!!!はじめてのおパンツ {{ref_image "22.jpg"}}  ボクはシャワーを浴びて、体を念入りに洗った。  特におちんぽ。  澄子ちゃんにタップリ、塗り付けられてたからね。  チョコの匂いが心配。  気になって鼻を股間に近づけようとしたけど、背中が痛くなっちゃったよ…。  うん。そうだね。  ボクって、体が固いんだ。  誰かに確かめてもらおうか…?  男子はイヤだから、やっぱり女子に頼むしかないね。 「ね、ねぇ、おちんぽの匂い、嗅いでみて…。  チ、チョコの匂い、する…?」  ヘンタイさんだよ…それじゃ…。  気になるけど、気にしないことにしよう。  うん。そうだね。ヘンな日本語だね。  でも英語でいっても、フランス語でいっても、ヘンに変わりないよね。  中国語なら大丈夫なのかな…?  矛盾ばっかりの国だから、きっとおかしくないだろうね。  そうしてサッパリすると、ボクは体育館に行ってみることにした。  もちろん、美代ちゃんを捜すため。  体育館には何人かの男子女子がいた。  でも、美代ちゃんの姿はなかった。  どこにいるんだろう…美代ちゃん…。  ボクは入ってきた戸口の脇に、ヘタリ込むように座った。  どうしようか…。  校舎を捜してみようか…。  でも美代ちゃんもボクを捜してたら、ココにいた方がいいよね…。  でも…捜してなかったら…?  その理由を考える方が、こわかった。  ボクは思考を閉じるみたいに、ふざけあってる男子と女子を眺めてた。  そういえば…早川さんもいないな…。  ふと気づくと、ボクの隣に人の気配があった。  早川さんが立っていたんだ。 「あとでホテルに来て。  わかんなかったら、清太に聞いて」  早川さんはボクを見ずにそういうと、ボクに背を向けて歩きだした。 「は、早川さん、話しが――」  慌ててボクは立ち上がって、早川さんを引き止めようとした。 「美代ちゃんなら階段のトコ。  早くしないと、いなくなっちゃうわよ」  早川さんの後ろ姿がそういうと、ボクは反射的に戸口の方を見て。  目を戻した時には、早川さんは遠くにいた。  一瞬、ボクは躊躇して、体育館の外へ足を向けた。 “階段のトコ”  どこの階段だろうと思ったけど、そう苦労はしなかった。  体育館からそう離れていない、渡り廊下そばの階段。  そこに美代ちゃんは、人待ちげに立っていた。 「美代ちゃんっ!」 「鈴代くん…」  美代ちゃんはボクを見ると、目をそらすみたいに顔を伏せた。 「捜してたんだ」  ちょっとイキがあがったボクは、荒い息が納まるのを待った。 「あ、あのね…」  美代ちゃんは顔を伏せたまま、おずおずと話しだした。 「鈴代くんの、ちょっと苦しいかな…て」 「……?」  なんの話しだろう…? 「せ、せっかくの体験教室だから、他のおちんぽも試してみたいし…。  す、鈴代くんも、そうでしょ…?  他の人のおまんこに、入れてみたいでしょ?」  えと。なんの話しを、美代ちゃんはしてるんだろ…? 「また今度、えっちしてね?」  にっこりとそういうと。  美代ちゃんは階段をかけ登っていった。  すると上階から男の子の声が聞こえて、美代ちゃんの声とともに遠ざかっていった…。 「……えと…」  残されたボクは、なにが起きたのか、なにを言われたのか、理解できないまま。  その場にただ、立ちすくんでた…。 「いよっ! 巨根・鈴代!」  ボクの背中を、いきおいよく清太くんが叩いた。  そうされてやっと、ボクは自分の身に起きたことが理解できたんだ。 「トイレの神様って、やっぱり女の子なんだね…」 「ハァ?!」  清太くんは目をまん丸くして、素っ頓狂な声をあげた。 「いや…大きいのって、いいことばかりじゃないんだねって話し…」 「ハァ?!」 「ちゃんと説明してみろよ、鈴代」  どっしりした声は大村くん。  どうやら清太くんと一緒に、他のみんなも来てたみたい。 「んと……。  フラれたみたい…ボク…」 「誰に?」 「美代ちゃん…」 「マジ?!」  一斉に驚きの声があがった。 