!!!インターミッション(人魚解放同盟のピアス) {{category 本編,人魚解放同盟のピアス,インターミッション,nolink}} !■人魚姫は微笑んでいた。 {{ref_image hime_niko.jpg}}  “封印の眠り”から目覚めたばかりで、なにやら機嫌もよろしい。  ひさしぶりに言葉を交わせ、ハンス(仮名)は運のよさを天に感謝していた。 「怪我は…もうよろしいのですか?」 「た、大した傷じゃないよ。  ちょっと引っ掻かれただけだもん」  包帯を巻いた指をヒラヒラ、ハンス(仮名)は照れ笑いを浮かべた。  ピアスの一件で受けた、飛び猫の傷。  ズキズキはするものの、日頃の怪我からすれば、怪我の内にも入らないのである。 「ニーヤの爪は鋭いですから…」  そういって人魚姫は、包帯の指を両手に包んだ。  姫さまの手はなんとも柔らかく、あったかく。  はにかんだ頬は、春の日差しより心を浮つかせる。  痛みなど、簡単に吹き飛んでしまうのである。  そんないい感じで、桜色の頬を見つめていると…。 「ハンス(仮名)〜♪  包帯を変える時間だよ〜♪」  スフィアが救急箱を持って現れた。  日に何回も変えるほどでもないのに、スフィアは楽しげに何回も変えるのである。  人魚姫とふたりっきりの時間。  ハンス(仮名)にはお邪魔虫のごとく思われたスフィアだが、今回ばかりはグッジョブであった。 // 「わたくしが変えて差し上げますわ。 「わたくしが変えてよろしい?  ううん。やらせてください。ね?」 //--  ニッコリの人魚姫に、スフィアはぷぅっとふくれっ面。  ハンス(仮名)は、スフィアに親指を立てた。  人魚姫はスルスルと包帯を解き、ハンス(仮名)はそれを見守る。  女の子にこんなコトをしてもらえると、男の子は言葉を失い、キュンとしてしまうのである。  しかしただそうしているのも、貴重な時間がちともったいない。  人魚姫が目覚めている時間は、そう長くはないのである。  なにか話題を…と。  ハンス(仮名)は飛び猫がいっていた、人魚姫の得意料理を思い出した。 「か、海草サラダ、今度、食べさせて」  人魚姫は、ポッと恥ずかしげに頬を赤らめた。 「“単なるワカメ”です。  お忘れになってください」 「ま、まだ食べたことないんだ。  “単なるワカメ”って料理。  ほ、ほら、ボクの国は山国だったから」 「でも、ワカメ酒はあるよね!」  意味を知ってか知らずか、スフィアは無邪気にニッコリ。 「ワカメ酒…?」  人魚姫に目を向けられ、ハンス(仮名)はこの上なく慌てた。 「の、の、飲んだことないよっ?! ホントだよ!」 「美味ですの?」 「え、えーと……た、堪んない味…なんだって! あははっ!」 「そう。  それではその“ワカメ酒”、調べて作ってみますわね」  オボコなお姫様はニコリと微笑み、ハンス(仮名)はこの上なく取り乱す。  ワクワクする反面、意味を知った人魚姫にどう思われるのか…。  そら恐ろしく感じるのである。 「む、無理はしなくていいよ?  む、難しいから、調べなくてもいいよ?」 「あなたの疲れを癒すものなら、苦にはなりませんわ」  と。包帯を解く手が、ピタッと止まった。  不思議に、その手元を見ると…。 「ハンス(仮名)LOVE by ピアス」  の文字が包帯に…。 //  しかもご丁寧に、あつ〜い、口紅のキスマーク付である。  しかもご丁寧に、あつ〜いキスマーク付である。 //-- 「うふふ。どうやら、大事なモノのようですね」 //  姫さまの微笑は瞬間冷却、氷の微笑である。  姫さまの微笑は瞬間冷却、ハンス(仮名)の背筋はブルっと震えた。 //-- // 「そ、そうでもないよ?」 「スフィア? 接着剤はあるかしら?」 「瞬間強力でいいよねっ!」 「ええ。すばらしいですわ、スフィア!」 「あ、あ、あの、姫さま…?  す、スフィア…?!」  微笑む人魚姫に、ギュッ、ギュッと包帯は巻き直され。  無邪気なスフィアは、その上にベッチョリ接着剤…。 「あ、あぅ…あぅぅ…」  なにをいうこともできないハンス(仮名)…。  まるでそれは、叱られたオットセイのようであった。 !■りりんに体を洗われ、ハンス(仮名)は泡だらけとなっていた。 {{include_html htmlPIC,"!りりん洗い"}} 「この紋章に、また会えるなんてね…」  りりんはハンス(仮名)の胸を見つめ、複雑な溜め息をついた。  そこには、ピアスから譲り受けた紋章があるのである。 「えと…ゴメンよ、りりん…。  そっとしておいて…ていわれてたのに…」 「譲り受けたのなら仕方ないわ」  りりんはかるく肩をすくめた。 「でもね。約束破りはキライなの…」  そういうとりりんは、乳首に舌を這わせた。  途端に、ビクンっとするような快感を感じた。  前にも舐めてもらったことはあるが、そのときより敏感になってる気がする…。 「うふふ。今日はバツとして、乳首だけね…」 「ふ、ふわわ〜…」  それだけでも十分、天に登る心地である。 「それで?」  りりんが乳首を舐め回し、吸いつきながら聞いてくる。 「合い鍵は作れたの?」 「あ、合い鍵…?  な、なんのことかな〜」  バレてはいるのであろうが、白状したらまた、どんなメに合わされるやら…。  ココは素知らぬ、存ぜぬが一番なのである。 「あら。しらばっくれるつもり…?」  そういうとりりんは、握る肉棒をずしゅずしゅ、勢い良く摩り出した。 「あ、あ、で、出るよ、りりん…でちゃうよ……」  ピタッと、りりんはその手を止めた。 「え…?」 「うふふ。  生殺しのアナタって、とってもチャーミングね」 「り、りりん…?」 「あんまりかわいいから、イジワルしちゃった。  うふふ。ごめんなさいね…」  りりんは再び、ゆっくり摩りだし、もうすこしで…と、またピタッと止めた。  まるでイク、タイミングを知り尽くしているかのようである。 「り、りりん〜〜〜」 「イキたかったら、素直に白状して。  合い鍵はどうしたの?」  出るトコロを止められる“生殺し”とは、こんなにツライものか…。  ハンス(仮名)は観念するしかなかった。 「飛び猫に取り上げられちゃったよぅ…」 「ホント〜?」 「ホ、ホント、ホントだよ!  だからイカせて! ね? ねぇ〜!」 「うふふ。それじゃ、今回だけは許してあげる」 「ホッ」 「でも、合い鍵を盗んだバツは別よ?」 「……え?」  と、そんなこんなで。  ハンス(仮名)は散々、生殺しを味合わされ、ようやっと出させてもらったのである。 「これに懲りたら、もう盗もうとしちゃダメよ?」  微笑むりりんの思惑とは裏腹に。  ハンス(仮名)はジラされプレイが、クセになりそうな気がしてしまうのである。  こんどはいつ、合い鍵を盗もうか…。  すでにココロは、次のお仕置きプレイに弾んでいた。 //{{counter2 mer03Count}}