!!!純情アクア {{category 本編,鋼鉄の人魚・アクア,nolink}} !■アクアの背中には、腫れあがったいくつもの筋が作られ、ところどころ血が滲んでいた。 // {{ref_image aqua_n_sad.jpg,アクアの入り江}} //-- 「ひどいな……。  こんなにされる前に、なんで逃げなかったの?」 「王子さまがいいなら、わたしはどうだっていいの……」  アクアがいつもの繰り言をいう。  しおらしい台詞も、この期におよんでは色褪せて聞こえた。 「“わたしはいい”なんて、ウソでしょ?  ガンスの怪我からいうなら、それは間違いだよ」  アクアはハッと、ハンス(仮名)を見つめた。 「そんなこと、…ないわ…。  わたしは、……王子さまが好きだから…」 「それじゃ、なんで、正銘を教えないの?」 「そ、それは……」  アクアの瞳が泳ぎ、失速したように伏せられた。 「わかってるはずだよ、アクアは。  ガンスが君のことを好いていないように、アクアもそうは思ってない。  最初はそうだったかもしれないけど、いまは違う」  そういうとハンス(仮名)は、アクアの背中に滲んだ血を拭うように舐めた。 「ウッ!」  アクアが痛みを堪え、短く呻く。  口内にアクアのしょっぱい血の味が広がると、それは甘美な倒錯の味に思えた。 「そうでしょ…?」  アクアは答えず、ほぞを噛んで背中の痛みを堪える。  囁きながら、ハンス(仮名)は紋章の傷に舌を這わした。 「痛いんでしょ? アクア…?」 「うッ!」  舌を這わせる度に、アクアが呻き声とも喘ぎ声ともつかない声をあげる。 「ごめんよ。もっと早く来ればよかった……」 「アぅん……!」 「ボクのせいだね。  ボクがガンスをけしかけたから……ごめんね、アクア…」 「はぁンッ!」 「だから、ボクのことを責めていいんだよ。  ボクが悪いんだから……」 「やめて……いたい……」  漏れ出た言葉は吐息混じり。  アクアの耳たぶは、いつのまにか紅色に染まっていた。 「かわいそうに……アクア」  アクアの火照った耳たぶを軽く噛む。 「ひゃんッ! く、くすぐったいわ……」  とくん、といったアクアの小さな脈動が、唇を通して伝わる。  皮膚に通う血の暖かさ、口に残る血の味…。  まるで生き血を啜っているような、倒錯した想像が頭に浮かぶ。  そのまま甘噛みを繰り返すと、アクアはビクビクと身を震わせた。 「…はぁん……ぃゃ…ハンス(仮名)……」  歌姫の甘い声が、下脳をくすぐる。  その声は激しく欲棒を疼かせ、股間をとても窮屈にさせる。  ハンス(仮名)はもどかしくスボンを降ろすと、股間を束縛している貞操帯を取り去った。  アクアは火照った頬の目の端で、それを捉えていた。 「…ハンス(仮名)……?」  戸惑いの呟きは、更なる愛撫を求めている。 // 「こんなに傷ついたのは、ボクのせいなんだね」 「…アクア……」 //--  脇から手を延ばし、とんがった乳首を、サディスティックにヨジり摘む。 // {{ref_image evAqua_h.jpg,アクアの入り江}} //-- 「う……」  乳首の痛みでアクアの呼吸は一瞬止まり、ついで安堵と快感の吐息を漏らした。 「……はぁ。  わたし、なんかおかしい…。  とっても痛いのに……ンっ……すごくドキドキしてるぅ…」 「ボクのせいだね…ごめんよ…」  豊かな両の乳房を揉み上げると、アクアが心地よさげな吐息を漏らした。  ついで乳首をキツく摘まみ、乳房が円錐に変形するまで引っ張る。 「はんッ!」  吐息を呑み込み、アクアの瞼がギュッと閉じられた。  そのまま火照った耳たぶを責め舐めると、アクアは上り詰めるような喘ぎを漏らす。 「あっ、あっ、あっ…」  再び、両の乳房をいたわるように揉み上げる。 「ハァァ…」  アクアは苦痛から解放され、安堵ともつかない溜め息を震わせた。 // {{ref_image evAqua_h.jpg,アクアの入り江}} //-- //  切ない吐息、苦痛の喘ぎ、安堵の溜め息…。  