!!!はじめての夜 「おい。鈴代…おきろよ」  誰かが、ボクを揺すっていた…。 「おいったら…」  えーと…なんだっけ…そうそう…清太くんだよ…この声…。 「うん…ちょっと待って…」 // 「だめだ、コリャ」  ……。 「んと…なに? …清太くん…?」  身を起こすと、周りには誰もいない、まっくら闇。  あれ…?  いま、たしかに清太くんが、ボクを起こそうとしてたよね…? 「ねぇ、清太く…」  隣の布団に手を伸ばすと、そこはもぬけの殻だった。  反対側もそう。  周りで寝ていた清太くんたちは、みんないなくなってた。  トイレにでもいったのかな…みんな?  なんて思った矢先…。  寝ぼけた耳に、男の子と女の子の声が聞こえてきて…。  夜目に馴れた目に、えっちしてる男の子と女の子の姿がみえた。  周りの様子を伺うと、あちらこちらで、真っ最中みたいな囁きが聞こえる…。  なんだか、えっちしてないのはボクだけみたい。  “夜は寝る時間”なんていわれても、結局みんな、えっちしちゃうんだね。  うん。そうみたいだね。  清太くんたちも、起きないボクを置いて、誰かのトコでえっちしてるんだろうね。  もう。なんでボクって、寝起きがわるいんだろ…。  朝起きるときも「もうちょっと…」って目を瞑って、30分すぎてたなんてことがザラなんだ。  清太くんたちに、わるいことしたね…。 「うひょ〜」  あ。清太くんの声だ。  暗がりを見回すと、一点だけ、小さいけど灯の場所があった。 「ペンライトってすげぇなぁ…」 「うむ。文明の象徴だ。科学の勝利だ」 「ばっかじゃないの?」  なんて。灯の方から、清太くんたちと女の子の声が聞こえてくる。 「暗がりにおまんこだけ、見えるなんて…。  すげぇ、興奮するな…」 「なぁ〜。オラのいうとおりだろ〜」 「こんなネタ、どこで仕入れるんだよ…オヤジ…」 「あれ〜? 濡れてんのか? 澄子〜?」 「もう…あんたら、ホントにばかじゃないの?」  ため息まじりの呆れた、女の子の声。 「ホタルみたいに、おまんこ光らせ、澄子ちゃ〜ん♪  もっと、お股を開いて〜♪」 「踊り子さんに、手を触れないでください、手を触れないでください〜」 「おい、次は恵子の番だぜ?」 「みすずちん、みすずちん〜っ〜」  なにやってるんだろ、みんな…?  ボクもいってみようか?  あ。それよりも、美代ちゃんのとこがいいかな。  でも美代ちゃん、どこで寝てるのかわからないや…。  清太くんたちとの話しに夢中で、どこにいるのか、チェックし忘れてたよ…。  うん。そうだね。後悔はいつもあとからやってくるんだよね…。  いくら目を凝らしても、美代ちゃんらしき姿は見つからないし…。 // “悩みとかあったら、遠慮なくきてね?”  ゆり先生、たしか、そういってたよね…。  相談しにいってみようか…。早川さんとのこと…。 //--  と。見回していたボクは、早川さんの姿を見つけた。  体育館の出口が細く開いていて、そこから差し込んだ月明かりが、プロポーションのいい身体を闇の中で白く照らしてた。  やっぱりキレイだなぁ…。  なんとも幻想的な美しさに見とれて、思わずおちんぽがピョコンっしちゃった…。  早川さんはボクが見とれているすきに、そのまま、体育館の外へ出ていった。  トイレかな…? “たぶん…今晩あたり、くるんじゃないかな…”  立花先生との会話を思い出し、ボクはなんだか、チクッとした。  夜の校舎って不気味だね。  消灯前にはついてた蛍光灯も、いまは消されちゃってて、廊下は非常灯のみ。  昼間の雑音もなく、静まり返って、物音ひとつしない。  ちょっとだけコワイ…かな…アハハ…。  でも、こんな感じのトコ歩くのなんて、はじめてだね。  オバケ屋敷も、怖くて入ったことないし。  ボクはちょっと“ひとりぼっち”だったことを感謝していた。  だって、学校には必ずあるでしょ?  “七不思議”とか“こわいウワサ”とか。  