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萌え小説 番外02.6

うちの子ご自由にお描き下さい同盟



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 はじめての計画・2

 好美と良子は手を繋ぎ、ふたりで校舎内を歩いていた。
「どこにいるんだろ…?」
「うん…」
 頼りのゆり先生が見つからない…。
 当てどもなく捜し歩いていると、ふたりは好美の教室に通りがかった。
 廊下の壁一面に貼られた、幾枚もの習字。
 それはかすかな空気の流れにも、蔦の葉のようにゆらめいた。
 良子はその中の一葉に目を惹かれた。
「あ。これ、こよしちゃんのだね!」
 コンクールかなにかで賞をもらったらしい。
 金色のシールと、リボンの花がつけられていた。
「字、うまいんだね〜」
 好美はおしとやかに微笑んだ。
「習字は、幼稚園の頃からやってるから」
「へ〜」
「お陰で書記にされちゃった」
「あはは! あるよね〜、そういうの〜…」
 調子よく相槌を打った良子は、「ん?」と首を捻った。
 そしてすぐに、「あっ!」と、声を上げた。
 朝礼や学校行事で、好美が生徒会の子たちと並んでいたのを思い出したのだ。
「書記って、"生徒会の"書記?!
 やっぱり、頭いいじゃん〜」
「そんなことないよ。
 押しつけられてなったみたいものだもん」
 初等部の生徒会なんて、所詮、人気投票みたいなものだ。
 他に立候補がいなければ、それで簡単に決まってしまう。
 謙遜でなく実際そうなのだが、それでも良子は称賛の声をあげてくれた。
「そんなことあるよ〜。
 すごいなぁ〜、こよしちゃん〜」
 くったくもなく褒められると、好美は誇らしくもあり、気恥ずかしくもあった。
「よ、よしちゃんの教室は隣だよね?」
 そういって好美は、良子の教室に足を向けた。
 話をそらしたかったのと、良子のことをもっと知りたかったからだ。
 無人と思われた教室に入ると、小さな留守居役がかわいい声で挨拶をしてくれた。
「インコ飼ってるんだね」
 好美が小走りに鳥籠へ近寄る。
 青いセキセインコは首を傾げて、再びかわいい声を聞かせてくれた。
「うん。あたしが世話してるの。
 生き物係なんだ」
 良子が鳥籠を一緒に覗き込み、そう教えてくれた。
 好美は鳥籠の格子に人指し指を入れた。
 するとインコは、首を傾げながら近づき、その指先にジャレつきはじめた。
 そうされることを、好美は知っていたみたいだ。
「インコ好き?」
「うん。家で文鳥飼ってるの。
 桜文鳥。手乗りなのよ」
「へ〜。かわいいね!」
「今度、遊びに来て。手に乗せてあげる」
「ホント?!」
 ニッコリ頷き返すと、良子も笑顔を返してくれた。
 そしてふたりで鳥籠に目を戻すと、良子が呟いた。
「あ。水がなくなってる…」
 水浴びに使ったのだろう。
 鉢にもプラスチックの水入れにも、ほとんど水がなくなっていた。
「ちょっと水取りに行っていい?」
「うん。わたしも行く」

 ふたりは鉢と水入れを取り出すと、手洗い場へと向かった。
 そして手洗い場で文鳥の話しをしながら、鉢と水入れを洗っていると、廊下の向こうから男子たちが近づいてきた。
 男子たちは五、六人くらいのグループ。
 好美たち同様、体操着のシャツに上履きという出で立ちで、中には全裸の子もいるようだった。
 ふたりはすぐに、男子たちの下半身へ目がいった。
 しかし残念ながら、おちんぽの大きさはよくわからない。
 ふたりは仲良く落胆のため息をこぼした。
 男子たちの背丈は、どの子も好美たちの肩ほどもなかった。
 どうやら、みんな下級生らしい。
 それを思うと、少し珍しい光景ではあった。
 なぜなら下級生が、高学年の階まで来ることはまずないからだ。
 おそらく探険家気分で、人気のない校舎を歩き回っているのだろう。
 普段となにがちがうでもないが、休日の校舎には物珍しい雰囲気があるものだ。
 そこらへんの気持ちは、好美にもなんとなくわかる。
 聞くともなしに様子を伺っていると、男子グループは歩きながら、なにやら言い争っているようであった。
 正確には、軽いじゃれ合いといった感じで、一人の男の子をみんなでからかっていた。
「え〜?!
 まだドーテイなのかよ〜?!」
「う、うるさいなぁ…」
「ドーテイってか、ソーローなんだよな?」
「う゛〜…。
 モンハンの新しいの、貸さないぞ!!」
 男の子はひどく気にしているようで、少し可哀相なくらいだ。
 しかし、早漏といえば、早漏なのだろう。
 過敏に感じすぎるのだ。
 撫でられるだけでイキそうになったり、イッてしまったり…。
 我慢して我慢して、いざ挿れようすると、おまんこの口に触れただけでイッてしまう…。
 相手の女の子はそれに呆れて、どの子も逃げていってしまう。
 お陰で一日たっても、まだ未経験…。
 聞こえる話しからすると、そういうことらしい。
「トイレっ!」
 男の子はそう怒鳴って、一人、トイレへと駆け込んだ。
 好美と良子は水を汲みながら、そんな様子を見るともなし、聞くともなしに、そば耳を立てていた。
「こよしちゃん…」
 なにやらピンとひらめき、良子が好美の袖をひっぱった。
 そして好美の耳に顔を近づけ囁く。
「あたしに考えがあるんだ」
 イキやすいというのは、ある意味、好都合。
 挿れるのがコワくなっても、出させてしまえばいい。
 それにそんなにイキやすいなら、ムリヤリされてしまうこともないだろう。
 第一、相手は背丈も延びていない下級生ひとり。
 こちらは女の子なれども、上級生ふたり。簡単に撃退できそうである。
 提案を聞くと、好美はメガネの瞳をにっこりと頷いた。
 良子はなかなか、いいところに目がつく。頼もしいアイデアマンだ。
 ふたりはしばらく、手洗い場で男の子が出てくるのを待った。
 他の男子たちは、ちょっと離れたところにかたまっていた。
 ときおり好美を見て、ニヤニヤと肘でコヅきあったりしている。
(やだなぁ、もう……)
 好美はクラスの男子を思い出し、シャツの裾をひっぱった。
 トイレから出てきた男の子に、まず声をかけたのは良子だった。
 濡れた手をシャツで拭うその子に、ハンカチを差し出しながら、ニッコリと笑いかけた。
「ねぇ、名前なんていうの?」
 男の子は少しびっくりしたようだった。
 それでもハンカチを受け取ると、ドモりながら名前を教えてくれた。
「こ、越中 章一(こしなか しょういち)
 シャツの胸に、「3−1 越中 章一」とあった。
 二年も年下とは、どうりで背が低いわけだ。
 それでも学年からすると、背は低い方だろうか…。
 髪は短く、男の子らしい髪型。
 顔を赤らめてはいたが、気弱なタイプでもなさそうだ。
 下半身はシャツの裾で隠れ、足には白い靴下と洗ったばかりの上履き。
 好美は章一という男の子を観察しながら、頭の中を言葉遊びでくるくる回転させていた。
 越中 章一…。
 越中しょういち…。
 えっちゅうしょういち…。
 えっちゅぅしょう…。
 ニッコリと好美は微笑んだ。
「“えっちしよう”…ね!」

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