いたわりの愛撫、苦痛の愛撫…。  アクアの身体は敏感に反応し、発する美声は肉棒の顎を撫でる。  まるで女体という、精巧な楽器のようだ。  ハンス(仮名)はアクアへの愛撫を繰り返し、美声を絞り出すことにしばし虜となった。  荒い吐息のアクアが、ハンス(仮名)の手首を掴み止める。 「ハンス(仮名)は……なんでやさしく…してくれるの……?」  アクアは澄んだ瞳を伏せ、か細く囁いた。 「ボクはやさしくなんかないよ。  こうやって、アクアを苦しめているんだもん」  アクアの体から染みだす、赤い媚薬に舌を這わせる。 「んくっ…そ、そんな……ハンス(仮名)は…わるくなんか…ない……。  …王子さまは…こんなこと、し…してくれませんでした……」  喘ぎ、喘ぎの息で、アクアがいう。 「……こんな、気持ちのいいこと…」  アクアは身体をハンス(仮名)に向かい合わせ、とろんとした目で見つめた。  ついでハンス(仮名)の頬を両手で包みこむと、紅色の舌を突き出し、鞭でできた傷に注意深くそれをつけた。  ズキンとした痛みが、ハンス(仮名)の呼吸を止める。  そして生暖かい舌が傷を辿ると、軽い痛みがゾクゾクっと背筋を震わせ、アクアの舌が離れると、ホッと溜め息が漏れるような安堵感が湧いた。  なるほど…確かに、妙に気持ちが昂る…。  ハンス(仮名)は震える吐息を漏らし、アクアは静かに瞳を閉じていた。 「首輪を……外して…」 //  ガンスの贈り物と、捨てられてからも、大切に身につけていた革バンドの首輪。  その意味も知らず、アクアの心を拘束していた、隷属の証。 //-- 「いいの…?」  アクアがコクンと頷く。  ハンス(仮名)は首輪の留め具を外しながら、ひどくドキドキとした。  着衣をつけないアクアが、唯一の身につけているものだからだろうか…?  まるで女の下着を外してる気分だ。  アクアの首輪を取り去ると、ハンス(仮名)は現れた白く細い喉、美しい胸元に目を奪われた。  そしてアクアから目を離さず、躊躇いもなく、首輪を海に放り投げる。  首輪は静かな水音を立てて海に没し、その音を聞いたアクアは、蕾が開くようにゆっくりと瞼を開いた。 // {{ref_image evAqua.jpg,アクアの入り江}} //-- 「…わたしの正銘は……{{ruby "紫陽","しよう"}}です」 「紫陽…?」  アクアは微笑み、コクリと頷いた。 「うつろいやすい紫色の花。  色や形がうつろいでも、それはあなたを楽しませるため。  わたしの心は、あなたのためにあるの」 //  アクアの澄んだ瞳が、囁く。 //-- 「王子さまのは、痛くてツライだけ…。  でもあなたのは、……痛いけどやさしいの」  アクアは、くすっと微笑った。 「変よね、わたし。  …あなたに……とっても…痛くして欲しい…そんな風に思うの…」  アクアの指先が、ハンス(仮名)の胸板を辿る。  そして股間に辿り着くと、肉棒に細い指を絡め、ゆっくりと摩り出した。  その強請るような手つきに、思わず溜め息が漏れ出る。 // 「ハンス(仮名)のおちんぽ、すごく硬くなってる…」 //  ガンスに仕込まれたものか、とても処女とは思えない馴れた手つきだ。  とても処女とは思えないそれは、ガンスに仕込まれたものだろうか…?  ムラムラとした欲望と嫉妬心を、ひどく掻き立てられる。 「ボクも変なんだ。  アクアにやさしくしてあげたいのに、痛くしてあげたいんだ……」  シャツを脱ぎながら、アクアの唇を求める。  アクアも欲望を隠すことなく、ハンス(仮名)の唇を激しく求めた。  ふたりは互いの唇を、甘噛みよりも強く噛み合い、滲み出る痛みと倒錯の快感を共有する。  そうしてる間もアクアは肉棒を摩り続け、ハンス(仮名)もそれに応えてアクアの乳房をイジメ続けた。 「ハンス(仮名)…月光石は…?」 「うん…あるよ…」  傍らのバッグに手を伸ばし、香炉と月光石を手触りで取り出す。  