!!!はじめてのスープ  あれから体育館へ戻ったけど、佐藤さんの姿は見つけられなかった。  どこか別のところにいるのかな…。  早川さんも、お姉さんもいない。  アテもなく校舎を歩いて捜す気も起きなくて、ボクは壁に背をつけて体育座りした。  そしたらすぐにお昼のチャイムが鳴って、ぼくはノロノロと食堂へ向かうことにした。  食堂にはもう何人かいて、めいめい仲良し同士かたまって、楽しそうに食事をしていた。 //  配膳は係の子がしていてくれたから、座ればすぐに食べられるようになってる。 「はじめくんっ!」  声の方を見ると、春子お姉さんが席に座ってた。 「いっしょに食べよう?」  ボクは頷いて返事をすると、お姉さんの向かいの席に座った。  春子お姉さんは、体操着を着ていた。  下はたぶん、履いてない。  テーブルで見えないけど、たぶん、そう…。  そう思ったら、おちんぽがピョコンっとしちゃった。 「はじめくん?」 「え?! なに?!」  急に話しかけられて、びっくりした声をだしちゃった。 「このスープ、すごくおいしいわよ?」  そういわれて、ヘンな色のスープをスプーンで掬って口にした。 「う゛っ…ヘンなあじぃ……」 「うふふっ! でしょう〜?」  うう…。春子お姉さん、知っててダマした…。 「ソレ、ゆり先生の特製なのよ」  声を見上げると、早川さんがニッコリして立っていた。 「一緒していい?」 「うん」  ボクが頷くと、早川さんはボクの隣に腰掛けた。  体操着は着てるけど、やっぱり下は、なんにも履いてない…。  ボクはふたりの視線を感じた気がして、慌てて口を開いた。 「あ。えと、この人は…」 「中等部のお手伝いって、春子さんたったのねっ!」  紹介しようと思ったら、早川さんがお姉さんに話しかけた。  なんだ。ふたりとも知り合いだったんだ…。 「鞘子ちゃんも参加だったのね。  ふたりは仲がいいの?」  ボクが答えるより先に、早川さんが答える。 「今日、はじめて、えっちした仲。  ねぇ〜」 「う、うん…」  にっこり同意をもとめられたら、頷くしかないよね。  ウソはいってないし。 「そうなんだ。よかったね? はじめくん?」  春子お姉さんが、ニコニコ微笑みかけてくる。  ヘンな誤解してないといいけど…。  ボクは顔が火照るみたいな気がして、スープを口に運んだ。 「う゛〜、やっぱり、マズイ……」 「あははっ!  馴れないウチは、そうかもね」  早川さんが笑って、ボクはまたスープを口に運んでた。  あ。ホントだ。  なんか、あとを引くっていうのかな?  おいしくないって思うのに、自然と口に運んじゃう…。 「この料理はね、全部、ゆり先生が作ってるのよ」 「そうなの。  緑川先生って、すごいのね」  早川さんが教えると、春子お姉さんが感心した。 「お陰で午後も、夜も、元気いっぱいっなのよね〜♪」 「うふふ。あとで教えてもらおうかな」 「ねぇ、春子さんと鈴代くんって、どういう知り合い?」 「家がお隣なの。  ちっちゃいときから仲良しよね?」 「う、うん…」  うそじゃないね…うん…。  ボクは頬が火照って、身体まで火照った気がする…。 「それじゃ、幼なじみで恋人同士…」  ボクは、ブッとスープを吹き出しそうになった。 「…なわけないわよね」 「さあ…どうかしら…?」  春子お姉さんが冗談めかして微笑んだ。 「あ〜。なんか、あやすぃ〜」 「うふふ。早川さんは?  好きな子とかいないの?」 「さあ…どうかしら〜?」 //  なんて、早川さんと春子お姉さんの会話は盛り上がり、ボクはそれを聞きながら、黙って昼食を食べてた。  なんて、早川さんと春子お姉さんの会話は盛り上がり。  ボクはちょっと居心地わるく、黙って昼食を食べてた。 「それじゃ、お先に。またあとでね?」  早川さんが席を立ち。 「はじめくん、またあとで」  春子お姉さんが小さく手を振って、席を後にした。  そしてボクはまだ、スープを口にしていた。  うん…ボク、食べるの遅いんだ…。 *[[はじめてお姉さん|萌え小説 06]]へつづく… {{include hatu05・コメ}} {{category 本編,本文,nolink}}