!!!ピアスの告白 {{category 本編,人魚解放同盟のピアス,nolink}} !■ハンス(仮名)は繋がりを解くと、驚きにみまわれた。 {{ref_image ps_afh.jpg}}  ピアスの太股へこぼれ出た白濁に、ピンク色のものが混じっていたからである。  激しくしすぎて、膣壁を傷つけてしまったのだろうか…。  もうひとつの可能性もあるが…いや、まさか…ピアスがそんな……。  問いかけの目を向けると、ピアスは顔を背けたまま答えた。 {{ref_image ps_afh_f.jpg}} 「初めてよ、もちろん。  いけない?」  やはり、破瓜の血であったか…。  そうと知っていれば、あんなに乱暴にはシなかったろうに…。  ハンス(仮名)は少しばかり、申し訳なく思った。 「いけなくは、ないけど……。  ボクから紋章を取ろうなんて、よく思ったね」  ピアスは半身を起こすと、膝を崩したままで、ハンス(仮名)に向かい合った。 「取れるなんて、思ってないわよ、もちろん。  だって、名前覚えたなんて、ウソだもの」  シレッというピアスに、ハンス(仮名)は目が眩んだように思えた。 「え? 今、なんていったの?」 「ウソだっていったの!  あんな長ったらしい名前、あたしが覚えられるわけないじゃない」 「じゃ、なんで…」 「そうでもいわなきゃ、あんた、こんなことシてくれないでしょ?  ていうか、それでもシてくれる気、なかったでしょ?」 「うん…まぁ……」 「だから、“うつぼ=かずら”のお芝居までしたのよ」 「へ? え? お芝居?!」 「そ。痺れ毒なんて大ウソ!  あんたはマンマとダマされたのっ!」  ポカンと口を開けるしかない。 「うふふ〜。迫真の演技だったでしょ〜?  でも、催淫剤だけはホント。  じゃなきゃ恥ずかしくて、人前でオナニーなんてできないわ」  ピアスはニコニコしながら、ハンス(仮名)のほっぺたをチョンっとつっついた。 「じゃ、じゃ、あの小瓶は?  このラベルは?」  例の小瓶を手にして見ると、ラベルは「毒消し」となっていた。  そう。戸棚から取り出した時と同じである。  ピアスはキツネにツマまれたようなハンス(仮名)から、小瓶を摘まみ取った。  そしてイタズラっぽい目で、両の手の平に包んでから、小瓶のラベルをハンス(仮名)に見せた。  それは再び、「催淫剤」に変わっていた。 「うふふ! おもしろいでしょ?  手で温めると「催淫剤」にラベルが変わるの。  戸棚にあったのは、どっちも催淫剤ってワケ」  “してやったり”と微笑む彼女に、ハンス(仮名)はクラクラした。  かわいらしい女狐に、怒る気さえしない。 // 「でも、あんなに苦しいとは、さすがに計算外だったわ。  あんたってば、なかなかシてくれないんだもの。  用意した合い鍵も使わないし……。  こ〜んな美女が、恥ずかしいコトして見せて、必死に誘ってるのにサ。  もーほー趣味か、インポなのか…ホンキで心配しちゃったわよ?」 //-- 「それと、悶え死ぬんじゃないかって?」 「ま〜ね〜」  ピアスは溜め息をひとつついた。 「あたしより、あの猫の方が魅力ある?  やっぱり、姫さまの方がいいの?」  ハンス(仮名)はなんとも返事に詰まった。  ニーヤのことを笑っていいものか、正直に胸の内を明かしたものか…。  そんな正直なハンス(仮名)を見て、ピアスはクスリとした。 「ウソつき呼ばわりしたのは謝るわ。ゴメン。  でも、“抱いて”なんてかわいらしい台詞、あたしに似合うと思う?」 「“ちんぽ勃てろ”って、のしかかる方が似合ってるね」  ピアスのそういう場面を想像して、ハンス(仮名)はクスリとした。 「論外。  それじゃ、男どもがやってることと、変わんないじゃない」  ツンと、ピアスはハンス(仮名)の胸に指を立てた。  