!!!インターミッション {{category インターミッション,白イルカの瑠歌,nolink}} !■ハンス(仮名)は館の庭で、溜め息をついていた。 // {{ref_image no_yard02a_a.jpg,pic}} //--  人魚姫が会ってくれない…。  もーほー茸の一件が片づいてからというもの、固く玉室の扉を閉ざしたままなのである。  もちろん、ギルドの者やメイドたちには扉を開く。  開かないのは、ハンス(仮名)にだけ。  封印の寝顔さえも見せてくれない。  まるでハンス(仮名)を避けているかのようである…。 「なんか、気に障ること…したかなぁ…」  心当たりがいっぱいありすぎる下半身なのであるが、それが主人公の{{ruby "運命","さだめ"}}なのであるからして。  いいかげん、人魚姫にも諦めてほしいものである。 「アンタのせいじゃないわよ」  溜め息をつくハンス(仮名)の隣に、飛び猫・ニーヤが足を降ろした。 「じゃ…なんで会ってくれないの…?」 「それはその……。  わかんないけど、アンタのことを怒ってるワケじゃないわ。  それは保証してあげる」 「ふうん…」  気のない返事で、ハンス(仮名)は池の水面に視線を落とした。  そして無言のまま、漂う枯葉を見つめ、ただ溜め息をつくばかり。  見ている者まで切なくなる。 「ハンス(仮名)…そんなに、姫さまに会いたい…?」 「うん…会いたい…」 「ねぇ? 姫さまのどこが、そんなに好きなの…?」 「どこが…って…」  ニーヤは小首を傾げ、ハンス(仮名)の瞳をじっと見つめていた。 「ニーヤ…もしかして…」 「……」 「…発情期なの?」 {{size 5,"「ハァァ?!」"}} 「キミの気持ちはありがたいけど、でも、ボクは人間でキミは猫なワケで…。  いや、種族を超えた愛は美しいかもしれないけど、それは幻想という名のエデンの東なワケで…ね? わかるでしょ?」 {{size 5,"「わかるか、下半身ボケッ!!」"}} !■りりんに体を洗われ、ハンス(仮名)は泡だらけとなっていた。 // {{include_html htmlPIC,"!りりんパイズリ"}} //-- 「なにか気に障ること…したのかなぁ…」  人魚姫が会ってくれない…。  ハンス(仮名)はりりんに、悩みを打ち明けてみた。 「エチケット違反じゃなかったの?  他の女の子の話しは?」 「あ。ごめん…」 「うふふ。いいのよ」  りりんは、実姉のような微笑を浮かべた。  ハンス(仮名)からいいだすなど、よほど気にしているのだろう。 「ニーヤはなんていってるの?」 「気にするなって。ボクのせいじゃないから」 「そう。なら…いいことかもね…」 「いいこと?」 「ん〜。でもわるいコトかも…」 「え? え? それどういうこと?!  わるいコトって?!」  慌てるハンス(仮名)に、りりんはクスクスと笑った。 「うふふ。あたしが、ヤキモチ妬くから」 「へ?」 「こんな風にね…」  そういうとりりんは、股間を扱きながら、ハンス(仮名)の尻に指を滑らせた。 「あ、あ、そ、そんなトコ…あはん〜〜」 「うふふっ!  元気になったみたいね♪」 「う、うん…たまにやって」 !■ハンス(仮名)は空を見上げていた… // {{ref_image no_yard02a_a.jpg,pic}} {{ref_image BG00a1_80.jpg,pic}} //--  人魚姫が会ってくれない…。  出てくるのは溜め息ばかりである…。 「だ〜れだ?」  手を取られると、ほのかに柔らかい感触。  相手を見るまでもなくわかる。 「おっぱいのちっちゃいスフィア」 // {{ref_image sf_maid_nico.jpg,スフィアのアルバム}} //-- 「んもうっ! ハンス(仮名)ったら、えっちぃ〜♪」  スフィアは頬を抑えて、照れ笑い。  いつもならしかりつけるトコロであるが。  いまのハンス(仮名)は、溜め息しかでない。 「スフィアはいつも元気だね…」 「ハンス(仮名)はなんか、元気ないね?」 「姫さまは…元気?」  聞かれてスフィアは、顎に指をあてて雲を見上げた。 「ん〜、ずっと眠ってるけど…。  起きるとハンス(仮名)みたいに、溜め息ばっかりかも」 (あ〜…やっぱりボク、なんかしたんだ〜…)  ハンス(仮名)は頭を抱えた。 //  そんなハンス(仮名)に、スフィアは甘えるように抱きついた。  そして走馬灯のように記憶を巡らせていると、ふんわりとした感触に包まれた。  スフィアが甘えるように、抱きついていたのである。 「ねぇ、ハンス(仮名)?  また海に行こうよ」 「海?」  スフィアはニッコリと、ひまわりのような笑顔を作った。 「うん! 前に行ったでしょ?  みんなで海水浴!  今度は姫さまも誘って! ね?」  それをきっかけに人魚姫と仲直り。  いいアイデアかもしれない。 「海水浴か…」  しかし人魚姫には、そこまでの自由はない。 「残念だけど、姫さまは無理だろうね…」 「え〜。姫さま、かわいそう…。  海で泳ぐの、すっごく気持ちいいのに…」  幼いスフィアは、しょんぼりと肩を落とした。  まるで朝顔が萎んだようである。  人魚姫も、海で自由に泳ぎたいであろう…。  スフィアの様子は、人魚姫の気持ちを代弁してるようにも思われた。 「う〜ん…紋章が集まったら…行ける、かも…」  紋章と故国復興資金。  いくら偏屈な爺さんでも、それなら海水浴くらい許可してくれるであろう。 「それじゃ、約束!」  スフィアが小指を差し出す。 「紋章が集まったら、みんなで海水浴行くの。  姫さまに知らせたら、きっと喜ぶよ?」  スフィアのいうとおりかもしれない。  溜め息ばかりついていても、人魚姫の笑顔を作れはしない。 「うん。ありがとう、スフィア!」  スフィアと小指を結ぶと、ハンス(仮名)は元気が涌いてくるのであった。 //{{counter2 mer03Count}}