!!!はじめての裸エプロン {{ref_image "20.jpg"}} 「あたし、シャワーしてくる」  机から下りる美代ちゃんに、ボクは手を貸した。  少しヨロめいた美代ちゃんに、ボクはちょっと心配になった。 「じゃ、ボクも…」 「鈴代くんのえっちぃ!」  シャツを着た美代ちゃんは、にっこりした笑顔をボクに向けた。 「タマには、ゆっくり身体を洗いたいの」  そういうと美代ちゃんは、ゆっくり教室を出ていった。  ボクはいたたまれない気持ちのまま、美代ちゃんの後ろ姿を見送ってた。  そんなボクの肩を、誰かが叩いた。 「鈴代、ヤラないか?」  小田先生がヤラしい目で笑ってた…。  ボクは返事をする気も起きなくて、美代ちゃんの後を追って教室を出た。  すぐに美代ちゃんを見つけたけど、その後ろ姿は女子トイレに消えた。  その場で待つのも気まずいから、ボクは先にシャワー室の前で待つことにした。  でも、美代ちゃんはいっこうに現れなくて…。  ボクは男子用シャワー室でシャワーを浴びながら、ひとり、ため息をついた。  美代ちゃん、やっぱり怒っちゃったのかな…。  うん。そうだね…。  あんな乱暴なヤり方、しちゃったから…。  早川さんを見ながら、ヤッてたから…。  美代ちゃんと仲良くなるために、参加したのに…。  なんでいつもこうなんだろ…。  うまくいってるときにかぎって、いつもツマずくんだ…。  シャワー室を出て、少し待ってたけど、美代ちゃんはやっぱり現れない。  女子のシャワー室にも、人の気配はないみたい。  窓の外はもう、昼近い日差し。  もしかしたら、食堂へいったのかもしれない。  少し早いけど、食堂で待ってようか。  そう思って、ボクは食堂へ向かったんだ。  食堂では、何人かの生徒が配膳をしていた。  ボクは適当な場所に座ると、見るともなしに、そんな女の子たちを眺めていた。  行き交う女の子たちはみんな、裸に割烹着の姿。  前から見ると不自然さはないけど、後ろからみると、かわいいお尻が丸出し…。  白い割烹着から、まん丸のお尻がひょっこり顔を出してる。  なんか、…すごくエッチだね。  ムラムラ〜と沸き立つものを感じると、ボクはハッと俯いちゃった。  ボクって、ヘンタイなのかな…。  全裸姿より、なんか、ドキドキしてるみたい…。 「うっひょ! 裸エプロン〜♪ 萌え萌え〜♪」 「ばっか」  声の方を見ると、清太くんたちだった。  女の子とふざけてる清太くんを見て、ボクはホッとした。  うん。そうだよね。  ボク、ヘンタイじゃないんだ。 「お。鈴代じゃん〜」  清太くんがボクを見つけ、隣に座ってきた。 「おまえもアレか? 裸エプロン党か?」 「あはは…」  なんか、党員にされちゃった…。  苦笑するボクの後ろを女の子が通り、清太くんはさも当たり前みたいに手を延ばした。 「いい尻してんな、丸川〜」 「ひゃっ!」  いきなりお尻を撫でられ、女の子はびっくり。 「いきなり触んないでよ!  配膳してるのに、あぶないでしょ!」 「え〜、踊り子さんには触らないでください〜」  半村くんが、ワルノリではしゃぐ。  プンっと、その女の子は行ってしまった。  険悪って感じじゃないけど、さすがにわるい気がする…。 「配膳の邪魔しちゃわるいよ…」  たしなめるボクに、清太くんは無邪気な笑顔。 「いいから、鈴代もやってみろよ。  “ひゃっ”なんて、かわいい声だったろ〜」  そ、そりゃ、かわいかったけど…。 「いいか? スカートめくりみたいにすんだぞ?  こう…自然に手を延ばして…」 「ひゃんっ! もう、なにすんのよっ!!」 「へっへっへ〜♪」  ボクのたしなめもなんのその。  清太くんは、ホントに楽しそう。  ボクはなんだか、ため息がでちゃうよ…。  食堂勝負の一件で、ボクは清太くん達・ワルガキ連の仲間入りになった。  仲間入りはうれしいけど…ボクまで、女子にニラまれちゃう…。 「ねぇ、佐々木さん、知らない?」  割烹着の女の子が、テーブルに来て聞いてきた。  いつも清太くんとふざけあってる、ポニーテールの女の子だ。 「山田とどっかいったぜ。  いまごろ仲良くシてるんじゃね?」 「川村さんも見当たらないし…。  もう…配膳おわんない…」  清太くんから返事を聞くと、女の子は溜め息まじりにグチった。  見回してみると、たしかに割烹着の配膳係は少ない。  佐々木さんと山田くんみたいに、シたくなっちゃったんだろうね。 「あんたたち、手伝ってよ」  ポニーテールの子が頼むと、清太くんたちはウンザリな声をあげた。 「え〜〜〜っ。  