してん……」
さっきまでの元気はどこへやら。
瑠歌はお仕置きされた子供のようにしょんぼりし、惨めったらしい思いでいっぱいだった。
「瑠歌も心から謝っているようだから、飛び猫も許してあげてよ」
「…あたしは……その…。
…ありがとう……ハンス(仮名)…」
ニーヤは俯いて、それだけをいった。
「ねぇん、もういいでしょんッ!
シテよんッ! お願いんッ!!」
瑠歌が足をバタつかせてネダる。
ハンス(仮名)は頭を撫でる代わりに、無毛の割れ目をひと撫で。
「きゃうんッ!」
かわいい声を上げる瑠歌を、くるりと自分の正面に向けた。
「じゃ、舐めて」
うなだれたおちんぽに指を添え、瑠歌の口元に近づける。
瑠歌は微塵のためらいなしに、パクんッとそれを頬張った。
「…うん…チュ……チュブ…ううん……」
口内で柔らかな舌が、レロレロ弄り、フニャフニャのおちんぽを舐めしゃぶる。
宙吊りの瑠歌は両手を使えず、口を塞ぐおちんぽにすがりつくしかない。
瑠歌は息苦しさから頬が染まり、呼吸は早くも荒くなった。
「…ふん……うん…あふぅん……ン…ング…っ…」
“白衣の天使”の力だろうか…?
ゆっくりとハンス(仮名)の下脳が目覚め始める。
さっきまでなにも感じなかったのが不思議なくらい、豊かな泉のごとく、熱い快感が湧き出した。
ビクンっ!!
突然、おちんぽがイキリ勃ち、瑠歌の喉奥を突く。
「ウッ!」
瑠歌が堪らず呻き、ハンス(仮名)は鬼頭から、腰が退けるほどの快感を感じた。
同時に熱い興奮が脳髄を駆け巡る。
その久しぶりの興奮はとても堪えがたく、ハンス(仮名)は瑠歌の小さな頭を掴んでいた。
そして鼻息も荒く、腰を繰り出していた。
「うぅんっ! うふっ…ううっ…ウッ…ウゥッ…!」
口内を肉棒で蹂躙され、喉奥を突かれて、瑠歌が苦しげに呻く。
その呻き声に興奮し、体中の血が沸き立ち、粘膜の快感を感じた肉棒は太く、大きくなっていく。
「もっと吸いついてよ…ホラ…」
「むぐぅっ! んむぅっ! ウ、うむぅぅ!!」
呻き声などハンス(仮名)の耳に入らず、肉棒で喉奥を責めたてる。
いつもならこんなムリヤリなコトはしないだろうが。
久しぶりに勃起した欲棒が、ハンス(仮名)の理性を逆上せさせ、麻痺させていた。
じゅぽっ! じゅぽっ!
吸いつく唇がはしたない音を立てて、瑠歌は口の端からヨダレを漏らす。
「んんッ!」
勢いあまった肉棒が、鎌首を上げて瑠歌の口から飛び出した。
と、同時に大きな脈動が沸き起こり、固まりのような白濁を瑠歌の顔に発射していた。
「いやんッ!」
ビュッ! ビュビュッ! ビュッ!
続けざまに精液を浴びせられ、瑠歌は顔を背ける暇もない。
いや、顔を背けても無駄な抵抗であろう。
ハンス(仮名)が肉棒を扱き、瑠歌の童顔に向けて浴びせかけていたのだから。
「あぅ〜……イカくさい〜ん……グスン…スンスン…」
童顔を垂れる白濁に、瑠歌は肩で息をしながら鼻に皺を寄せた。
ハンス(仮名)はといえば、興奮した鼻息で、自分の股間をジッと見つめていた。
真っ赤に腫れ上がった鬼頭は、今だ鎌首をあげたまま。
暖かい唾液まみれのソレは、ヌラヌラと妖しくゆらめく。
高らかに“復活”を宣言している肉棒は、とても誇らしく、自信に満ちあふれていた。
ハンス(仮名)は消耗した瑠歌の体を回転させ、再び小さな尻を向けさせた。
「え…? ちょ、ちょっと〜!」
瑠歌の性器は未だ割れ目のままであったが、そのスジはしっかり、愛液のツユを漏らしていた。
小さな桃尻を撫で撫で、舌なめずり…。
「それじゃ本番、イクよ〜」
ハンス(仮名)は瑠歌の返事を待つこともなく、幼げな性器の奥へと、一気に太い肉棒を挿し込んだ。
「ふぎゃんッ!」
いきなりのことに、瑠歌は奇声を上げて上半身を反り返した。
ハンス(仮名)はいきおいを止めることなく、細い腰を掴んで、肉棒の出し入れを繰り返す。
瑠歌の膣は狭く、肉棒への抵抗を感じなくもない。
しかし潤沢に濡れそぼった膣壁は、ヌルヌルとしていて気持ちヨク、容易に膣奥を突く快感は脳天を貫くようだ。
あえていうなら、吐息の漏れ出る締まり具合…。
「いやんッ! やん、やんッ!」
狭い膣に比べて、あまりに大きい肉棒は、瑠歌にひとつ言葉を繰り返させる。
ハンス(仮名)は瑠歌の細い腰を掴み、吊り下げられた身体をなおも大きく揺らす。
そうしながら、貪欲に自分の腰を動かし、熱く膨張した肉棒で瑠歌の最奥を貫き続ける。
瑠歌を吊り下げている縄が、ギシッ、ミシッっと枝を激しく揺らし、枯葉をパラパラと降らせる。
「やん、やんッ、やん、やん、やん、やんッ!」
狭い膣穴から愛液が掻きだされ、ぶつかる小尻と腰がパチン、バチンと音を立てて、愛液を飛び散らせる。
「もっと、もっと、ゆっくり、ねん、ねぇんッ!」
ジュブ、ジュビ、ジュブ!!
