!!!りりんと妹 {{category 本編,人魚解放同盟のピアス,nolink}} !■再びハンス(仮名)は、娼館に忍び込んでいた。 {{ref_image house01_c.jpg,pic}}  今度こそ、貞操帯の合い鍵を作ろうというのである。 「くふふっ! しめしめ…」  首尾よく鍵を見つけると、ハンス(仮名)はほくそ笑まずにはいられなかった。  そして粘土で型を取ると、鍵を元の位置に戻し、あとは娼館から抜け出すだけ。 「抜き足…差し足…」  壁に身をくっつけ、注意深く廊下を進むと、なにやらりりんの話し声が聞こえてきた。  ちょうど差しかかった部屋の中にいるらしい…。  そうなると、盗み聞きしたくなるのが人情である。  ハンス(仮名)はカップを取り出すと、それをドアにつけて聞き耳を立てた…。 「まだそんなこといってるの?」 「当たり前じゃない。  あたしの夢は、母さまの夢だもの」 //  りりんの話し相手の声、どこかで聞いたような……。  言い争っている、二人の雰囲気…。  りりんの相手の声は、どこかで聞いたような……。 //-- 「母さまのことはもう忘れなさい、紅玉ッ!」 「その名前で呼ばないでッ!  誰かに聞かれでもしたら、どうするつもり?」  ひそめた声でたしなめられると、りりんは尾が垂れた犬のように声を落とした。 「……ごめんなさい」  そして、しばしの沈黙…。 「聞きたいことは聞いたから。  今日はこれで帰るわ、姉さん…」 (姉さん…?!)  そうすると中にいるのは、りりんの妹なのだろうか…?  と、逃げる間もなく、勢い良くドアが開いた。 「イッ!」  ハンス(仮名)はドアと壁に挟まれ、堪らず漏れ出る痛みを必死で堪える。  ドアを挟んで足音が聞こえ、ついで早足の後ろ姿が見えた。  その髪色と背格好は、ピアスのもの…。 (それじゃ、ピアスとりりんは姉妹…?) //  痛みも忘れ、誰もいなくなった廊下をただ見ていた。 //  挟まれた痛みが引いてゆき、誰もいなくなった廊下をただ見ていた。  挟まれた痛みが引いてゆく…。 //-- 「……ハンス(仮名)」  挟んでいたドアはなく、りりんが問いたげな目を向けていた…。 // 「ね、ねぇ、お風呂、お風呂。 //  もうかゆくて死にそうだよ」 「ね、ねぇっ! お風呂っ!  お風呂、まだ大丈夫だよね?  なんか、急に洗ってもらいたくなっちゃってさっ!!  もうかゆくて死にそうなんだ〜」 //--  先手を打ったつもりだが、それでゴマかせたとは思えない…。 !■りりんは無言のまま、ハンス(仮名)の体を洗っていた。 // {{include_html htmlPIC,"!りりん洗い"}} {{ref_image ni_bathA01_a.jpg,pic}} // 「……」  げに恐ろしきはりりんの沈黙…。  黙ったままおちんぽを摩られるのが、こんなにも恐ろしいこととは、思ってもみなかったのである。  ハンス(仮名)は戦々恐々。妙な汗ばかりが浮かんでくる。 //  さりとて互いに無言のままでは、自分から白状しているようなもの。 「ね、ねぇ、りりん?  互いに紋章を持ってて、しかも正銘を知ってる同士がえっちすると、紋章はどっちに移るのかな?」 「さぁ…さきにイッた方じゃない?  わたしには経験がないから、わからないわ」 「ふ〜ん。  りりんにも、経験がないことがあるんだね〜」 「……ピアスと同じことを聞くのね」 「え? そ、そうなの?」 「わたしたちの話し、聞いてたんでしょ?」 「き、聞いてない、聞いてない」 「そう。ならいいけど……」 //  りりんはそういうと、諦めたような吐息をひとつついた。  りりんはそういうと、胸の谷間のおちんぽを見て、吐息をひとつついた。 //-- {{include_html htmlPIC,"!りりんパイズリ"}} 「ハンス(仮名)のコレ、今日は一段と逞しいのね…」 「そ、そう?  きっとりりんのおっぱいが、気持ちいいからだよ」 「うふふ。ありがと」  いつもの微笑をりりんが浮かべると、ハンス(仮名)は心の中でホッと一息ついた。 「ねぇ、……舐めて、いい?」  ルージュを引いた艶やかな唇を、桃色の舌先が舌なめずり…。 「う、うん」 「舐めるわね…」 「うん…」 「聞いちゃった…?」 「うん……。  ――て、ズルイよぉ、りりんッ!」 「ふふッ。ごめんなさい。  後でゆっくり、埋め合わせしてあげるから。  許して。ネ?」 「もう…」  やはり、りりんは一枚上手である。 「聞かれたなら仕方がないわ」  りりんは小さく肩をすくめた。 「あなたが聞いたとおり、ピアスはわたしの妹。  れっきとした人魚よ。  月光石のイヤリングで、人の姿を保っているけどね…」  そういうとりりんは、しばしの沈黙。  そして躊躇いがちに呟いた。 「できればあの子の紋章は、……そっとしておいて欲しい…」 「なんで?」 // 「あの子の紋章は、母さまの形見だから…」 「母さまの形見だから…」 //--  りりんの言葉が消え入ると、それ以上のことは聞きづらく思えた。 (いつか、りりんから話してくれるかな…?)  そこまでの関係でないことが、ハンス(仮名)には少しだけ切なかった。 「……ごめんよ、りりん。  別に盗み聞きしようとしてたわけじゃないんだ。  たまたま通りがかって、その……怒ってる?」 「ううん。聞かれるような処で話してたのがわるいんだもの。  ただね…」  ニッコリとした微笑を、ハンス(仮名)に向ける。 「ウソをつかれるのは、キライなの」  そういうとりりんは、ギュッと握った。 「ぎぃああああぁぁぁぁぁッ!  痛きもちいいいぃぃぃぃぃぃッ!」  はたして、りりんが握ったものはなんであったのか…?  それは諸兄のご想像にお任せするのである。  さて。  もうひとつの気になるモノ。  貞操帯の合い鍵であるが…。  こちらは飛び猫・ニーヤに勘づかれ、試す間もなく、アッサリ取り上げられてしまったのである。  もちろん、爪と牙の、いた〜い報酬があったのは、いうまでもない。 //{{counter2 mer03Count}}