「うん…マジ…みたい…」  そういう自分にも、ぜんぜん実感がなかった。  誰もがなにをいったらいいのか、わからないみたい。 //  しばらくの間、気まずい沈黙だけになった。  悪魔が通りすぎたみたいに、しばらくの間、気まずい沈黙だけになった。 「ちょっと待ってろ、鈴代〜」  そうオヤジくんがいって。  どっかにいって、なんか持って戻ってきた。 「これ、やる。だから元気だせ」  差し出したのは、丸めた白い布だった。  ボクはそれを受け取って、拡げてみると、クマさんのプリント…。 「パ、パンツ?!」 「佐藤 美代のだ。  使ってないから安心しろ」  オヤジくんがそういうと、みんなが口々に口を開いた。 「おまえ、どっから盗ってきたんだよ!」 「更衣室。  鍵かかってるけど、ヒミツの抜け穴があるんだ」 「てか、使ってないって、使う気だったのかよっ!!」 「うむ。  この匂いが、堪らないんだ」 「オヤジ…変態すぎ…」 「みんなもキメてみるか〜?  他の子のもあるぞ〜」  オヤジくんはそういうと、みんなの前に袋をひろげて見せた。  その中には、色とりどりのおパンツ…。  突然、みんなの目の色が変わった。 「お、オレ、恵子のな」 「オレ、みすずのっ!」 「ずりぃっ! みすずちんはオレがもらうんだっ!!」 「みんな変態だな…オラ、恥ずかしいぞ」  ボクも含めて、みんながオヤジくんに振り向いた。 「おまえがいうな、オヤジっ!」 「い、いいか?  みんないっせいに、だぞ?」  清太くんがそういうと、みんなで押し黙ったまま頷いた。  ボクらは円陣を組んで、それぞれ両手にパンツを拡げてた。  さすがに変態行為の自覚があるのか、誰も一番にはなりたくないみたい。  それで、一斉に、っていうことになったんだ。 「せぇ、のっ!」  清太くんの声がかかると、顔を洗うみたいにして、みんな一斉にパンツへ顔を埋めた…。  ボクの顔を柔らかい布の感触が包んだ。  ほんのり、美代ちゃんの匂いがしてくる…。  その匂いは、美代ちゃんを思い起こさせ…。  美代ちゃんが恋しくて、えっちしたくて、哀しくなっちゃう…。  もうさせてもらえないのかな…。  でも…。  “タマにえっちしてね?”っていってたよね…。  じゃ、フラれたんじゃないのかな…?  うん…。そうだね…。  女の子って、よくわかんないや。 「ど、どうだ?」  清太くんの声は、まだパンツに埋もれてた。  他のみんなも、まだパンツに顔を埋めてるみたい。 「な、なんか…ドキドキ…?」 「ムラムラだな…恵子とシたくて、堪ンなくなってきた…」 「み、みすずちんの匂いだ〜…ハァ…しあわせ…」 「だろ〜」 「オヤジ…オレ、ちょっと尊敬した…」  でも…。  考えてみたら…。  ボクたち、直立で円陣くんで、一斉にパンツに顔を埋めてるワケで…。 「オレたち、マヌケじゃね?」  ゴローくんがみんなの気持ちを代弁した。 「……いうな…」  そのあと、みんなは小田先生のトコに行くって、ボクと別れた。  なんだかんだいって、みんな、小田先生が好きなんだね。  ボクは苦手だけど。  ボクも誘われたけど、遠慮した。 「鈴代がいれば、今度こそイカせられると思ってたんだけどなぁ〜」  なんて、みんなは残念がってたけどね。  フラれたことがショックで、そんな気が起きなかったんだ。 「あ。そうだ、鈴代」  別れ際、清太くんが思い出したようにいってきた。 「ブータに気をつけろ。  なんか、妙な動きがあるって、タレこみがあったんだ」 「妙な動き?」 「よくわからねぇけど。  おまえ、一番、恨みを買ってるからな。  なんかあったら、オレたちにいえよ?」 「うん。ありがとう」 「元気だせよっ!」  って、ポンっと背中を叩かれた。  うん。そうだね。  仲間って、やっぱりいいもんだね。  笑いあって、助け合って、慰め合って。  いつかみんなにも、そうしてあげたいね。 *[[◆はじめての個人授業|萌え小説 23]]へつづく… {{include hatu22・コメ}} {{category 本編,本文,nolink}}