オレたち、昨日やったんだぜ〜〜」  配膳係は持ち回りになってるんだ。  だから、不平をいうのもムリないね。  ボクはたしか、今晩だったけかな?  女の子は鼻に皺を寄せると、ボクの方に弱った顔を向けた。 「じゃ、鈴代くん! おねがいっ!  このままじゃ、いつまでたっても配膳おわんないからっ!!」  ポニーテールの子は、ホントに困ってそう。  手まで合わせてるよ。 「うん。いいよ」  快い返事を聞くと、ポニーテールの子はパッと顔を輝かせた。 「ホント?!」 「ボクもお腹すいてるし」  清太くんたちと一緒にいたら、ボクまで女子にニラまれちゃうしね。清太くんにはわるいけど。 「さっすが、鈴代くん、頼りになるぅ〜」  なんか、語尾にハートマークがついてそう。  裸に割烹着。  男の子だと、……マヌケだよ…。  裾の丈が足りなくて、前が隠れきれない。  裾はおちんぽにコスれるし、捲くってよけると、半勃起のおちんぽがコンニチワしちゃう…。 「うえ〜。鈴代、萌えねぇ〜」 「あっちいけ、変態エプロン仮面〜」  なんて、ボクの割烹着姿に、清太くんたちがブーイング。  からかってるのがわかるから、ボクも苦笑い。 「かわいいお尻、みっ〜け〜♪」 「ひゃんっ!」  いきなり後ろからお尻を撫で上げられて、ボクは女の子みたいな悲鳴をあげちゃった…。 「せ、せんせい?」  後ろをみると、小田先生がニッコリ笑顔で立っていた。 「鈴代の悲鳴、きゃわいい〜♪  女の子みたい〜ん♪」  クネクネする小田先生に、ボクはなんていったらいいかわからず、つい両手でお尻を守っちゃう。  撫でられて困る女の子の気持ちが、ちょっとわかった気がする…。 「ん〜。その仕種もイイねぇ〜♪  お尻隠して、前がピョコンッ!」  割烹着の裾から、ピョコ勃ちのおちんぽが顔を出し、丸見えになってた。  ハッとボクは、片手で割烹着の裾で前を隠した。  頬が真っ赤なのが自分でもわかって、思わず先生を、ジト〜と上目遣いで見ちゃう。 「ニヒヒ。かわいいなぁ〜もう〜♪」  小田先生、そのヤラしい目はやめてよぅ…。 「せんせいのショタコン〜」  清太くんがヤジを飛ばすと、小田先生はムッとした顔に一変した。 「ん〜? またどこで覚えたの、そんな言葉〜」 「体育の時間〜、先生からです〜」 「うそおっしゃい。あとで全裸で校庭十週っ!」 「えぇ〜〜」  いつも冗談に聞こえるけど…。  小田先生、なんか、目がマジだよ…? 「あんなえっち、はじめて見たぜ」  配膳が終わってテーブルに戻ろうすると、清太くんたちの話し声が聞こえた。  清太くんが仲間のみんなに、コウイン教室の話しをしてるみたい。  そういえば、清太くんもあの教室にいたんだっけ。 「でよ。教室中、唖然を通り越しててよ、なんか、みんな鼻息荒く、ヒートアップしてんの。  さすが第六性魔大王だぜ〜」  またヘンなアダ名がついてるし…。  ていうか、ランクアップしてない?  それに第六って……他にも五人いるのかな…?  小田先生、立花先生、……ゆり先生も、なのかな?  そんなことを思って、ボクがテーブルにつくと、それに気がついたオヤジくんが話しかけてきた。 「オラも見てたゾ、鈴代〜」 「あれ? オヤジくんもいたんだ」  見かけた覚えないけど…。 「んにゃ。オラは覗いてた。  あそこには秘密のノゾキ穴があるんだ」 「そんなトコから覗かなくても…」 「穴から覗くのが、醍醐味なんだ」 「犯罪だぞ…オヤジ…」  ゴローくんがポツリと突っ込んだ。 「鈴代と佐藤 美代って、いつもあんなんシてるのか?」  清太くんが目を爛々とさせて聞いてきた。  ボクは重いため息しか出なかった…。 「なんだ、元気ねぇなぁ…。  さすがに激しすぎたか〜?」 「清太くんもわかるよ…やってみれば…」 「そこまで消耗するとなると…迷っちまうなぁ…」  清太くんが腕組みし、オヤジくんがボクの肩をポンっと叩いた。 「スープ飲んで元気だぜ。  ホラ、ググッと…」  皿ごと差し出されると、飲まないワケにはいかないよね。 「う゛〜っ…ヘンなあじぃ……」  スープは当たり前のごとく、ヘンな味だった…。  うん。そうだね。もう馴れ始めてるよ…。おかわりもしたし…。  そんなスープをいっぱい飲んだせいか。  仲間のみんなと関係ないおしゃべりをしたせいか。  重かった気も、ちょっと紛れたみたい。  だけど結局、食堂に美代ちゃんは現れず、早川さんの姿もなかった。 *[[◆はじめてのホテル|萌え小説 21]]へつづく… {{include hatu20・コメ}} {{category 本編,本文,nolink}}