「やん、やん、ダメん、もう、やん、やん。
いく、いく、いくんッ!!」
瑠歌の上りつめた声と共に、毒々しい白い粘液が吐き出された。
ドクンッ! ドクッドクッ!!
激しい脈動が繰り返し、吐き出された精液が膣奥へ迸る。
瑠歌の尻の紋章が光り、ハンス(仮名)の臀部へと移った。
「…ハァ…ハァ…ぅ…あぅ……」
瑠歌は喘ぎとも吐息ともつかない声を漏らし、ハンス(仮名)は射精の余波が収まっても、なおも腰を動かしていた。
「うふふ…もっと欲しいでしょ…? いっぱい出してあげるね〜♪」
溜まった性欲は尽きることなく、瑠歌のすすり泣きが聞こえ始めたのは、しばらくしてからだった……。
陽はとっくに傾き、夕日が海の向こうに没する時分。
「お、終わった…? ハンス(仮名)…?」
ニーヤがおそるおそる顔を覗かせると、ハンス(仮名)が瑠歌の縄を解いているところであった。
「…すん……くすん……」
あれから何度、犯され続けたのであろうか…。
瑠歌は、すすり泣きを繰り返ししていた。
「…ぐすん……ひどいんだわん。
こんなのって、ないんだわん……」
我を忘れたとはいえ、ヤリすぎてしまったか…。
ハンス(仮名)に、ちょっと後悔の念がよぎる。
「…男にイカされるなんて……。
生まれてから300年間、最大の屈辱なんだわん…」
後悔の念は、ハンス(仮名)に留まることなく、さよならと手を振った。
「覚えてなさいよんッ!
アタシをイカしたこと、後悔させてやるんだわんッ!」
瑠歌はそう泣き叫び、浜辺へ走り去った。
「……だって」
「懲りない女ね……」
「イッタの、初めてなのかな……」
「ぎゃんッ!」
躓き転ぶ瑠歌を、ハンス(仮名)とニーヤはぽかんと見ていた。
「でも。
ビョーキも治って、紋章も手に入るなんて……。
ほんとラッキーだったね〜♪」
ニコニコのハンス(仮名)に対して、ニーヤは複雑な表情。
「う〜ん…。
なんか、素直に納得できないのはナゼ?」
「ねぇ、ニーヤ……?」
ハンス(仮名)が復活した自分の股間を指差す。
「舐・め・て♪」
ガチャンと音がして、貞操帯がハンス(仮名)の股間を封印した。
「あ〜〜〜ッ!!
なんてことするんだよ、ニーヤ〜ッ!
せっかくはずしてもらったのにぃ〜〜〜ッ!!」
「うるさいわね!
チョットでも見直したあたしが、莫迦みたいじゃないのッ!!」
「だって……。
……さっきのニーヤ、かわいかったよ〜」
「こ…の…クサレ外道ッ!!」
「ぎゃ〜ッ!」
ニーヤがハンス(仮名)の背中に爪を立てる。
「あんた、あたしがどんな気持ちだったか、ぜんっぜんッ、わかってないでしょっ!」
「イタイ、イタイッ! やめて〜ッ!」
罵声と悲鳴は、星が瞬くまで続いた。
■パチパチと焚き火がはぜる。
「ふん♪ ふん♪ ふん♪」
能天気に、ハンス(仮名)が鼻歌を歌う。
なぁんにも考えてない、いつものハンス(仮名)。ニーヤはなぜか、安堵のため息をついた。
のであるが…。
「……なに?
この変な臭い…」
その臭いの素は、ハンス(仮名)が焼くグロテスクな魚…。
「これはね“にょい魚”といって、食べるとピノキオの鼻のように、おちんぽが長くなる効果があるんだよ。
……イカ臭いけど」
「た、食べるつもり?」
「もちろん!」
ハンス(仮名)の喜々とした返事に、飛び猫ニーヤは頭が真っ白になった。
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