!!!はじめての対決・後編 「ク、クソォ〜〜〜〜ッ!!」  って、物凄い悔しそうな怒声で、ボクは気を取り戻した。  床には白い水滴みたいのが、ちょっとした溜まりを作ってた。  ボクのかな?  よく飛んだなぁ〜、なんて思って、タイルの直線を辿ったら…。  息を荒らげたブータが、真っ赤な顔で、早川さんを睨んでた。 「ズ、ズルイぞぉ〜!  森山の方が、ウ、ウマイの知ってて…」 「だったら、なんでさっきいわなかったの?」  ペロッと、早川さんは指についてる自分のお汁を舐めた。 「うっ」 「それに、気持ちヨカったんでしょ?  ならいいじゃないっ!」  ニッコリ、太陽みたいな笑顔。  ブータはもう口をパクパクさせるだけで、涙がジンワリ溜まってた。 「う〜…森山ぁ〜…」  ブータは涙目の情けない顔を森山さんに向けた。  森山さんはそんなブータに、ニッコリ、微笑む。 「うん。シよ?」  と。森山さんはブータの肩を撫でなで、食堂から連れ出していった。  ん〜。なんだかわからないけど、勝ったみたいだね…。  どーでもいーことだけど。  うん。そうなんだ。  ボクはもう、勝負なんてどーでもよくて、身を寄せてる美代ちゃんのことだけしか頭になかったんだ。  美代ちゃんは潤んだ瞳で、ひたすらボクを見つめてて、またボクのおちんぽを摩ってくれてた。  “生殺し”と“待った”の苦しさも、だんだんに癒えてきていて…ていうか、ヤル気を回復してきて、早く美代ちゃんと繋がりたかった。  たぶん、美代ちゃんもそう。  だから自然と、ふたりで唇を近づけてた。 「鈴代くん、シよ」  燐とした声が、ボクと美代ちゃんの間に割り込んだ。  穏やかだけど、冷たい目。  早川さんが、美代ちゃんを見つめてた。  ボクはなんとなく、猫が威嚇する時の目を思い出してた。 「あ、あたし……」  美代ちゃんの口から、続く言葉が消えた。  そして、なんだか腰が抜けたみたいな感じで、食堂から出ていった。 「美代ちゃん…っ…!」  ボクはすぐに美代ちゃんを追おうとした。  けれど、両手は後ろ手に縛られてるし、股間は限界までおっきくなってるし――。  なにより早川さんの言葉が、ボクの足を止めさせた。 「ぷふっ。両手に花ね。  負けた方がよかったみたい」 「…………」  ボクは憮然と、早川さんの方に向いた。  食堂の中は、どこもかしこも、えっちしている子ばかりだった。  たぶん、ボクとブータの勝負にアテられちゃったんだろうね…。  ボクたちを誰ひとりと気にせず、夢中でえっちに没頭してるみたいだった。  そしてその中心のテーブルに、早川さんは腰掛けたまま、自分の性器をイジくるともなしに、イジっていた。 「鈴代くん、スゴイのね…。  美代ちゃん、イッちゃって、腰抜けてたわよ?」  なにがおもしろいのか、早川さんはニコッとした。 「おちんぽ摩って、愛撫してただけなのにね」  人懐っこい笑顔は、厭味にしか見えない。 「ウフフ。この穴、鈴代くんのモノね…。  ねぇ、早く入れて?」  指で割れ目を拡げられたおまんこは、ぽっかり、中への入り口まで開けてた…。  イキリ勃ったままのボクのおちんぽは、入りたがってウズウズしてる…。  だけど、おちんぽばかりじゃない。  ボク自身、ゴクンと喉を鳴らしちゃってた。 「い、いいよ。えっちシない…」  そりゃ、えっちしたい衝動は強かったけど…。  最初から最後まで早川さんに振り回されて…。ボクはひとつぐらい、なにか仕返しがしたかった。 「鈴代くん、勝ったんだよ?  あたしとシたくて、がんばったんでしょ?」 「も、もともと、ボクの勝負じゃないもの。  勝ったのは、…早川さんだよ」 「じゃ、あたしに賞品ちょうだいよ」  早川さん、ちょっとムッとしたみたい。  鼻に皺をよせて、口を尖らせてる。  そんな顔もかわいいと思うけど…じゃなくて、ゴマかれないけどっ! 「ボ、ボクはモノじゃないもの。  “賞品”だなんてヤダよっ!」  つい強い口調でいったら、ボクのエンジンがかかっちゃった。 「それに、さんざん楽しんだでしょ?  ブータやボクや美代ちゃんや森山さんや…。  みんなをその手の平で転がしてっ!」 「……ぷっ!」  ボクは本気で怒ったのに、早川さんは吹き出して、大きな声で笑いだした。 「アハハッ! なにソレっ?!  全部、あたしのせい?!  気持ちヨガッてた、ク・セに〜♪ 正義感強いのね〜♪」  う。そ、そりゃ、大本を辿れば、ブータが絡んできたことが原因だけど…。  ボクもおちんぽ腫らしたままで、大きな口きけないかもしれないけど…。 「ねぇ、鈴代くん…?」  早川さんは両膝を抱えた。 「ホントにあたしと、えっちしたくないの…?」  そっぽを向いた顔は、いまにも泣きだしそうなくらい哀しそう。  うん…。ちょっと、言いすぎた…かな…。 「はじめてのとき、覚えてる…?  気持ち、よかった…?」 「お、覚えてるもなにも…」  今日のことだし…。  あんな気持ちよかったコト、…イヤでも身体が思い出しちゃう。  でも、なんでそんなこと持ち出すんだろ…? 「ねぇ、見て、ホラ」  ツラれて見た先は、抱えられた膝の下…。  合わさってた脛は開かれ、白い太股と太股の間に、拡げられたおまんこがあった。  その早川さんのおまんこは、だらしなく口を開けて、はしたなくお汁のヨダレを垂らしてた…。 「あたしのおまんこ、鈴代くんのおちんぽを、待ってるのよ…。  すごく気持ちヨクしてあげたいって…」  ボクは、おちんぽがギンッと硬くなるのを感じて、ギュッと目を瞑った。 「シ、しない。したくないっ!」  早川さん、ウソ泣きしてたんだ…。  ボクはすごくショックだった。  だって早川さんは、ボクにやさしくえっちの仕方を教えてくれて、明るくみんなを楽しませてくれて、それで…それで……こんな騙し方…ひどいよ……。 「…………」 「…………ぐすっ」 「ほぅら、鈴代く〜ん♪  さよちゃんのおまんこでちゅよ〜♪  おちんぽ、チュプ、チュプ、一緒に遊びましょ〜♪」 「早川さん、いい加減にっ――」  って、そこまでいって、ボクはギョッと、なにもかも引っ込んじゃった。  だって瞑ってた目を開けたら、早川さんが間近にいて、顎の先をボクに向けてたんだもん。 「アンタが、そんな莫迦だと思わなかったっ!」  ば、莫迦って…。  なんでそーゆー結論になるんだろ…? 「思ってたとおりのリクツ屋で、イイ子ちゃんの泣き虫ガリベンっ!」  ベーッと、早川さんは舌を出した。  う、うん。かわいかったよね…。でも、そんなのはあとあとのコト。  このときはもう、なにが始まったのか、皆目理解不能だったんだ。 「ガリベンならガリベンらしく、牛乳ビンの底みたいなメガネして、算数の教科書みてハァハァしてなさいよっ! ヘンタイっ!」  ヘ、ヘンタイ?! 「あーもうっ! なんでこーなんだろっ!  四角四面の甲斐性ナシばっかっ!  ニンゲンはねっ、感情で動くのっ!  アンタみたいなロボットニンゲンモドキは、フロッピーの穴にちんぽいれて歓んでればいいのよっ! へんたいたーれんっ!!」 「ふ、ふろっぴー…??」  マシンガンのようにまくし立てられ、混乱したボクは頭がまっしろ。  なんにも、言葉が浮かばない。  うん。ボクは腕っぷしだけじゃなく、口先もてんでダメなんだ…。  ボクはただ、スタスタと出口へ向かう早川さんを見送ってた。  食堂のドアで、早川さんは振り向き。 「あんたとはもう、えっちしてあげないっ!!」  ベーッてして、廊下へ消えてしまった。  ボクはもうなにがなんだか…。  なんで涙が溜まってるのかも、忘れちゃってた。 *[[◆はじめてのフロッピー|萌え小説 13]]へつづく… {{include hatu12.8・コメ}} {{category 本編,本文,nolink}}