一時もアクアへの愛撫を止めたくなかったが、まだりりんのように手慣れたことはできない。  仕方なく唇を離すと、もどかしい気持ちで、りりんに教えてもらった通りに、香炉へ月光石をくべた。  月光石がぼうっと光、辺りを月明かりほどに照らし。  藍色の闇に、アクアの白い足が浮かび上がる。 「綺麗だね、アクアの足…」  アクアは太股をぴったりとつけ、恥ずかしげに手で股間を隠していた。 「もっとよく見せてよ、アクア…」  膝頭を撫でながらいうと、アクアは困ったように赤くなった。 「は、恥ずかしいわ…」  裸の胸はそうでなくとも、下半身を見られるのはとても恥ずかしいらしい。  奇妙な感性にクスリとすると、ハンス(仮名)はアクアに微笑んだ。 「それじゃ、海を見ているといいよ」 「海…?」  アクアは星明りの海に目を向けると、しばし戸惑い、こちらに背中を向けた。  そしてうつ伏せになると、丸い尻を高くあげた。  それが恥ずかしい“おねだりポーズ”と、アクアは知っているのだろうか?  アクアのズレた感性に、またクスリとした。  藍色の闇に浮かぶ、満月のような白い尻。  アクアの尻はプリンとまん丸で、大きいというより、肉付きがよかった。  尻肉を揉み分け、窄まった菊門、その下の性器をじっくりと観察する。  割れ目はすでにパックリと開き、太股に伝った愛液を月光石の灯が光らせていた。 「アクアのおまんこ、はしたないことになってるね」  割れ目を指で開くも、陰になってよく見えない。  月光石の香炉を引き寄せると、その光をテラテラ、紅色の秘肉が妖しく反射した。 //  闇に照らされる割れ目と紅色の秘肉。  その光景は、尻を向けたアクアのポーズと相まって、ひどく淫靡で、とても興奮を覚える。 //-- 「やっぱり、恥ずかしい…」  アクアは海を見つめたまま、居心地わるげに身じろぎした。 「でも、興奮するでしょ?」 「……ええ…とっても、ドキドキしてる…んくっ!」  中指を膣に指し入れると、ちゅぷっとその口は、愛液のヨダレを溢れさせて銜えこんだ。  アクアの中はとても熱く、愛液が充満している。  中指を出し入れすると、こぼれ落ちた滴が砂浜に点を作った。 「…はしたないよ…アクア…。  お漏らししたみたいに、お汁が溢れてくるよ…」 「……そんな…ハンス(仮名)が…うんっ!」  人指し指を加え、二本の指でアクアの膣内を弄る。  引っ掻くように掻き回す、少し乱暴な弄り方ではあるが、アクアは心地よさげな吐息を漏らす。  そして時折、指先が壁のようなものに触れると、かすかな呻きを漏らした。 「…いたい………でも、イヤじゃありません……」 「もっとシて欲しい…?」 「……」  アクアは恥じ入っているのか、ただ吐息だけを漏らす。 「どうシて欲しいの? 紫陽…?」  正銘を囁き、背中の傷を舐めると、彼女はビクンっと背をのけぞらせた。 「……シ、シて…おまんこの中、ぃ、イジくり回して…ハぅっ…」  その求めに応じ、ハンス(仮名)は二本の指で膣内を弄り、愛液を掻きだした。 // {{ref_image evAqua_h2.jpg,アクアの入り江}} //--  アクアは出し入れを繰り返す度に、性器から愛液を溢れさせ、処女の壁を触れると、その度にビクンっと身体を震わせる。  そして、イジわるく指を止めると、恥じ入りながら愛撫を強請った。 「…あ…気持ちイイ…もっと、シて…シてください…。  …おまんこが…気持ちイイんですぅ…」  しばらくすると、股の下の砂浜は、愛液を吸ってちょっとしたシミを作っていた。 「…ぉ…おねがいです…。  う…疼くの……おまんこの奥が……じんじん…熱いの……」  真っ赤になって恥じ入り、その尻をサカッた猫のように、はしたなく揺らす。 「シて欲しいの?」  恥ずかしげに、アクアがうなずいた。 「…いいの? 痛いよ、きっと」 「痛くて……イイ……。  …やさしく…いたくして……お願い…」  赤くなった頬、潤んだ瞳を流し向けて、アクアは懇願した。  