//えっち11 //-- !!はじめての露出  びっくりすると目が点になる、ってよくいうよね?  うん。そうなんだ。  今のボクがきっとそう。  だって、教室から出ようとしたら、裸の女の子が廊下にいるんだもん。  誰だってびっくりしちゃうよね? //  うん。ボクは今週、掃除当番なんだ。  ボクは今週、掃除当番なんだ。 //--  それでゴミ捨てをおわって、誰もいない教室に戻った。  みんなひどいんだよ?  燃えるゴミと燃えないゴミを、ちゃんと分けないんだ。  それで分けてたら、使い終わったコンドームが入ってて、困っちゃったよ。もう…。  アレって、やっぱり燃えないゴミだよね?  ていうか、触るのがすご〜くイヤだった。  そんな感じでゴミを分けて、ゴミ箱を戻しに教室へ帰ったんだ。  案の定、教室にはもう誰もいなくて、校舎内でも居残ってる生徒は少なくなってるみたい。  ボクは空になったゴミ箱を置くと、ランドセルも背負わずに教室から出ようとした。  ここのところ、日課になってる“ホテル探し”。  今日は体験倶楽部もないし、さやちゃんは新体操部に出てるから。その間に学校の中を探すつもりだったんだ。  うん。夏休みも間近に迫ってるのに、まだ見つからないんだよ。  ちょっと焦っちゃうよね。  そしたら教室を出てすぐ、その女の子が廊下にいたんだ。 //※ PIC 廊下&全裸の女の子 {{ref_image 11-1.jpg,evPic11}} //--  服を着てない、全裸の女の子!  女の子は、すごくびっくりした風だった。  まん丸な瞳で、ツーテール髪が逆立つみたいに全身が硬直してた。 //  ボクだってそう。  ボクもそんな感じ。 //--  何をどうしていいのか、頭が真っ白だった。  だって校舎内で、全裸の女の子と突然出くわしたんだもん。誰だってそうなっちゃうよ。  それはホンの一瞬なんだろうけど、ボクらは長い間、まん丸な目で見つめ合ってる気がした。  そしたら、男子の声が聞こえたんだ。  廊下の曲がり角の、向こう側から。こっちにやってくるみたい。  それは目の前の女の子にも判ったんだと思う。  まん丸な瞳は怯えきったように一変して、顔色はすっかり真っ青! 身体まで小刻みに震えてた。それはもう可哀相なくらい。  ボクは咄嗟に女の子の手を引いて、教室の陰に隠れてた。  だって男子たちに見つかったら、女の子はイジメられちゃうに決まってるもの。  ボクは全裸の女の子を、隠すように抱きしめた。  女の子は身を縮めこませて、プルプル、震えてた。  震えてるのは、ボクも同じ。 //  だって見つかったら、ボクも何をいわれるか…。 //  だって見つかったら、何をいわれるか、わからないもの。 //--  ボクらは両目をギュッと瞑って、話し声が通りすぎるのを、息を殺してひたすら待ち続けた。  男子たちの話し声は、次第に教室へ近づき、ボクの心臓はすごくドキドキして、壊れちゃいそう…。  やがて壁向こうの話し声は遠のいて、ほどなく聞こえなくなっていった。  ボクはホッと肩を落とすと、腕の中の女の子に目を向けた。  女の子は背中を丸めて怯えたまま、まだボクの胸に顔を埋めてた。  ツーテールの髪が、まるで怯えたウサギの耳みたい。  あったかくて柔らかい、裸の女の子。 //  けっこうかわいい。 //  う、うん、そうだね…。 //  おちんぽがピョコンしちゃった…。 //--  さっきとは別の意味でドキドキしちゃう。 「も、もう、大丈夫みたいだよ?」  声をかけてあげると、女の子はゆっくり顔をあげて、潤んだ瞳をボクに向けてきた。  涙目が赤くなって、ウサギさんみたい。  けっこうかわいい…。  うん、そうだね。  おちんぽがピョコンしちゃった…。 「あ、ありがとう…」  女の子がか細くいうと、ボクは顔が真っ赤になるのを感じて、目を反らしちゃった。 「ど、どうしたの?  イジメられてるの?」  いくら暑いからって、全裸で廊下にいるなんて、フツーじゃないよね?  なんかの罰ゲームにしても、やりすぎだよ。  でも意外なことに、女の子は首を横に振ったんだ。 「ううん…」  ボクは目をパチクリ。 //  イジメに気づいてないのかな…?  イジメじゃなければなんなんだろ?  それとも、イジメに気づいてないのかな…? //--  うん、そうだね。  ボクもちょっと前までそうだったから、なんとなくわかるんだ。  仲間外れがイヤで、“罰ゲーム”とかいわれて、イヤなのにやらされちゃうんだ。  でも当人は“タチのわるい悪ふざけ”って思い込んで、イジメと気づかなかったりするんだ。 // 「そうじゃないの…。イジメとかじゃ…」 // 「そうじゃないの…イジメじゃなくて……」 「そうじゃなくて…イジメじゃなくて……」 //--  女の子は理由を話そうか、迷ってるみたい。 「誰にも、いわない?」  上目遣いを向けられて、ボクはドキドキしながら頷いた。 「う、うん。誰にもいわないよ」 「お父さんにもいっちゃダメよ? お母さんにも、先生にも…。  タマにもよ?」  タマって猫のことかな?  ウチには猫も犬もいないけど…それくらい重要な、最高機密ってことだよね。 「うん。ポチにもいわない。  さやちゃんにも、美代ちゃんにも、市川さんにも」  市川さんには特にね。それこそ学校中に広まっちゃうモン。 「指切りする?」  ボクが小指を差し出すと、女の子はおそるおそる、かわいらしい小指を絡めてきた。 //  ちょっと火照った、柔らかいぬくもり。  あったかい。  うん。そうだね、不思議だね。  ちょっと小指を絡めただけなのに、女の子の安堵が伝わってくるみたい。 「あのね…」  女の子は照れたみたいに頬を染めると、おずおずと口を開いた。 「体験教室でね…その…。  クセになっちゃったの」 {{metainfo}}