そこには、委譲されたばかりの紋章があった。 // 「最初はホントに、奪い取るつもりだったのよ。  でも……、なんか、そんなのどうでもよくなっちゃったわ。  なんでだろ…」 //--  紋章の下の乳首を、ほっそりした指先が撫で転がす。  いじらしく、切なげな愛撫。  ハンス(仮名)は吐息とも溜め息ともつかないものを漏らした。  ピアスが少女のように口を尖らす。 「たまにはご飯、食べにきてよね…」  ハンス(仮名)は自然と頷いていた。 「うん。  だけど、……今度は毒ヌキだよ?」 「大丈夫。  シたくなったら、あんたの料理に混ぜるから」 !■外へ出ると、憮然とした飛び猫が待っていた。 {{ref_image lo_houseB01_c.jpg,pic}} 「鍵、返すよ。……ごめん」  ハンス(仮名)が合い鍵を出しても、飛び猫・ニーヤはそれを受け取らなかった。 「でもわかってよ。  これは、ボクのプライドがかかってたんだ」 「そんなの、どうだっていいじゃないの!!」 //  小さな体いっぱいに張り上げた声。  ニーヤの怒りはわからないでもない。 //-- 「ボクは、“姫さまの好きな人はウソつきだ”なんて人にいわれたくないんだ」 「姫さまはアンタのことなんか、なんとも思ってないわよ」 「それでもいいよ。  ボクは、好きな人には正直でいたい。  好きな人に、ウソつきだなんていわれたくない。  だから戸棚の合い鍵でなく、ニーヤの鍵が必要だったんだ」  そういわれてニーヤは、少しトーンを下げた。 「いいじゃないのさ。  ウソつきよばわりされたって…。  ひ、姫さまだって、怒んないわよ」 「そんなことしたら、今までのことだって、これからのことだって、みんなウソになっちゃうよ。  それじゃ、信じてくれた人たちがかわいそうだよ」 「……聞いてたわよ。  あの女のウソだったんでしょ?」  バツわるげに、ハンス(仮名)は頬を掻いた。 「ならなんでそういわないの?  あんな淫乱尻軽女、庇うことないじゃない!」 「いいすぎだよ。  ピアス、はじめてだっもの」 //  これにはニーヤも目を丸くした。  このことは知らなかったらしい。 //-- 「それに庇うつもりはないけど、責める気にはなれないよ」  ニーヤは再び、眉を険しくした。 「だから、自分の胸の中にしまっておくの?  そうやって、なんでもかんでもしょいこむつもり?  ゴミ箱みたいに、汚いものでもなんでも飲み込んじゃうつもりなの?」 「ボクは脳天気な極楽トンボだから、なにいわれても気にしないよ」 「またウソつく。  ウソつきって言われると怒るくせに。  あたしはパートナーなのよ?!  グチのひとつぐらい、コボしてくれたって、いいんじゃないの?!」 「……うん。  こんどから、そうする」 「わ、わかればいいのよ、わかれば。  …あたしも、ハンス(仮名)を追いつめるようなこと、いったし……」  ニーヤはニーヤで、後悔をしていたらしい。  きっと尻すぼみの言葉は、ニーヤなりの謝罪なのだろう。  ハンス(仮名)は翼のある猫が、急に愛おしくなり、そっとその小さな頭を撫でた。 「て」  ニーヤは、ポツリとそれだけ。 「テ?」 「手、見せなさいよ。  薬ぐらい、塗ったげるから…」 //  爪で作った引っ掻き傷のことをいってるのだろう。  ニーヤが作った、引っ掻き傷のことをいってるのだろう。  ハンス(仮名)が素直に手を差し出すと、ニーヤは耳を垂れてそこにある傷を舐めた。  瞬間、自分の行為に、ニーヤはハッと赤くなった。  反射的にしろ、相手の傷を舐めるなど、キスにも等しい行為である。 「くふふっ。  催淫剤はやめてよね?」  ニタニタ意地悪く笑うと、その顔に、げしッと飛び猫の蹴りが炸裂した。 「なんでアンタはいつもそうなのヨッ!」 //{{counter2 mer03Count}}