ハンス(仮名)にはそんなアクアが、とても可愛く思えた。 「うん。ボクもしたい。アクア…」  ハンス(仮名)が頷くと、アクアは丸く柔らかい尻をいっそう高くした。  “鋼鉄の処女”が紅色の口から、意地汚い涎を漏らしている…。  ハンス(仮名)の肉棒は、収まりどころを欲して、しばしそれを見つめていた。  肉棒に手を添えて近づけると、暖かい恥肉が鬼頭にキスをした。 「は、ぅん……」  漏れでた歌姫の溜め息に、ハンス(仮名)の下脳がくすぐられる。  堪らず一気に差し入れると、グッと拒む抵抗感に出会った。 「イッ!」  アクアの顔が処女の抵抗に歪み、ハンス(仮名)も感じたそれは、筆先よりも腰に響いた。  “鋼鉄の処女”は今だ健在、肉眼で確認、といったところか…。 (ピアスのヤツ、人ごとだと思ってぇ…)  “鋼鉄の処女”は魔力を使った、一種の封印。  アクアはまだ、封印を解くほど、自分のことを欲していないのだろうか…?  そう思うと、少し寂しい…。  ふとアクアを見ると、不安げな瞳を向けていた。  そしてそこから大粒の涙が、ポロリとこぼれた。 「大丈夫? アクア?」  処女の痛みは自分以上だろう。  怖じ気づいたとしても、仕方がない。  しかし彼女の言葉は、逆のものだった。 「…いたいけど……。  ハンス(仮名)が入ってくると…しあわせなの…」  むくむくと熱く、固くなる思い。 「ボクも…いたいけど、気持ちいい…」 「ハンス(仮名)も?  それじゃ、わたしたち、同じ気持ちなのね。  ひとつの気持ちを、ふたりで感じてるのね…」  アクアがそう呟くと、半ば入ったままの肉棒が、吸い込まれるような気がした。  ハンス(仮名)は、アクアに覆い被さるようにして、両手を彼女の脇についた。 「ボクの腕を掴んで。  痛かったら、ギュッと握っていいから」 「うん…」  アクアは頷くと、片手をハンス(仮名)の腕に添えた。 「いくよ…」 「うん…」  さきほどの抵抗を思うと、腰が引けるようにも感じたが、ハンス(仮名)は意を決して、ゆっくりと腰を動かした。 「う、……」  鋼鉄の壁に当たると、アクアが腕を力いっぱい握る。  そのまま我慢してアクアにのしかかるようにすると、プツっと突き破った感覚が鬼頭にした。  勢い肉棒がアクアの奥に届き、頭が真っ白になるほどの強い快感に襲われた。 「きゃぅんッ!」  アクアの悲鳴のような声を聞いたような気がした。  ハンス(仮名)は腰の動きを止め、吐息をつくと、しばしアクアのぬくもりに浸った。 「……動いて…だいじょうぶ…だから…」  絶え絶えの息から、アクアがいう。 「うん…」  さきほどの強烈な快感はなんだったのだろう…。  紋章を委譲される時のとはちがう、味わったことのない感覚だった。  ハンス(仮名)はゆっくりと腰を動かしはじめ、すぐにソレがわかった。  膣の奥にザラザラというか、そんな感じのトコがあり、それが鬼頭部にとても心地よい刺激をもたらすのだ。  堪らずハンス(仮名)の腰が、早く、力強くなる。 「…アぅ、……んクぅ……」  アクアが呻くような声を漏らし、強く腕を掴む。 「アクア…、いたい…?  ご、ごめんよ……でも…。  す、すごくイイんだ、アクアの……」  ズブっ! じゅぶっ! ジュプ!!  愛液を掻きだす水音が繰り返され、奥のザラザラを求めて、肉棒が膣内を行き交う。 「い、イイの…わたしも……。  あなたがイイから…わたしも、イイの…」  アクアの爪が腕に食い込む。  その痛みは、ハンス(仮名)のものであり、同時にアクアのものでもあった。 「…あン……い、…いたい……く、くぅん……」  腰の動きに合わせ、歌姫が可愛い声で啼き始める。  その声は甘く、堪える痛みを、切なく欲しているかのようだ。 「イイの……い、イイの……。  …奥に…おまんこの奥に、あ、あたって……ぃ、いたいけど…あン!」  アクアの爪間から、ハンス(仮名)の血が滲む。  