友達がいなかったから、そのテの話しはボク、知らないんだ。  タマにはいいこともあるね…。  うん…。そうだね。ちょっと、もの悲しいね…。  今度、清太くんに聞いてみようか。  聞いたらもう、夜の校舎なんて歩けなくなりそうだけど。  そんなことを思いながら、ボクは宿直室へ足早に歩いてた。  うん。そうなんだ。  体育館から出て行く早川さんが気になって、少ししてから後を追いかけたんだ。  早川さんの姿は、とっくになくなってたけど。  立花先生のところだとしたら、宿直室だろうと見当はついてた。 //  とっくに早川さんはいなかったけど、立花先生のところだとしたら、宿直室だろうと見当はついてた。  だって小田先生が、“先生たちは、宿直室にいるから”っていってたからね。  案の定、宿直室には明かりが灯ってた。  ボクはすぐには中へ入らず、廊下側の窓から、中の様子を伺ってみることにした。 //  宿直室の中では、小田先生とゆり先生が、何人かの男の子たちに囲まれてえっちしていた。 「寝ない子は、眠くなるまでオシオキよ。  ホラ、もっときばんなさいっ!」  小田先生が自分のお尻の方を向いて、繋がっている男の子に檄を飛ばしてた。 「オレ…もうつかれて、ねむいよ…」 「こらっ! 女の子におちんぽいれて、眠いなんてサイテーよっ!!」  なんか、春子お姉さんみたいなこといってるね。 「ほらっ、もっと腰動かしてっ!  そんな動きじゃ満足できなくて、いつまでも眠くならないわよ!」  “眠くなるまで”って、“先生たちが”ってことなんだね…。  ゆり先生はといえば、男の子ふたりを後ろから抱えるみたいにして、ふたつのおちんぽを摩っていた。 「先生、もっとみんなの悩みを聞きたいな?」 「ハァハァ…せんせい…もう悩みでません…」 「あら。そうなの…?  でも、おちんぽさん、まだ悩んでて、寝てくれないみたいよ?」 「あ、あぅぅ…せんせい…」 「うふふっ。若いものね〜」  傍の床には何人か、駅伝を走りきったみたいな男の子が、仰向けに倒れてた。  それでも先生たちには、疲れも見えない。  なんだか、長い夜になりそうな雰囲気…。  うん。そうだね。  きっとあれが、“オトナの余裕”なんだね…。 //--  小田先生とゆり先生はいたけど、立花先生はいないみたい。  もちろん、早川さんの姿もなかった。  宿直室はココ一室だけなんだけど…立花先生、どこにいるんだろ?  もしかしたら、美術室なのかな…? //  ボクはちょっと歩きづらさを感じつつ、美術室へ向かった。  ボクは美術室へ足を向けた。  ちょっと歩きづらさを感じたのは、ゆり先生たちのせいだね。  でもボクは、早川さんと立花先生を見つけて、どうする気なんだろ…。  いくら気になるといっても、覗きとか盗み聞きとかはよくないしね。  そりゃ、美代ちゃんと一回したけどさ…。 //  うん、さっきもしたけど…。 //-- //  アレとは話がちがうよ。  でも、そーゆーのは偶然だもの。話がちがうよ。  …うん。正直に話すよ。  早川さんが出ていったあと、ボクは布団を被って、寝ることにしたんだ。  美代ちゃんが寝ている場所はわかんないし。  身体は昼間の疲れでクタクタだったしね。  でも早川さんと立花先生が気になって、なんか、あのチクチクが納まらないんだ。  寝ようと思っても、チクチク、チクチク…。  それでボクは布団を蹴飛ばすみたいにして、体育館から外へ出てみたんだ。  体育館の外は、中の桃色の喧騒は聞こえなくて、月明かりだけの静かな世界。  ボクはその場に腰を下ろして、頬づえついて。  ホッとため息ついたら、なんか気づいちゃった。  早川さんは、立花先生を好きなんじゃないかな…って。  立花先生は“フラれた”って笑ってたけど…。  それじゃ、早川さんからなんで会いに行くのか?  理由がわからないよね?  だから、“早川さんは立花先生が好き”。  そして、“早川さんは立花先生とえっちしにいった”。  ボクはチクンとして、ソワソワして、何度も校舎に目を向けて。 //  なぜだか、無性に知りたくなってきたんだ。  なぜだか、無性に確かめたくなってきたんだ。  “早川さんと立花先生のカンケイ”が。  それがわかればスッキリして、チクチクもなくなると思ったんだ。  でも、コレって、ストーカーじゃないかな?  廊下の角から美術室の方を覗き込み、ふとそんなことを思った。  でも、自分の仮説を確認したいし…。  考えてみたら、他人をこんなに知りたいって思うのは、はじめてかもしれないね。  美代ちゃんへは、ちょっとなかったよね。  ただ話しがしたいとか、話すキッカケとか、アガらずに話す方法とか、そんなことばかり考えてた。  う、うん。そうだね。えっちな妄想も、ちょっとだけした…ちょっとだけ…。  そ、それはそれとして。  早川さんへは、“知りたい”って気持ちが、なんか、大きいんだ。  好奇心を掻き立てられるっていうか…。  ほら、アレだよ。ヤジウマ根性?  だから好きとはちがう気持ちだね。  なんて、いいわけめいた逡巡をしてたら、美術準備室の前まできちゃった。  どうしようか…。  引き返すなら、いまのうちだよね…。  なんて迷ってたら、ドアの向こうからなにか聞こえてきて、ボクの耳はドアにくっついちゃった。 「せんせいのウソつき……」  早川さんの声だ。 「…気持ちよくしてあげれば……好きになってくれるって、……」  かすかに聞こえてた声は、それっきり沈黙しちゃった。 // //  う〜…。もう…なんでボクってこうなんだろ…。 //  結局、ボクは自分の中のヤジウマを、抑えられなかったんだよ。 //  注意深く、美術準備室のドアを開けて、細いスキマから中を覗いてしまったんだ。 //--  う〜…。気になるぅ…。  でもドアを開けたら、さすがにバレちゃうだろうし…。  ボクは壁の下端に風通しの戸板を見つけると、すぐに床に這いつくばってた。  うまいことに、戸板には細いスキマがあって、そこから中が覗けそうだった。  う〜…。もう…なんでボクってこうなんだろ…。  結局ボクは、自分の中のヤジウマを抑えられなかったんだ。  美術準備室の中は薄暗かった。  電球のスタンドが一灯だけ点いてる、って状況みたい。 //  覗き見る隙間に、裸の早川さんを見つけた。  覗き見る隙間に、腰に手を当てた、裸の早川さんを見つけた。  オレンジ色の照明に浮かぶ、その裸体に、ボクは思わず生唾を飲み込んじゃった。  全裸の早川さんは、足に白いニーソックスだけを履いていた。  レース飾りのついたそのニーソックスは、長い足をかわいく引き立て、少女っぽい気品を醸していた。  それなのに、全裸にニーソックスという姿のためか、なんだか背徳的な印象があった。 //  少女っぽさと堪らないエロティシズムは、ボクの心臓をドキドキさせた。  少女っぽさと堪らないエロティシズムは、覗き見てることもあって、ボクの胸をとてもドキドキさせた。  そんな魅惑的な裸を前に、立花先生はイスに座って、穏やかに早川さんを見ていた。  両手を後ろにした先生の姿は、食堂勝負のボクとブータを思わせた。 「なんとかいったらどう…?」 「……」 「ロリコン・ショタホモのバイセクシャル教師」  早川さんの毒舌が、美術室の沈黙を穢した。 「足りなければ、マゾもくわえてあげるわよ。  変態せんせい?」  早川さんは微笑むと、片足で先生の股間を踏みつけた。 「……」  立花先生はそれでも姿勢を崩さず、グッと堪えていた。 「うふふ。ビンビンね、せんせい。  火傷しそうなくらい熱くして、鋼鉄みたいに硬くしてる…」  早川さんは微笑のまま、器用に足で、先生の股間を摩りあげる。 「あたしにおちんぽ踏まれて、コーフンしてるんだ…?  好きだったもんね。  ニーソの足に踏まれるの…」 「………」  さすがの先生も、吐息のようなものを漏らさずにはいられなかったみたい。  だけど先生は沈黙を守りつづけ、早川さんの顔を見つめていた。 「うふっ。