それはアクアが感じている、肉棒の力強さ、快感の強さだ。  ハンス(仮名)もまた、共有する痛みに興奮を感じ、息を荒らげて、傷ついた背中を舐める。 「…あン……ああン……い、い、……いン!」  体中がとても熱かった。  アクアの内から湧きだす熱、膣内に充満する愛液の熱で、行き交う肉棒から溶かされる気がする。  もっと、もっと…、と愛液は湧き出し、ヌルヌルした膣壁とザラザラの奥をもとめ、突き動かされる衝動のままにひたすら腰を動かした。  ゾワゾワした射精感を感じると、突然、それは解き放たれた。 「イ!」  脈動を起こして熱い精液が放たれると、アクアの体が硬直し、背筋がピンと延ばされた。  抽迭をやめた肉棒は、幾度も脈動を繰り返し、アクアの奥へと精液を放つ。  そして背中の紋章が光り、ハンス(仮名)の背へ委譲されると、辺りは静かなさざ波と荒い吐息だけの空間になった。 !■ハンス(仮名)とアクアは抱き合い、体温を確かめ合いながら、さざ波を聞いていた。 // {{ref_image ad_island02_c_my.jpg,pic}} //-- 「ハンス(仮名)ッ!!」  静寂を破って、ガンスの怒声が響いた。  どこをどう走り回ったのであろうか…。  ドロだらけ、すり傷だらけ。乱れた髪には、木の葉や小枝がささっていた。 「き、貴様、よ、よくも…」  プルプル、怒り震えるガンスは、興奮しきって言葉がうまく出てこないようである。 「お、おまえもだ、アクアッ!!  僕を好いたとかいいながら、な、なんだこれはッ?!」  男の裏返った声というのは、なんとも見苦しいものだな…。  などと、耳に指を突っ込んで、ハンス(仮名)は思った。 「王子さま、わたしはもう、痛いのはイヤです」  燐とした声を発したのは、アクアであった。 // {{ref_image aqua_n_h.jpg,アクアの入り江}} //-- 「ハンス(仮名)さまは痛いけど、とてもやさしく、気持ちヨクしてくださいました。 //  わたしはもう、ハンス(仮名)さまのモノです」  わたしはもう、ハンス(仮名)さまのモノ。  ハンス(仮名)さまが、わたしの王子さまです」 //--  アクアの言葉に、ガンスは硬直した。  言葉を捻り出そうと、口をパクパク、空いたり、閉じたり…。  そして突然、大きな声で笑いだした。 「ハッハッハッハーッ!  ハンス(仮名)、姫さまがこのことを知ったら、どう思うだろうな〜?  愉快だな、ハンス(仮名)〜!!  まあ、姫さまのことは、このガンスに任せてもらおうか。  ハッハッハッハーッ!」  一気にまくし立てると、白々しく笑いながら、ガンスは背を向けた。 「……コイツをなんとかしろ、ハンス(仮名)」 「ウウッ……」 //  飛び猫が唸ったまま、ガンスの背中にぶら下がっていた…。  飛び猫が牙を突きたてたまま唸り、ガンスの背中にぶら下がっていた…。 //--  ハンス(仮名)は自分の背中に、戦慄を感じた。 「と、飛び猫、もういいんじゃない?」  飛び猫・ニーヤがパッと離れ。 「サッサッと消えなさいよ!  まだ噛みつかれたいの、この寝取られ男ッ!!」  と、ガンスのケツを蹴り上げた。 「あうっ!」  情けない声をあげると、堪らずガンスは走り出した。 「お、覚えてろよ〜」  定番の台詞は忘れないものの、笑いながら去る余裕はないらしい。  ガンスの姿が藍色の闇に消えると、ハンス(仮名)は腕の中のアクアを見た。 「いいの? アクア?」 // {{ref_image aqua_n_smail_up.jpg,アクアの入り江}} //-- 「いいんです…わたしがいいのだから。  ハンス(仮名)さまも、いいでしょ?」  アクアは、はにかんで微笑み。  デレっとするハンス(仮名)は、背中に殺気を感じた。 「いいわねぇ〜、ハンス(仮名)。  モテモテじゃない〜♪」  飛び猫が鞭を打ち鳴らし、ニヤッと笑うと、鋭い牙が妖しく光った。 //{{counter2 mer03Count}}