どうやってイキたい…?  このまま足コキがいい? フェラにする?  それとも、キンシンソーカンでイキたい?  ねぇ、お兄ちゃん?」  お兄ちゃんって…。  早川さん、たしかにいったよね? お兄ちゃん…って…。  早川さんと立花先生って、兄妹なの…?! 「……」 「あたし、いっぱい、気持ちヨクしてあげる。  だから慰めてよ…お兄ちゃん…」  早川さんは、摩りあげてた足を先生の股間から離し、それを先生の股の上にのせた。  だけど今度は、踏みつけるのが目的じゃないみたい。 //  早川さんはつるんとした割れ目で先生を挑発し、甘えるみたいな猫撫で声をだした。  早川さんはつるんとした割れ目で先生を挑発し、甘ったるい猫撫で声をだした。 「ねぇ、お兄ちゃん…?  おまんこ、舐めてよ…」 「……」 「あたしのおまんこ、気持ちヨクして…」 「それは、好きってことかな?  それとも、嫌いってことかな?」  立花先生の問いに、早川さんの顔から微笑が消えた。 「だ、誰もそんなこといってないでしょっ!」 「そうだね…」  立花先生は、フッと落胆したみたいな吐息を漏らした。 「でも。  言葉にしないと、伝わらない気持ちもあるんじゃないかな…?」  グッと早川さんは言葉に詰まると、先生に平手打ちした。  パンッと乾いた音が、静まった廊下に木霊した。 「……」 「……」 「こ、これで嫌いってわかったでしょっ!  この変態性欲インポ教師っ!  アンタみたいなヤツは、鯉のクチでフェラしてもらえばいいのよっ!!」  鯉のクチ…。  水槽でパクパク、息をする鯉の口を、ボクは連想した。  ……立花先生、魚ともシちゃうのかな…?  そんなことを思ってたら、早川さんの足がこちらを向いた。  やば。こっちにくる。 //  ボクは慌ててドアから離れ、辺りに目を走らせた。  ボクは慌てて立ち上がると、周囲に目を走らせた。  隣の教室のドアが開いたままだ。  ボクは咄嗟にそこへ逃げ込んだ。  それと同時くらいに、美術室のドアが開いた音がして、早川さんはボクが隠れている前を通りすぎていった。  逃げ出すような足音が、廊下を遠のいていく…。  泣いてた…のかな?  一瞬見えたシルエットの横顔に、ボクは光るものが見えた気がした…。  ボクが体育館へ戻ると。  そこはウソみたいに寝静まってた。  ボクは暗闇を注意深く進んで、空の布団に転がった。  自分の布団じゃないかもしれないけど。  ていうか、まっくら闇じゃ、自分の布団はわからないよ。  空いてる布団に寝るしかないよね?  ちなみに、布団に苦労はしなかったよ。  男子はみんな女子側で、一緒の布団で寝てるみたい。  だから体育館の男子側は、空の布団ばっかりだった。  こんなことなら、布団の数は半分でいいんじゃないのかな…?  そうやってボクは寝っころがって、宇宙より暗い、体育館の天井を見つめていた。  そっか。  やっぱり早川さんは、立花先生のことが好きなんだね…。  でも、兄妹だから、言い出せないのかな…?  えっちはしてても、好きっていえないのか…。  体験教室なんだから、“好き”とは別に、えっちしてもいいんだろうけど…。  なんか、ヘン…。  “好き”と“キライ”は反対の言葉。  “キライ”ならえっちしない。  “好きじゃなくても”、えっちする。  じゃ、“好き”のときは、どうすればいいんだろうね…?  うん。早川さんに、“リクツ屋のガリベン”っていわれちゃうね。  ベーッて、かわいい舌を出されちゃうね…。  よくわからないよ。オコチャマなボクには…。  でも、ひとつだけはっきりしたよね。  早川さんが好きなのは、立花先生……ズキンっ!  う〜…。チクチクはなくなったけど…なに、このズキンは〜……。  ボク、潰瘍持ちなのかなぁ…もう…。 *[[◆二日目 〜はじめてのハーレム?|萌え小説 17]]へつづく… {{include hatu16・コメ}} {{category 本編,本文,nolink}}